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2023.09.07
硬式野球

[硬式野球] 岩崎、志願の続投でリーグ戦初の完封勝利。開幕カードを制し勝ち点獲得!

東都大学野球秋季1部リーグ戦・亜大2回戦

 9月3日(日)坊っちゃんスタジアム(愛媛県松山市)


○東洋大3-0亜大


東洋大
亜大


二塁打:花田(九回)


・打者成績

打順守備名前
(中)橋本吏(総4=花咲徳栄)

(遊)石上泰(営4=徳島商)
(三)宮下(総2=北海)

(指)花田(総2=大阪桐蔭)

走指秋元(済2=木更津総合)


(左)宮本(総4=大阪桐蔭)
(一)池田(営2=三重)


打一船曵(総3=大阪桐蔭)

(捕)後藤(法4=京都学園)
(二)佐久間(済3=千葉黎明)



水谷(営4=龍谷大平安

吉田(営2=龍谷大平安)

(右)楠(営3=佐久長聖)


29


・投手成績

勝敗名前球数四死球三振
岩崎(総3=履正社)129



129球を投げ、完封勝利をあげた岩崎


中適時打を放ちチームの勝利に大きく貢献した楠


宮本の攻守がチームを救った


最終回二塁打を放った花田


1部復帰後初勝利を飾った開幕戦から一夜明け、勝ち点獲得に王手をかけた東洋大ナインは再び松山の地で亜大との一戦に挑む。前日の試合を「しんどかった。1部は甘くない。」と井上監督が振り返ったように、一瞬たりとも気を抜くことは許されない。前日に比べ太陽の日差しが強くなり、気温も上がった灼熱の坊ちゃんスタジアムでの熱い戦いの行方はいかに。


 2連勝で勝ち点獲得を目指す東洋大の先発を任されたのは岩崎(総3=履正社)。初回は3人で抑え、好調のスタートを見せるも、二回に二塁打と2つの四球で2死満塁のピンチを招く。前日と同様、得点のチャンスに勢いの増す亜大の大声援だが、岩崎は動じず。落ち着いた投球で続く打者を中飛で打ち取り無失点。岩崎はフライをキャッチした橋本吏(総4=花咲徳栄)とグータッチを交わした。


 岩崎の力投に応えたい打線は四回。石上泰(営4=徳島商)が四球で出塁すると相手の隙をつき二盗を決めチャンスを広げる。続く宮下(総2=北海)の一ゴロの進塁打で走者を三塁に進めると、相手投手の暴投で先取点を奪った。前日の試合に引き続き、この試合でも先制点を取る。


 追加点を狙う打線は続く五回。後藤(法4=京都学園)が初球を捉え左安打を放ち、相手の悪送球の間に2塁へ。後藤の好走塁でチャンスメイクをすると、続く佐久間(営3=千葉黎明)の犠打で三塁へ。追加点のチャンスで打席には、前の試合で3打数2安打と存在感を見せた楠(法3=佐久長聖)。甘いところに来た初球を見逃さず、放った打球は中適時打に。好投を続ける岩崎にとって大きな追加点となった。


 援護をもらった岩崎は、変化球を巧みに使い相手打線に的を絞らせず。安定した投球を見せ、四回から七回の相手の攻撃を全て三者凡退に討ち取り、反撃の機会を与えなかった。マウンドからベンチへ帰る岩崎は安堵の表情を見せ、仲間に暖かく迎えられた。また、七回は左翼手宮本(総4=大阪桐蔭)が地面すれすれのダイビングキャッチで相手の出塁を阻止。力投を続ける投手を守備で救った。


 2点リードで迎えた9回。先頭花田(総2=大阪桐蔭)の左二塁打、続く宮本の左適時打で1点を追加。大阪桐蔭出身の2人の連打で更なる得点を加え、岩崎の完封をアシストした。3点の援護をもらった岩崎は、走者を許すも後続を抑えて無失点。自身の好投で勝利をつかみ取った。


