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2023.08.26
サッカー

[男子サッカー] 新井の逆足弾で先制も中大と1-1のドロー

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第14節

8月12日(土) 中央大学多摩キャンパスサッカー場 


中大1-1東洋大


〈得点者〉(アシスト) 

61分 新井(小野田)


〈出場メンバー〉

▽GK

前田宙杜(国3=京都橘)


▽DF

田頭亮太(国4=東福岡)

徳永祟人(国2=前橋育英)→79分 髙橋愛翔(国2=大宮U18)

山之内佑成(国2=JFAアカデミー)

荒井涼(国2=日大藤沢)  


▽MF

中山昂大  (国3=大宮U18)

田制裕作(国2=柏U-18)→65分 鍋島暖歩 (国2=長崎U-18)  

高橋輝 (国1=大宮U18)

新井悠太(国3=前橋育英)→90+3分 湯之前匡央 (国2=柏U-18) 

▽FW

小野田龍剛(国4=常葉大橘)→87分 梅津凜太郎 (国3=鹿島Y)

村上力己 (国2=尚志)→62分 増田鈴太郎(国3=東海大相模)


今節リーグ戦で初めて主将を務めた中山

2点目を挙げる新井(画面奥、白ユニホーム)




 関東大学サッカーリーグ第14節(以下、リーグ戦)の相手は中大。昼の暑さが徐々に薄くなっていく18時にキックオフした今節、東洋大は「勝ち点3」を積み上げることを目標に臨んだが、結果は1-1のドロー。試合後の選手らは悔しさをにじませた。



 前半19分。中大が鋭い角度からゴールへシュートを放ったが、キーパー前田の瞬時の判断によりセーブ。その後は互いに攻めきれないままハーフタイムに入った。



 0-0でむかえた後半。先に勢いをつけたのは東洋大だ。J2デビュー戦でゴールを決めた新井がここでも存在感を発揮する。61分新井が左サイドから右のゴール隅へと華麗なシュートを放ち、見事にゴール。しかし、77分点数を並べるべく攻めてくる中大に1点を許してしまう。残りは13分。両チーム互いに追加点を決めようと果敢にピッチを駆け巡ったが、ゴールすることはなくタイムアップ。結果は1-1のドローで幕を閉じた。



 本間キャプテン不在の今節、当日キャプテンに監督が「ゲームの理解度も含めて存在感を出してくれている」と語った3年生の中山を指名。今後もいろいろな形で選手がいないことが見込まれるなか、チーム全体の底上げは進んでいる。



リーグ戦順位は6位に浮上。次節の明大戦に向けて「勝ち点を取る準備をできる6週間に」と意気込んだ。リーグ戦は6週間の中断を挟むが、その間に総理大臣杯が行われる。出場を逃した東洋大はこの6週間の間でどれだけ修正をし、リーグ戦再開を迎えられるか。 「残り8試合の中で上位に食いついていく」と熱意を語った井上監督率いる東洋大に今後も注目だ。



・井上監督 

試合が終わった後の選手たちの表情を見て、勝ち点2プラスできなかったな、残念だなと。前回の東国大との試合に比べると攻撃する時間やシュート数。決定機の数も含めて、かなり多くはなったと思います。その中で1点しか得点にならなかったというところに、選手たちは非常に悔しさをのぞかせていたので、そこはその通りだと思う。それと試合の中でキーに挙げていたセットプレーというところで残念ながら失点しているところは、選手にも課題として話をしました。

(東国大戦に比べるとセカンドボールもよく拾えていた)

前半は相手の長いボールから、最前線の3人の選手にボールを拾われて攻撃が始まり、そこから相手のチャンスがいくつかできていたので、ハーフタイムにそこのすり合わせをして。後半はきっちりコントロールができたかなと思います。

(前半の指示であった「3人目はどこ」という指示。あの指示はトライアングルを使って攻めろということか)

相手がボールサイドやボールの方に注視する場面が多いということになって、今週は直接ボールに関わるというよりも3人目の動きをしましょう、というのをトレーニングの中でやっていた。どこを3人目に見立てるか。誰が3人目として飛び出していくのか。それは選手たちの判断に任せているのですが、その意識が少し薄れているかなと思うところでは、声掛けをしました。

(右サイドでいえば、高橋輝選手と田頭選手ともう一人の形)

そうですね。それがFWであったり、中盤のボランチであったりしてもかまわないと思うのですが。

(中山選手から当日キャプテンに任命されたと聞きましたが、彼をキャプテンに選んだ意図は)

この先のことを見据えてもそうですけど、今日のフィールドの中で送り出すスタートの11人の中では、誰にリーダーシップをとってほしいかなというところで。もちろん4年生がグラウンドにはいるのですが、そこに頼るという事ではなくて、責任性をもってほしいなという狙いから中山を任命するという形になりました。

(本人は驚いていましたか)

いや、あんまり気にしないタイプかなと思います(笑)。

(中山選手自身も東国大戦後のインタビューで4年生に頼ってばかりではいけないという話をしていた。かなりリーダーシップはあるタイプか)

そうですね。フィールドの中で、ゲームの理解度も含めて存在感を出してくれているし、さらに自分だけでなくて全体を一つの取り組みに向けてというのを、彼には期待してやってもらいました。

(次節明大戦に向けて)

リーグ戦は6週間空くのですが、その間我々は総理大臣杯の出場権が無いので。総理大臣杯で試合を積み重ねているところ、その期間に強化に当てるところとそれぞれの大学がやってくると思う。我々もいろいろな形で選手が抜ける可能性はあると思いますが、それをマイナスに捉えるんじゃなくて、全体の底上げの期間に捉えて。これから明大戦ももちろんですが、残り8試合の中で上位に食いついていくことを考えると、強い明大ですが、勝ち点を取れ準備をできる6週間にしたいと思います。



・中山昂大  (国3=大宮U18) 

前節、あんまり良くない試合だったので、今節は「もう1つ成長した姿」をという監督の話があって自分たち的には結構ポジティブな試合を90分通してできたのかなと思っています。

(中山選手は前めの位置でプレーしていましたが、そこは意識してプレーしていましたか?)

