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[硬式野球]東都大学野球 秋季1部2部入替戦・駒大3回戦
11月13日(月) 神宮球場
●東洋大1ー2駒大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | |
駒大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
三塁打:水谷(八回)
細野-後藤
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (右) | 水谷(営4=龍谷大平安) | 5 | 1 | 0 |
2 | (左) | 秋元(済2=木更津総合) | 5 | 2 | 0 |
3 | (三)→二 | 宮下(総2=北海) | 3 | 0 | 0 |
4 | (一) | 池田(営2=三重) | 3 | 1 | 0 |
一 | 松本(営3=成田) | 1 | 0 | 0 | |
打 | 斎藤(営3=九州国際大附) | 1 | 0 | 1 | |
5 | (二) | 吉田(営2=龍谷大平安 | 2 | 0 | 0 |
打→三 | 加藤響(総3=東海大相模) | 2 | 0 | 0 | |
6 | (中) | 里(総3=浦和学院) | 3 | 0 | 0 |
打 | 楠(法3=佐久長聖) | 1 | 0 | 0 | |
中 | 橋本吏(総4=花咲徳栄) | 0 | 0 | 0 | |
7 | (遊) | 石上泰(営4=徳島商) | 2 | 1 | 0 |
8 | (捕) | 後藤(法4=京都学園) | 4 | 0 | 0 |
9 | (指) | 山田(総1=木更津総合) | 3 | 1 | 0 |
計 | 35 | 6 | 1 |
・投手成績
勝敗 | 名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
負 | 細野(総4=東亜学園) | 10 | 133 | 2 | 7 | 11 | 2 | 0 |
133球を投じ2安打11奪三振を奪う好投を見せた細野
水谷はバッドでチームを引っ張る
秋元は2安打を放つ活躍
3時間半にも及ぶ死闘から一夜。前の試合と変わらず、1部残留決定に王手をかけた状況で迎えた第3戦。必要なのはあと一つの勝利のみ。前日に続き、互いに一歩も譲らない緊迫した熱戦が繰り広げられた。
先発のマウンドを任されたのは、前日の二回戦で悔しい降板となったエース細野(総4=東亜学園)。「本当にあとが無かった。なんとしても抑えようと思って投げた。」その思いで望んだ今試合は、初回から3人で駒大の攻撃を抑える幸先の良い立ち上がりを見せる。
打線は初回から、秋元(済2=木更津相互)の中安打と池田(営2=三重)の右安打で2死一、三塁と好機を迎えるも、後続が三振に倒れ先制ならず。二者残塁で初回を終える。
以降も、なかなか打線がつながらず得点に結びつかない。
一方の細野は二回以降も、出塁を許しながらも要所で併殺を打たせる落ち着いた投球で駒大打線を抑え、スコアボードに0を並べていく。
力投を続けるエースのためにも、野手陣はまずは1点を挙げたいところ。その先に待望の1勝がある。
五回には昨日2本の二塁打を放つ活躍を見せた山田(総1=木更津総合)が、そして七回には石上泰(営4=徳島商)がそれぞれ中安打で出塁するも続く打者が打ち取られ得点ならず。
両チームの先発がスコアボードに0を刻み続け迎えた八回、先頭の水谷(営4=龍谷大平安)がフルカウントから右三塁打を放ちチームを勢いづける。この入替戦、リードオフマンとして打線を牽引する頼もしい主将は三塁上で喜びの表情を見せベンチにいる仲間に応えた。その後、宮下(総4=北海)が申告敬遠、加藤響(総3=東海大相模)が四球で出塁し、2死満塁に。ベンチ、スタンドからの声援もさらに大きく勢いを増す。この場面で、中大一回戦でサヨナラ打を放った楠(法3=佐久長聖)が代打出場をするも、好機を生かせず無得点。
大会規定により、試合はこのまま延長タイブレークへ。
十回、犠打で進塁を許し、ニゴロと右安打で2人の生還を許し2失点。
2点を負う裏の攻撃。斎藤(営3=九州国際大附)の遊ゴロの間に1点を返すも、攻撃もそこまで。1-2で試合終了。1部残留は明日へ持ち越しとなった。
この日、細野は10回までを一人で投げ抜き、散発2安打。駒大打線を完璧に封じ込めた。井上監督も「期待に応えてくれた。一番だった。」とエースの力投を讃えた。
