記事
平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・国士大1回戦
9月5日(土)東洋大グラウンド
東洋大3-0国士大
七回2死二、三塁、2点適時打を放つ林
思いを乗せた打球は中堅手の前で大きく弾んだ。試合を決める2点適時打。「それまでチャンスをつぶしていたので、(この打席は)自分で決めようと」。林(営4・桐生一)にとって試合を決めるだけではなく、春の嫌なイメージを払しょくする決定打ともなった。
今までの野球人生の中で一番苦しんだという春の打撃不振。「何をしても駄目だった」。打つタイミングを変えたり、自らの好調時のビデオを何度も見直したがなかなか調子は上がらなかった。迎えた大学最後の夏。大事にしたのは自分自身だった。「自分のバッティングは自分がよく分かっている」。何度も見返したビデオを改めて確認。少しでもヒントを得れば、すぐに実行へと移した。時には日が暮れてからもバットを振り続けた。「最後ぐらいは勝って終わりたい」。1部に復帰するため、そして普段から慕ってくれる後輩のために、練習を重ねてきた。開幕前には自らを打線の「キーマン」に指名。「自分がやらなければいけない」。貫き通す己への思いと期待。春に貢献できなかった分、自分が一番多く仕事をするつもりだ。
リベンジに燃えるラストシーズン、開幕戦でひとまず結果を残した。「まだまだ、あの1打席だけですから」。そう言いながらも副主将の顔からは自然と笑みがこぼれた。
■コメント
・林(営4・桐生一)
序盤は春みたいに貧打戦になるかなと思っていたが、自分もタイムリーが打てて苦しみながらも取れて何とか良かった。これが4打席目で前の打席では2死一、二塁のチャンスをつぶしていた。自分はチャンスで燃えるタイプなので、今度は自分が決めようと。そこで点取れば試合も優位になると思った。自分が決めるぞというモチベーションで打席に入った。(初戦まずは結果を残して)あの1打席だけです。他にも点が取れる場面があったので、1個1個のチャンスを生かしていかないと。1試合でチャンスが何度も来ることがないのでチャンスをもっと大事にして、点を取るべきところで取らないと駄目かなと思う。自分が打てばチームが乗ると思う。3番として、内野のリーダーとしてやらせてもらっているのでチャンスで打つのももちろんだが、チームが沈んでいるとき、雰囲気が悪い時に一本打って流れを変えられるようにしたい。1部と違って2部では負けられない試合が続くので、勝ち点は1つも落とせないシビアな戦いになるが、原はやってくれると思うし、野手は自分を中心に原を援護できるように点取って勝っていきたいと思う。
TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=伊藤梨妃