スカウトのところで自分が前にいた方が相手はつかみづらいというのは、映像を見ながらやっていたところだったので。意図的に一週間通してできたのかなと思います。

(前の試合でミドルを積極的に打っていきたいという話をしていましたが、狙っていましたか)

シュート数のところで前回そんなだったので。シュートを打たなければ始まらないし、ゴールも入らない。シュートのところは個人でもチームでも意識していたところなのかなと思います。

(シュートを打とうとしても打ち切れないシーンも多くあった。他大と比べても中大の壁の枚数は厚かったか)

真ん中のところは、最後シュートを打つことに対してみんなで体を張って、最後まで打ちづらかったというか。自分だけではなくて苦戦してたのかなと思います。

(リーグ戦初キャプテンとなりましたが、井上監督からはいつ頃に伝えられましたか)

当日のミーティングの時に言われて、本間キャプテンが怪我したりとか、4年生があんまりいない中で、来年も考えながら。前回も言いましたが、引っ張っていこうというところを意識しながら行いました。

(東国大戦後には、「自分たちで火を付けて行く」という話もしていましたが、それは体現できましたか)

そうですね。前の意識というのはシュートチャンスもありましたし。失点シーン以外は結構ポジティブにやれていたのではないかなと思います。

(次節明大戦に向けて)

また良い準備をして、前回勝っているので。もう一回勝てるように準備をしていきたいと思います。


・新井悠太(国3=前橋育英)

立ち上がりがあんまり良くなくて、個人的にも最近相手との駆け引きだったり、背後(を狙う動き)が少なくて、前節は完敗しました。今回も入りがあまり良くなく、セカンドボールとかで相手と五分五分になり、拾えないシーンがあった。でも前半はみんなの中で0に抑えるというポジティブな捉え方ができて、後半になり、個人的にも背後を取る意識が出てきた。相手コート陣地で長い間プレーできた中で1点取ることができたが、そこでもう1点取りに行くということができなかった。それまでに何回も決定機はあったが、甘さが出て、自分たちのミスから失点してしまい引き分けになってしまったという流れです。

(低い位置からドリブルで持ち運ぶシーンが全体的に目立った。あれはチームとしての決めごとだったのか)

自分もプレーゾーンが低くなってしまったというのはあったのですが、あまり決めごとはなくて、個人個人が状況と場面において、その選択(持ち運ぶ選択)が良いという判断をしたのかなと。前線の選手に限らず、CBなども結構長い距離を運んで、決定機に持ち込む場面もあった。それは本当に新しい攻撃パターンにもなりますし、いい意味でのエゴをみんなで持っていければ、攻撃の厚みが出てくると思うので、そのようなシーンは全員が共通して増やしていく必要があるのかなと思います。

(新井選手自身も持ち運びは得意ですよね)

昨年はボランチをやっていて、運ぶドリブルが自分の良さだったので。相手を剥がすドリブルはそれなりに得意かなと思います。

(よく試合中にボールを置きながら反転して相手をかわすフェイントを多用していますね)

あれはデヨング(フレンキー・デヨング(26)/バルセロナMF)がよくやっていて、自分も良くやっている感じですね。あまり自分も意識はしていないのですが、オプションの一つではありますね。

(あれはボランチ時代に身に付けた技)

そうですね。

(あの技は現在見せる突破にかなり生きていますか)

はい。でも、あれは相手のプレッシャーを回避するための技で、どちらかというと突破の技にはならないんですけど。突破は違う形とかいろんなオプションがあって、あれは相手を剥がす時の手段でもありますね。

(試合中、一旦ドリブル中に静止する場面も見られた。あれも駆け引きの一つか)

本来は、相手と一対一のシーンを作って、自分のいい形を作って一対一を仕掛け、縦に突破するというのが、自分の理想ではある。しかし、マークが厳しくなってきて2枚目がいる状況では、自分が無理して一対一を仕掛けるよりも、周りが生きた方が良い。後半の方にあった高い位置でボールを晒しながら時間を作るというのは、他の選手がその時間に動き出してくれればいいですし、その時間でみんながラインを上げて、プレーゾーンを高い位置にできればいいなと思ってやりました。

(味方を待っていた意図もあった)

そうですね。相手が隙を見せれば縦に行こうとも思っていましたけど。

(得点シーン、逆足での一撃となったが、普段から両足での正確なプレーは意識しているか)

左足は苦手ではないですし、そんなに上手いわけではないですけど、それなりに蹴れる自信はある。あのシーンにおいては、ゴールの距離も近かったので振ってみる。チャレンジして良い結果になったのかなと思います。

(明大戦に向けて)

次節はもっと厳しい戦いになる。中断期間があって、長い期間リーグ戦の公式戦が無い中で、自分たちがどれだけ意識高く練習に取り組めるかだと思う。そこは全員が次の明大戦に向けて共通認識を持って、高い意識で練習に取り組めれば勝てると思う。しっかり練習から取り組んでいきたいなと思います。


[次節試合予定] 

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第15節

9月30日(土) vs明大 非公開 14:00キックオフ

※関東大学サッカー連盟公式Youtubeチャンネルにてライブ配信が予定されています。  


TEXT=北川未藍 PHOTO=髙橋生沙矢、北川未藍