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第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
９月19日（土）東洋大学総合スポーツセンター
東洋大83－77江戸川大
24｜１Ｑ｜25
15｜２Ｑ｜20
20｜３Ｑ｜13
24｜４Ｑ｜19
スタートメンバー
２ 山口健大 （済３・桐光学園）
25 島崎脩 （ラ３・松本蟻ヶ崎）
29 岩淵俊也 （済２・新潟商）
54 マッカーサーエリックジュニア （国１・デイナ）
88 山本大貴 （済３・市立船橋）
山口は持ち前のオフェンス力を爆発させた
本来の調子を取り戻し、山本は得点を量産した
前回の試合で昨年の２部リーグ１位・大東大に勝利した東洋大。開幕３連敗という悪い流れを止め、上位進出に向けようやくスタートラインに立った。勝率を五分に戻すために連勝がほしい江戸川大戦では、ディフェンスが崩され勝ち切れない前半から一転、後半は声を出し合い選手間で立て直しを図る。「先週した１勝を意味のあるものにするためには、今週２勝しなければならない」。選手それぞれの強い思いがしっかりとプレーに現れ、２勝目を勝ち取った。
「自分たちがやりたいことを相手にやられてしまった」と岩淵（済２・新潟商）が振り返るように、前半は苦しい出だしとなった。オフェンスでは攻撃の要である山口（済３・桐光学園）、山本（済３・市立船橋）のシュートが冴えわたり、順調に得点を重ねる。しかし一方でディフェンスに甘さも垣間見られ、江戸川大の走るプレースタイルに対応することができない。ノーマークでのシュートを許し１Ｑ、２Ｑともに終盤逆転を許してしまった。
しかしここで選手たちの集中力が切れることはなかった。開幕３戦目までのチームであったらこのまま流れをつかみ切れなかったかもしれない。それでも、悔しい敗戦を乗り越え強豪から勝ち取った白星を「無駄にはしない」というチームで共有された思いが選手たちを動かした。東洋大の軸であるディフェンスを再徹底し、後半からは見事に切り替えて見せる。４Ｑで勝負を決め、83対77で接戦を制した。
今試合、特に目立ったのが３年生の活躍だ。リーグ戦序盤はチームを背負うプレッシャーからか不調であった主力の中村（済３・幕張総合）、山口、山本が、ここにきてようやく本来の力を取り戻した。中でも山口は今試合一人で28得点を挙げている。後半はここぞという場面で次々とシュートを沈めガッツポーズを掲げる。ベンチも沸き、チームを鼓舞するエースとしての姿が見られた。また、試合を重ねるにつれてプレー時間を延ばしているのが小川（法３・都立高島）だ。３Ｑにはラスト数十秒で逆転のスリーポイントを決め、目（さっか）監督はディフェンス面でも「よく頑張っている」と評している。中村も「島崎（ラ３・松本蟻ヶ崎）と小川など昨年はあまり出ていなかった選手も出てきて、自分の役割を果たしてくれているのでチーム力は上がっている」と手応えを語る。主力３人だけに頼るのではないチームが今リーグ戦を戦う中で築き上げられている。
改めて戦いのスタートラインに立った東洋大は負けられない試合が続く。明日の関学大戦は、ホームで行われる今季最後の試合となる。山本が「関学大も走ってくる相手なので、そこを徹底的に抑えたい」と意気込むように、勝敗を左右するディフェンスを発揮できるかがカギとなるだろう。勝率を五分に戻し今後への勢いをつくるために、何としても白星を勝ち取りたいところだ。
■コメント
・目（さっか）監督
前半のディフェンスがひどかった。そうなると後半逆転してリードするのが難しくなる。選手にはやはりディフェンスがひどすぎると伝えた。細かいことをやらないとこうなってしまうと。（その中で勝因は）後半のディフェンスやリバウンド、ルーズボールを頑張ったから勝てた。（山口選手の活躍は）いいプレーが出るか紙一重な部分もあるが、今日はいい方に転んでよくやってくれたなと。もう少し周りを使いながら自分も攻められたらもっと良くなる。他にも小川がシュートはもちろんディフェンスをよく頑張ってくれた。（連敗を乗り越えて連勝を手にしたが）先週、ランキング１位の大東大に勝ったので今日、明日勝てば大きな意味を持つ１勝になると。よく考えて選手にも伝えてやっていきたい。２部は弱いチームがなくてどこも接戦してるので気合いを入れて頑張りたい。