楽しい時だけでは無かった。苦しい時悔しい時もたくさんあった。それでもここまでチームを引っ張り導いてきた、まさにエースらしい、言葉通りの投球そのものだった。それでも試合後、「最後の最後で勝てないのは、まだ足りないところがある。」と厳しく振り返り、そして「いつも通りに投げてくれれば抑えられる。あとは信じて見るだけ。」と、ここまで共に戦ってきた信頼ある仲間たちに想いを託した。
決着は入替戦では異例の四回戦へ。互いに1部の舞台で戦うための切符獲得に王手をかけた。連戦により厳しい戦いとなるのも、後がないのも両校同じ。長かった秋季1部2部入替戦も最終戦。水谷世代の集大成。指揮官の『最後は気持ちの勝負。勝負を楽しんで』という言葉通り、チーム一丸となって戦いに勝利し、笑顔の東洋ナインの姿を期待したい。
◻︎コメント
・井上監督
(昨日に引き続く大熱戦だったが)今日は勝てましたけどね、だめですね。(今日も先発に細野を起用した)今朝、話はしたんですけど、昨日からもう先発で行くぞって言ったので、もう一回朝最後の言葉・メッセージでもないですけど、もう最後だから昨日のピッチングではプロ行けないだろと、逆に行くなと。最後にちゃんとエースらしいとこ見せて終わらせないと、そういう話をしました。本当、期待に応えてくれて、野手があと一本出なかったってところで。勝たせてやりたかったですけどね。(今日はエースらしい投球だった)まあ一番だったんじゃないですか。ベンチでもね、野手が勝たせてやれ勝たせてやれって言ってたんですけどね。なかなか、駒澤さんも必死なので。(四回戦まで)勝負としては面白いですよ、でもだいぶ疲れてるんで。(最後に選手をどう鼓舞したいか)もう今更ああだこうだ言っても仕方がないので、選手を信じて、勝負を楽しんでやれと、それだけですよね。どのみち明日には結果が出るので。(明日、細野のベンチ入りは)今日が最後だぞと。(明日は)今日は細野しか投げてないのでね、うちピッチャーはたくさんいるので。(エースらしいところは)ストライク先行で今日は昨日とはうって変わって、ランナー出してもその後きっちり抑えてくれて。最後はね、タイブレークの時はどうしてもしょうがないので。(厳しいと言葉を行ったが)結果がそうだったので、彼もこのままじゃ終われないと思ってたんでしょうね。だから今日は、一回もマウンド行ってないです。最後に言ったから、今日はマウンド行かないでおこうと。(入替戦四回戦はなかなかないが)なかなかしんどいです。まあそれはお互い様ですからね。本当最後は、気持ちの勝負です。(タイブレークでの満塁策は)タイブレークは何が正解かって言うのが無いです。その時の打線の打順の巡り合わせもあるので。
・細野(総4=東亜学園)
(昨日悔しい思いをした中で負けはしたが延長10回投げきった)昨日ああやって点取ってもらった中で、ちゃんと投げれなかったのが今日こう言う厳しい試合につながったと思うので、素直にチームのみんなに申し訳ないなって気持ちが大きいです。(短い時間だったが昨日から今日の登板につながった要因は)みんな結構明るく話してくれたり、技術的なところで言ったら足上げた時に一回目をきるとか。あとは何か変えたかったのでスパイクとグローブを変えて来ました。(監督から言葉をかけられて)本当にあとが無かったので、僕としてはここで変なピッチングはできなかったので、なんとしても抑えようと思って投げてました。(明日は仲間に託す形になったが)いつも通りに投げてくれれば多分抑えられると思うので、あとは信じて見るだけです。(大学では最後の登板になる)最後の最後で勝てないって言うのがやっぱ、まだ足りないところがあるのかなって言うふうに思いました。(昨日と今日での違いは)駒澤はフォアボール狙ってきたりで、振ってこないのは分かっていたので、昨日は本当にストライク取らなきゃって考えだったんですけど、今日は当ててもいいしボールでもいいやって投げてました。それで気楽に投げられましたね。(最後自分としてはエースとしての力を見せられたか)勝てなかったので。最後もピッチャーゴロ僕のミスで1点入っちゃいましたし、最後の最後までみんなとか監督もそうですけど、プレーでみんなに貢献するってところではあまり、エースとしての活躍はできなかったかなってふうに思います。(プロでの目標は)入替戦だったので、あんまり先のことは考えてなかったんですけど、今思いつくんだったら怪我なく一年元気にまずはやるってしっかりやって行ければと思います。
TEXT=一ノ瀬志織・PHOTO=青柳そよか、一ノ瀬志織