 岩崎は二回にピンチを招くも落ち着いた投球でスコアボードに0を並べ4安打無失点、計8つの三振を奪い亜大打線を完璧抑えリーグ戦初の完封勝利を飾った。途中、足をつるアクシデントもあったが「まだ0点」と志願の続投。2019年夏の甲子園胴上げ投手の貫禄を見せつけ、監督の期待に応える活躍を見せた。


1部復帰後の開幕カードを制し、勝ち点を獲得した東洋ナイン。しかし、更なる高みを目指す戦いは、まだ始まったばかり。次からはいよいよ、聖地神宮での戦いとなる。そして、次戦の相手は東洋大同様に開幕カードを2連勝で制し、勢いに乗る日大だ。神宮でも投打のかみ合った東洋らしい野球で勝ち点獲得を目指す。


◻︎コメント

・井上監督

(1部復帰後に即連勝で勝ち点獲得)そうですね。運良くホントに。なかなかいい投手が多くて。次から次へと150㎞/hを越えてくる投手が出てくるからどうなってるんだこの世はって。(攻撃面では得点する所で得点できた)まあそうですね。僕の理想は5点なんですけどそんなこと言ってられないので。相手チームより1点でも多く取れればいいかなって。結果は勝てばいいので。(岩崎が完封)本当は6回、7回あたりで変えたかったんですけどあいつ頑固なんで。「まだ0点なんで」って言われたら僕はその気持ちを買っちゃいますね。けどあいつ今回3回目なので。過去2回、こうやって言って点を取られてるので。今日はうまくいきました。(6回、7回で降板させようと思ったのは球数ですか)途中で足をつったらしいので。けど治ったっていうので。(岩崎のどの辺が良かった)最初は慎重に投げていたけど、3回ぐらいから大胆に投げろって言ったんです。OP戦もずっと良かったので、いつもあれぐらいの投球ができる力は持ってます。(昨日言っていたように細野だけじゃないってところを見せられた)そうですね。だから6回、7回で変えたかった。投げる予定の投手はいるし、初めから順番も決めてある。(次戦は神宮に戻って日大)そうですね。1週空くので、それまでには細野も戻ってくると思うので。ベストのメンバーが日大戦では組めるのかなって。今カードはエースと四番が今カードは不在だったので。(エースと四番も、うかうかしてられない)そうですね。まあでもうちのエースと四番はやりますよ。(水谷は何かあったんですか)けがで出遅れたので、大事を取って。ただキャプテンなんで。キャプテンとしての仕事をしてもらったって感じですね。(岩崎の先発はいつ決まったのか)こっち来る前から2戦目って決まってました。


・岩崎(総3=履正社)

(完封した今試合を振り返って)粘りの投球ができたかなって思います。(6回、7回で変わる予定だが志願して続投。どんな思い)投げるのが好きなので。投げたかっただけです。(2回のピンチを抑えてからはピンチが少なかった。3回以降の気持ち)序盤は力んでストレート多めの、力で押す投球になっていたと思うんですけど、体力面を考えて。これじゃ持たないと思って。変化球多めの投球に変えました。(軸になった変化球)いろんな変化球使ってたので、的を絞らせずに行けたのかなって思います。(監督が今までに二回失敗していると言っていた)変わるぞって言われて、続投志願した次の回に失点しました。(今日は1部で完封できた)1部も2部もOP戦も変わらず。毎回本気で投げているので。(完封を意識したタイミング)最初からです。試合が始まる前からです。(常に意識しているのか)いつもなんですけど、リーグ戦なら特に自分で投げて勝ちたいって気持ちが強いです。(初完封の思い出の地になった坊っちゃんスタジアムはどうでしたか)投げやすいとかなく、普通でした。(今までの最速は)152㎞/hありました。(一番自信のある変化球は)カットボールです。(今季の目標は)優勝したいけど、監督も言っているようにまず入れ替え戦回避。入れ替え戦の怖さを知っているので、もう入れ替え戦にはいきたくないです。



TEXT=一ノ瀬志織・PHOTO=成吉葵・一ノ瀬志織