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「日本一」という最大の目標を掲げ、闘志を燃やし続けた今年度。関東大学リーグ戦(以下、リーグ戦)ではさまざまな熱戦を繰り広げるも、目標の「日本一」の通過点である大学選手権出場がかなわずに幕を閉じた。かなわなかった日本一に悔しさが残ったが、新チームは2024年の逆襲へ、4年生はそれぞれの進む道へと歩み始めている。ここでは、2023年度の主将を務めたタニエラと副主将の杉本に大学ラグビーの思い出や今後のビジョンなどをそれぞれ前編・後編にわけ、4日間にわたってお届けする。
3日目は、リーグ戦・立正大戦でPOMを獲得するなど、チームの巨頭として姿や結果でチームメートをけん引してきた主将タニエラ・ヴェア(総4=目黒学院)。大学ラストイヤーでは選手権出場がかなわずも、「新しいチームに行っても日本代表になりたいという目標がある」と次なるステージでの夢を口にした。前編では、1年~主将就任時の振り返りを中心にお届けする。(取材日・12月16日、聞き手=木村彩香)
ー新型コロナによる制約があった中での生活についてどうとらえていたか
自分たちの入学する前からもコロナが流行っていて、1年の時は練習もほぼできずに、過ごした1年間だったので、ラグビーの場面でいい思い出はなかったなという印象でした。
ーどのような練習を?
みんな家だったり地元に帰っていて、チームの練習ができない時にオンライントレーニングをやっていたり、ズームでトレーニングをやっていたりしました。
ーリーグ戦22年ぶりの優勝、また入れ替え戦が中止になってしまった点について
自分たちが1年生の時に優勝して、入れ替え戦に行けるというチャンスをもらった時に、入れ替え戦がなくなってしまって、悔しい気持ちもあったんですけど、その時の4年生の顔を見るだけで辛かったです。
ー1部昇格が決まった瞬間の気持ちは
自分たちも入ってきた時に2部だったので、いつか1部でやりたいなという気持ちがあって、2年の時の入れ替え戦で1部に昇格した時にうれしいというか東洋大に入ってきてよかったなと感じました。
ー先輩方はどのような存在であったか
去年一緒に試合に出させてもらって、ラグビーの面でもすごく色々アドバイスをもらったり、寮生活でも色々教えてもらったり。後輩たちをよく見てくれている先輩たちだなというように感じました。
ー先輩後輩間の上下関係について
上下関係もしっかりあるんですけど、優しいだけではなくダメなところはしっかり注意してくれる先輩もいて。注意してくれる方はやっぱりしっかりしていて、そういうところも上下関係っていうのはしっかりあって。その中でもワンチームというのはずっと意識して取り組んでいるので、試合に出るメンバー出ないメンバー関係なく。そういうところではコミュニケーションを1年生から4年生まで全員しっかり取れていて、いいバランスでやれているチームだと感じています。
ー今シーズンで最も印象に残っている試合は
自分にとっては全部印象に残っているんですけど、ひとつを挙げるとしたら、大東大戦であと一本取っていたらつながる試合だったなという印象でした。
ー今その試合を振り返って、後悔などはあるか
自分たちはセットプレーを強みにしていて、最後のところで取れなかったところが本当に悔しいなと感じました。
ーリーグ戦開幕直前の気持ち
今年新しいチームを始めた時に、春にどうしてもいい結果を出せなかったので、夏の合宿を通して、秋は絶対やってやるという思いが強かったです。
その思いを持ったまま開幕戦に臨んでいました。
ジュニア戦ではウォーターボーイを務めたタニエラ
ー主将でチームを率いるために意識していたこと
1年間このチームをまとめて引っ張っていくにあたって、話すのが上手なタイプではないので、自分が先に動いてみんながついて来れたらいいなと。
ずっとそれで1年間やってきました。
ーキャプテンで辛かったことは
チームで良い時もあれば悪い時もあって、どうやったらチームが良い方向にいくのかと考えるのが辛かったです。
ーキャプテンになって良かったことは
4年生をはじめ、1〜3年生が自分から言わなくてもついてきてくれました。東洋大で、このメンバーでキャプテンになれて幸せだなと感じました。
ーどのようなチームを目指していたか
昨年大学選手権に行って、早稲田大に負けたんですけど、そこから新しいチームになって去年より良い結果を残していきたいと思っていました。
ーまず1番最初にしていたことは
勝ち続けるためには身体作りのところが大事で、ずっとウエイトをひたすらやってきました。
◆タニエラ・ヴェア
生年月日/2000年の4月14日
ラグビー始めた時期/中学1年生から
趣味/音楽を聴くこと、
特に好きなアーティストは長渕剛
長渕剛でオススメの曲/幸せになろう
退寮後にやってみたいこと/熱海へ旅行に行くこと
PHOTO=北川未藍、木村彩香