・小川（法３・都立高島）
前半点を取られすぎて２Ｑでゾーンをしたが、相手が対策を練ってきていたので完全に崩されてしまった。後半はマンツーマンになって決めていけたのは良かった。比較的に山本、山口がシュートが入っていたし、流れが悪いときでも後半はディフェンスもつなげていけたのが勝因。（対策は）相手のフォーメーションをコーチが解析してくれていて、それをメンバーが再現してくれてある程度フォーメーションはわかっていた。23番が相手のキープレイヤーだったのでそこをどう止めるかがポイントだった。（出場時間が延びてきているが）鷲見がけがして下（センター陣）が足りないというのはある。自分はリバウンドと走りをかってもらって出ているので、全力でやっているかなとは思う。（調子が良かった選手は）山口、山本はシュートが入っていて助かった。（次戦に向けて）関学大は（サイズが）小さいので自分とか山本、エリックとかがでかいやつらが点数を取ったりリバウンドをしっかり取っていけば勝てると思うので、頑張りたい。
・中村（済３・幕張総合）
先週した１勝を意味のあるものにするためには今週２勝しなければならないので、大事な試合だし頑張ろうと話していた。点を取られているときは相手チームに走られて、ノーマークでシュートをうたれたりディフェンスがいまいちだった。内容は良いとは言えないが結果的に勝てたことは良かった。（中盤の切り替え方は）まずはディフェンスをやろうと。オフェンスも止まってしまってるときがあったので、とにかく走って点を取りにいこうと話していた。（同期の印象は）山本と山口はいつもながら活躍してほしいし、島崎と小川など昨年はあまり出ていなかった人も結構出てきて自分の役割を果たしてくれているのでチーム力は上がっているかなと。明日勝てば大きいと思うのでディフェンスを緩めることなく、序盤からプレッシャーをかけて頑張りたい。
・山口（済３・桐光学園）
監督からも言われたが相手に点数を取られすぎてしまったのと、走ってくるチームに対応ができなかったのが反省点。後半の追い上げはみんなが頑張ってディフェンスやってくれていたので良かった。今日負けてしまうと先週（大東大に）勝った意味がなくなってしまう。そういうことがあると上にはいけないと思うので、今日の試合をきっちり勝ちきれたことは良かったと思う。（調子が戻った印象だったが）安定したプレーを自分は求められている。自分が得点を取って勝つ試合もそうだが、周りを生かして得点を重ねていくというのを今後求められてくる。今日調子が良かったのはたまたま。（調子が良かった選手は）前半山本が点を重ねてくれたのでそこが助かった。あと、小川が最近プレータイムを伸ばしていて、リバウンドを取ってくれたりいいところでシュートを決めてくれたり。今まで試合に出ていなかった選手が出てきてくれたのでそこが良かった。今後楽しみだなと思った。（次戦に向けて）関学大は（去年）全敗していて、自分たちもまだ勝ち星が先行していないのでここでしっかり勝って五分に戻して来週に臨みたい。明日絶対負けられない試合になると思うので入りからしっかりプレーをしたい。
・山本（済3・市立船橋）
相手が走ってくるチームだったで、前半はそこの対応ができず走らせてしまった。後半でディフェンスの気持ちが変わったのが勝因だった。（前半から後半への切り替えは）前半が終わって６点差だったので、まだ大丈夫だと思っていた。相手を走らせてしまっていたので、走られないようにしようとみんなで話していた。（課題は）チームのフリースローのシュート率が悪かった。次の関学大も走ってくる相手なのでそこを徹底的に抑えて、勝てば勝率を五分にできるので、しっかり勝って五分にしたい。
・岩淵（済２・新潟商）
大東大戦のときは出だしから結構走ったりディフェンスができたりしていたが、今回はそれができなかった。気持ちの問題だと思う。自分たちがやりたいことを相手にやられてしまった。それでも、ハーフタイムで話し合いをして切り替えて、後半は自分たちのディフェンスからブレイクにもっていくプレーができた。後半も流れが悪くなったときはあったが、その都度みんなで話し合いをして立て直した。（次の関学大は）得点源の二人を抑えなければ勝てない。全体的に背は小さい分、走ってくると思うので、自分たちもしっかり走れるようにしていきたい。必ず勝って勝率を五分に戻します！
TEXT=石田佳菜子 PHOTO=木谷加奈子
