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ジャパンオープン2023(50m)
11月30日(木)~12月3日(日)東京アクアティクスセンター
(4日目・予選)
男子200m背泳ぎ
5組
1着 竹原 1’58”49
→全体2位で決勝進出
女子100mバタフライ
4組
6着 遠山 1’02”27
女子200m平泳ぎ
4組
4着 水野 2’32”86
男子200m平泳ぎ
2組
3着 川人 2’16”55
4組
3着 釜田 2’13”36
→全体14位でB決勝進出
(4日目・決勝)
男子200m平泳ぎ
B決勝
2位 釜田 2'12''47
男子200m背泳ぎ
決勝
3位 竹原 1'58''22
200m背泳ぎで3位となった竹原(右)
4日間にわたり行われていたジャパンオープンが最終日を迎えた。東洋大からは4種目5人の選手がレースに挑んだ。2日目に男子100m背泳ぎで5位入賞をしている竹原(スポ1=東福岡)が得意の200m背泳ぎで3位となり、表彰台にあがった。また釜田(国2=沼津学園飛龍)は男子200m平泳ぎでB決勝へ進出し、日本選手権の標準を切る自己ベストを出した。
まず男子200m背泳ぎ予選に竹原が登場。前半100mで2着と体一つ分差をつけるとそのままペースを維持し、1分58秒49でゴール。全体2位で決勝進出を決めた。
予選から好泳した竹原
次に女子100mバタフライに遠山(国2=渋谷教育学園幕張)が出場。両隣のレーンが棄権により空いていて、競る相手が見えない状況でスタート。スタートで出遅れるも後半必死の追い上げを見せ1分02秒27でフィニッシュ。
追い上げる遠山
女子200m平泳ぎに水野(営1=湘南工大付)が出場。前半からストロークとキックのあった伸びのある泳ぎでレースを展開した。体力が厳しくなる後半になっても前半と変わらない美しい泳ぎを披露。2分32秒86の4着でレースを終えた。まだ1年生、これからの泳ぎにも注目だ。
伸びのある泳ぎを見せる水野
続いて行われた男子200m平泳ぎに川人(営1=豊川)と釜田がエントリー。予選2組に登場した川人は150mまで5番手あたりに位置していたが、他の選手がばててしまう中、ラスト50mでペースアップをする。残り25mで2人の選手をかわし、3着でゴール。粘りの泳ぎを見せた。
粘り強い泳ぎをした川人
予選4組の釜田は、オーストラリアの2選手に続き3着の2分13秒36でゴール。全体14位でB決勝進出を決めた。釜田はレース後、悔しげな表情を浮かべた。自己ベストを更新したものの目標としていた日本選手権へ出場するための標準記録(2分13秒24)へ0.12秒足りなかったのだ。この0.12秒を縮めるため、先生方の助言を聞き、修正する点を意識してB決勝のレースへ臨んだ。
予選へ挑む釜田
迎えた午後のレースでは「最初の50mの浮き上がり」、「ラスト50mで泳ぎを変えない」というアドバイスをいかし、その点を意識して飛び込んだ。最初の100mをトップで折り返すと、予選釜田と同組で2着だったWilliam Petric(AUS)をおさえ、2位でフィニッシュ。大幅に自己ベストを更新する2分12秒47というタイムをだした。またこれにより日本選手権の標準記録切りも果たした。このタイムに驚きやうれしさのうかがえる表情をみせた。来年の目標に「インカレでA決勝に残ること」と挙げた。そのためにラスト50mでバテない体力作りにこれから取り組む。ひと冬乗り越え、さらに強くなった姿を来年見せてくれるに違いない。
大幅ベスト更新した釜田
東洋大のジャパンオープンを締めくくる種目は男子200m背泳ぎ決勝。予選で好泳し、パリオリンピックの派遣記録も意識して挑んだ決勝。竹原の前に立ちはだかったのは予選全体1位、オーストラリア代表として世界水泳福岡で銀、銅メダルを獲得した実力者であるBradley Woodward(AUS)。レースは終始Bradleyが引っ張る展開。そこに食らいつく竹原は大きくテンポのいい泳ぎを続けた。しかし、ラスト25mで加藤(山陰パナソニック)にさされてしまい、1分58秒22の3位でゴールをむかえた。予選からのタイムを上げることと派遣記録を意識していただけに悔しい結果となった。しかし竹原は今回、ストロークと呼吸のタイミングを変え、改善した泳法に挑戦していた。それにより呼吸の回数が多くなり、いいリズムのまま最後まで行けるそうだ。パリオリンピック代表選考会へ向け、この呼吸法の泳ぎ方がはまり、最後の50mを強化し、ライバル達を引き離すことができれば、パリへの道も見えてくる。残り3か月、更なる強化を図る。
