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平成27年度東都大学野球秋季２部リーグ戦・東農大１回戦
９月12日（土）東洋大グラウンド
東洋大４－３東農大
値千金の同点適時打を放った中川。
二塁まで到達し、このガッツポーズ。
塁上で思わず笑みがこぼれた。３点差を追い付く走者一掃の適時二塁打。絶対的エースのまさかの降板に、打線は依然としてつながらない。そんな危機的状況を救ったのはこの日初めて４番に入った中川（法１・ＰＬ学園）だった。
プレッシャーを感じていた。春の開幕前、オープン戦では４番を務めていたが公式戦では初めての経験。「４番というのはより一層責任がある。結構緊張しました」。それでも試合になれば関係なかった。第１打席で安打を放つと、四回にも左前へと運ぶ。ここで４番としての見せ場がやってくる。エース・原（営４・東洋大姫路）が先制の２点本塁打を浴び、６回限りで降板。３点ビハインドの八回１死満塁。何としても反撃したい場面で打席が回る。「ずっと原さんに助けてもらっていたので、何とか黒星だけはつけさせたくない」。強い気持ちを持って打席へと入った。２球目、手を出していったがタイミングが合わず打ち上げる。力の無い飛球が三塁側ファールグラウンドへ。「正直取られると思った」。しかし、これを左翼手がまさかの落球で命拾い。仕切り直しとなり、集中力はより一層高まった。低めの直球を振り抜くと打球は三塁線をするどく抜けていった。点がほしい場面で決めた４番の仕事。「素直にうれしかった」。見事に重圧をはねのけてみせた。
「４番のほうがいいのかなぁ」と高橋監督。これまで２試合で先発した５番打者では８打数１安打だったものの、この日は５打数３安打。チームで一番の打撃内容だけに、これからも４番を任される可能性は大いにある。「それは監督さんが決めること。自分はどの打順でも役割をしっかり果たすだけ」と本人は特に意識はしていない。それでも活躍したことには変わりない。これからに期待が膨らむ４番の〝初仕事〟だった。
■コメント
・中川（法１・ＰＬ学園）
結構緊張した。オープン戦の４番とリーグ戦では違いました。（４番での出場は）試合前のシートノック前に。ゲームに出るというのは責任感を感じるが、４番というのはより一層責任がある。気持ち的に引き締まってゲームに臨めた。負けている場面、満塁で回ってきた。原さんがノックアウトされて、ずっと原さんに助けてもらっていたので何とか黒星だけはつけさせたくないという思いで打席に入りました。（ファールフライを左翼手が落球）正直取られると思った。落としてくれたことでもう一回気持ちが作り直せた。バッティング自体は悪くはない。ただ調子がいいとは言い切れない。まだまだこれから調子を上げていって、気を引き締めて頑張りたい。まだ大きな仕事ではない。次があるので、頑張ります。
TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=枦愛子
