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2015.09.20
硬式野球

[硬式野球]左殺しの仕事人小笠原 努力が生んだ執念の適時打

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・国士大3回戦

9月19日(土)東洋大グラウンド

東洋大8-1国士大

(イニングスコア)

3回戦

東洋大

国士大

(東洋大)

○原(3勝)―後藤田

三塁打:安西

二塁打:笹川、阿部健、中川

打順                     

守備

名前

(遊)

阿部健(営3・帝京)

左(右)

安西(営3・聖光学院)


木村(営4・愛工大名電)

(二)

林(営4・桐生一)

(指)

中川(法1・PL学園)

(中)

笹川(営3・浦和学院)

(三)

田中将(営2・帝京)


鳥居(営3・愛工大名電)




冨澤(営4・愛工大名電)

(一)

城之内(法4・東京学館)



原澤(営2・前橋工業)



右(左)小笠原(営4・大社)

城戸(営3・常葉橘)


竹原(営1・二松学舎大附)

(捕)

後藤田(営4・東洋大姫路)


名前

原(営4・東洋大姫路)

9回

34



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左前適時打を放つ小笠原



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 ガッツポーズで歓喜の雄たけびを上げた



 今季最多の8得点で快勝。小笠原(営4・大社)が今季2試合目の先発起用に応え、二回に適時打を放ち、チームを勢いづけ勝ち点奪取に貢献した。


 左投手専門。それが小笠原に与えられている仕事。この試合の相手先発投手は左。さっそく絶好の場面が訪れた。二回1点を先制し、なお1死一、三塁。「打てる気しかしてなかった」と自信たっぷりに打席に向かう。3-1から苦しまぎれに投じられた甘い直球を逃さなかった。積極的に振りにいくと打球はしぶとく三遊間を抜けた。一塁ベースを回ったところで「思わず出た」と右手を何度も突き上げ、渾身のガッツポーズを見せた。

 小笠原には打席に入るチャンスが少ない。そのため、レギュラー選手よりも圧倒的に少ない打数で結果を出さなければならない。4年生になった今年、「首の皮一枚」これが高橋監督から掛けられ続けている言葉。常に少しでも打てなければ、下級生が控えているという苦しい立場に置かれている。

 2年生のとき、高橋監督から「お前は左投手専門」と告げられた。「絶対に打てるようにしよう」。そう心に誓い、新たな世界へと足を踏み入れた。それから、どうすれば打てるようになるのか、自分なりに対策を考えて練習に励んだ。そんな中で小笠原の練習には「左投手からしか打たない」という強いこだわりができた。たとえ右投手が投げていても絶対に打たない。プロでもそこまでしている選手はいるのだろうか。自分に求められているものが何なのか、しっかりと把握して2年半徹底的に左投手を打ち込んできた。そして迎えたこの試合、小笠原は「左投手が国士大と拓大にしかいないから、今日が最後」という気持ちで臨んでいた。その中で放った待望の一打は、今までの努力は無駄ではなかったということを証明して見せた。

 「下級生の頃から出してもらっているので、何とかチームに貢献できるように頑張りたい」と小笠原。この一打で、また「首の皮一枚」つなげることができた。次に左投手と当たるのはおそらく拓大戦。大学ラストシーズンのこの秋、最後まで自分の仕事を全うする。



■コメント

・高橋監督

 あの先発ピッチャーからは1点しか取れなくて非常に頭が痛かったけど、打線がつながって早い回に捕まえてくれたね。特に無死一、二塁からバントしないで打たせたのが良かったな。田中将は冨澤よりは左から打っているし、この間も同じピッチャーから1本打ってるからね。原澤もボテボテだったけどあれで先制点が取れたのは大きかったですよ。小笠原は4年生だからね、いつも首の皮一枚って言ってる。中川は一番ですよ。よく打った。3本も打って、チームリーダーだよ。立派なもんだね。

 原はいいね。昨日良かったんですよ。これだったら大丈夫だって。こんなにリードして投げたのは初めてじゃないかな。

 下位チーム相手だけど苦しんで1勝1敗になって、首の皮一枚で勝ってきた。これを大事にしたらいいんじゃない。何としても入れ替え戦で勝ってやるっていう執念を見せてくれればいい。俺はチャンスあると思うよ。乗ってきたしね。


・井上コーチ

得点は8点入っているが、まだまだ打てていないと感じる。それでも向こうのミスをうまく突いて、ヒットを重ねて8点取れているので、チーム状況は悪くないです。ヒットの出方がまだ捉え切れてないので、練習でつめていけば上がっていけると思う。本人たちは初球から振っていく意識はしていると思う。まだその振り方に問題はあるが、振りにいけているのは進歩している。(中川について)僕の中ではまだ振れていない。でも、本人の中ではいい感じで振れていると思う。中盤、青山立正と正念場が続くので、一つも落とさずチーム一丸となってやっていきたい。まずは前半の東農大と国士舘と正念場で勝てたのは大きいかなと。拓殖が(首位を)走ってはいるが、これでなんとか同じ土俵に立てたかな。みんな一つでやっていければなと思います。


・小笠原(営4・大社)

 左投手が国士大と拓大にしかいないから、今日が最後くらいの気持ちでやった。もう意地です。(二回の一、三塁の場面では)チャンスの場面で最近野手が引っ張れてなかったんで、何としても打点を稼ごうとして打席に入った。打てる気しかしてなかったので、打ったらガッツポーズしてやろうと思っていて、でも思わず出た。自分は左投手専門。左投手は差し込まれると打てないので、直球も変化球も前で裁くように意識している。打撃練習でも左投手からしか打たない。2年生の時からお前は左投手専門と高橋監督に言われてきたので、絶対打てるようにしようと思って常に左投手の練習をしていた。自分は下級生の頃から出してもらっているので、何とかチームに貢献できるように頑張りたい。


TEXT=菅野晋太郎 PHOTO=伊藤拓巳、美馬蒔葉