テンポのいい泳ぎをみせる竹原
海外の実力のある選手も多く出場した今大会、東洋大スイマーが世界の選手や日本トップの選手と張り合う姿を決勝、B決勝の舞台で見せてくれた。来年への更なる躍動に期待を抱かせ、ジャパンオープンは幕を閉じた。
トップ選手と肩を並べる竹原(右)
これで今年の主要大会を終えた選手たちは、冬季の練習を乗り越え、来年3月に行われる、花の都パリへの選考会へ挑む。自身の泳ぎで光り輝く水面に花を咲かす。
■コメント
◇釜田駿(国2=沼津学園飛龍)
ーーB決勝のレースを振り返って
今回の大会では、まだ日本選手権(出場)のタイムを切ったことがなかったので、まずは(2分)13秒2というタイムをずっと狙っていて、予選も狙って一応ベストだったのですが、あと0.1秒で切ることができなかったので、決勝は平井先生から最初の50mの浮き上がりがつまっていたので、しっかり丁寧に泳ぐようにと教わり、練習の時からラスト50mは泳ぎを変えないようにすると教わっていたので、しっかりすべて意識してクリアすることができたと思います。
ーー予選で0.1秒足りなかったところからB決勝でどうやって気持ちを切り替えたのですか
先生方にダメだったところを教えていただいて、そこを確実にクリアして、0.1秒はあとほんの少しした修正で出ると思っていました。そうしたら思いのほかベストを更新することができたので良かったかなと思っています。
ーーこの冬強化していきたい点は
ラストの50mでいつもばててしまうので、ばてない体力をつけることが目標です。
ーー来年の目標は
確実にインカレのA決勝に残ることです。
◇竹原秀一(スポ1=東福岡)
ーー決勝のレースを振り返って
予選からは確実にタイムを上げたかったし、派遣のタイムも頭に入れながら泳いでいたので悔しいです。
ーー今日のレースでよかった点は
力まずに泳げたところはよかったし、呼吸のリズムも予選ではぐちゃっとなってしまったところを修正できたかなと思います。また最後の50mここから上げる、上げられるという思いで(ターンを)回ったのですが、泳ぎの面で改善した泳ぎだったので、その中でタイムをあげられたのかなと思います。
ーーこれから強化していきたい点は
力まず泳ぐというのは決勝で改善できたと思うのでそこは引き続き意識していきたいです。最後の50mで、4月の選考会のときも追いつかれそうでぎりぎり勝てたという感じだったので、パリオリンピックに向けてまたみんな力をつけてくると思うので、そこの部分で詰められないように、逆に引き離せるように最後の50mをもっと強化していきたいです。
ーー3月の選考会に入江選手が出てくる可能性もあると思いますが
(入江)陵介さんが出てきたらもちろん(1分)56秒台でもオリンピック出場は難しいと思うので、もっと上の55、54秒台狙ってこれからあと3ヶ月頑張りたいと思います。
ーーどのあたりの泳ぎを改善したのですか
この前までは2回回して1回呼吸みたいな感じだったのですが、それだと大きくいいテンポで泳ぎ続けるというときにリズムが止まってしまうというのがあって、それが原因で後半疲れてコースロープによってしまうというところがあったので、1回回して、1回呼吸するというのに切り替えて、それでいいリズムにという風に改善しました。
ーー改善後の泳ぎのほうがいいですか
自分的にはそっちの方が、タイムも上げやすいですし、呼吸の回数も多くなり、テンポはあまり変わらないのですが、改善後の泳ぎのほうが、練習も楽に回数をこなせることができて、泳いできてはまるようになってきたというのもあるんですけど、いい泳ぎができていると思います。
ーー平井監督からはどんな声掛けがありましたか
レース前にはベストが出たらいいねと声をかけてもらいました。
TEXT=金子恭大 PHOTO=金子恭大、望月桜