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2015.09.05
アメフト

[アメフト]因縁の明学大を相手に接戦を制せず 初戦は引き分けに

平成27年度関東学生アメリカンフットボールリーグ戦

9月5日(土)東洋大朝霞グラウンド


東洋大23-23明学大

   7|1Q|3

   7|2Q|13

   3|3Q|0

     6|4Q|7


20150905amehuto大森

大森(右)は3度フィールドゴールを決め得点を量産した


20150905amehuto森

ファンブルを決め喜びをあらわにする森(右)


 リーグ戦が開幕し、東洋大は3年連続となる明学大との初戦に挑んだ。過去2年、苦い敗戦を喫している相手に果敢に攻める姿勢を見せ、試合は東洋大がリードする展開で進んでいく。しかし3Q以降はチャンスをつくるもTD(タッチダウン)を決め切れない。ほしかった一本は終盤、相手に決められてしまい同点で初戦は終了。悔しさをにじませた選手たちは「メンタル面の未熟さ」を課題に挙げた。


 「オフェンスにしてもディフェンスにしてもメンタルの弱さが試合結果につながったのかな」。試合後、西村ヘッドコーチは淡々と評した。今季の東洋大は他チームに比べて人数は少ないものの、昨年のリーグ戦後から体づくりに励んだこともあり戦力には手応えがあった。そのため今試合、また今年のリーグ戦での重要なポイントになるのは試合に臨む気持ちの強さ。選手たちは一丸となって戦う雰囲気をつくるために、練習のアップ段階から声を出しチームを盛り上げていたという。

 そしてその成果もあり、試合は開始直後に山形(済4・成城学園)のTDによる先制点で幸先のいいスタートを切った。2Qでは一挙13失点と明学大の猛攻を受けるも、すぐさま点を取り返しリードをゆずらない。これまで苦しめられてきた相手を前に、一味違う今季のチームの力を感じさせた。

 その後も東洋大は鳴島(文2・聖望学園)の巧みなランや森(営4・狭山ヶ丘)の2度のファンブルにより幾度もチャンスをつくる。しかし、いずれもTDにつなげることができない。大森(ラ4・東京)が堅実にフィールドゴールを沈め、最低限の得点は重ねたものの「ゴールを決めるのは当然という意識。オフェンスとしてはTDを決め切れなかった」と悔しさを口にした。さらに23対16で迎えた4Q終盤。残り時間がわずかとなり、相手の攻撃を止めることができれば勝利という正念場を迎えた。しかしここでもディフェンス陣が本来の力を発揮することができず得点を許してしまう。終盤に同点に追い付かれ、念願の勝利を逃した選手たちは、昨年以上の結果にも喜びを見せることはなかった。


 オフェンス陣、ディフェンス陣共に勝負の場面で競り勝つ気持ちの強さが課題に挙がった今試合。より気持ちの強さの重要さを痛感する結果となった。次試合に向け西村ヘッドコーチは「技術的な部分ではどのチームも並んでいると思うので、心の準備をしていきたい」と意気込む。攻めの気持ちをプレーで発揮することができれば、自ずと勝利に近づくはずだ。


■コメント

・西村ヘッドコーチ
毎年チームは変わるから大学スポーツとしては難しいところだが、今年は戦術よりもシーズンに入る気持ちの方を大事に。何年か明学大に初戦で負けてきて、「いつまでも負けていていいのか」と気持ちの準備を意識してきた。(練習面では)人数が少ない分、けが人が出ると戦力が落ちてしまうので走り込みや当たりに負けない体づくりをやってきた。(試合の評価は)かけ引きのやり合いの中で最初はタッチダウンが決まったが、後半は相手のディフェンスがこちらのオフェンスに対応してきたから止められてしまった。コツコツとやってきたことを発揮できるメンタルの強さがなかったかなと。勝てた試合で勝ち切れなかったのは悔いが残るし、オフェンスにしてもディフェンスにしてもメンタルの弱さが試合結果につながったのかなと思う。(次戦に向けて) 3回タッチダウンを取れなかったことや、最後に止められなかったことはメンタルの問題。技術的な部分ではどのチームも並んでいると思うので、心の準備をしていきたい。次の試合は勝つという強い気持ちを持って臨めるようにしたい。


・大森(ラ4・東京)
ここ何年か初戦で明学大に負けていて、シーズン通しての立ち上がりとしても大事にしていた。それを考えて日頃の練習でもアップから全員で盛り上げることを意識してきたので、オフェンスは最初の攻撃でタッチダウンまで持っていけて良かった。それでもその流れのままいけないのは課題なのかなと思うし、引き分けと負けはほぼ一緒だと思っているので、勝ち切れなかったのはまだまだなのかなと。今年は1部にいくことしか考えてないので、その中で初戦を勝ち切れなかったのは能力というより気持ちの面なのかなと思う。(ゴールを決めた場面は)3本中3本決まったのは良かったが、3回目のファーストダウンを更新できなかったことが課題だと思う。ゴールは決めて当然という意識がある。(次戦までに改善したいことは)1部にいくためにはあとがないので、勝利は当たり前でさらに圧倒するくらいの結果を残さなければならない。あとは4年生がいかに後輩を引っ張ってチームを底上げできるか。次の試合では相手を圧倒するくらいのパスやランプレーをしていきたい。


・永藤(総4・佼成学園)

初戦だったので全体的に動きが固い部分が見えた。勝てた試合を落してしまったという印象。3Qにディフェンスが敵陣深い位置でボールを取ってくれたので、あそこでオフェンス陣がタッチダウンを一個でも取れてれば勝てた試合だった。(相手について)明学大とは、一昨年、昨年と初戦で当たっていて、いずれも負けていたということを考えれば引き分けだったがその部分では少し進歩は見られたと思う。1部昇格を目指しているチームとしてはこの試合を勝ち切れなかったのは、悔しい。タックルミスが多く目立ち、ディフェンスも最後までブロックできていなかった。そこを次戦以降、修正していきたい。メンタル面において弱い部分が見受けられたので改善する。(次戦に向けて)もう一度、気を引き締めて全部、勝つつもりでやっていきたい。


・森(営4・狭山ヶ丘)

試合の入りにディフェンス面で甘い部分が見られた。勝てた試合だったので4年生として責任を感じる。チーム全体をまとめるためにも積極的に声を出していかなければならない。負けられない試合が続くので、しっかり課題を修正してやっていきたい。


・山形(済4・成城学園)

ずっと負けている相手に対して引き分けは成長を感じることができたが、勝たないといけない試合でもあった。(結果については)引き分けだったが負けに等しい。(個人的には)副主将でチームを引っ張っていかないといけない立場なのでタッチダウンという形で示せて良かった。(次戦に向けて)これからやる試合は全部取りにいきたい。

 

TEXT=石田佳菜子 PHOTO=小泉真也