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2024.07.29
コラム

第849回 手話 執筆者・北村友樹

はじめまして!スポーツ新聞編集部に入部しました、社会学部メディアコミュニケーション学科1年の北村友樹です!


担当部会は陸上、水泳、サッカー、ラグビー、ボクシングの5つをやらせていただきます。


まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします!



初めてのコラムなので、自分のことについて書きたいと思います!


実は私は生まれつき耳が聞こえないです。両耳の聴力が100dBという、重い聴覚障害を持っています。どのくらい聞こえないのか想像できない方々もいると思うので、具体例を挙げます。電車が通過している時のガード下だとやっと聞こえます。それより音が小さいと全く聞こえないです。健聴者同士の会話も然りです。


そんな私が日常生活でどのようにコミュニケーションを取っているのでしょう。



それは「手話」です。



少し前にテレビドラマ「silent」、「星降る夜に」で出演者たちが手話を使う場面があって、身近に感じる方もいると思います。


私が3歳頃のときから高校まで、ろう学校(聴覚障害者のための学校)に通ってきました。先生も生徒も手話を使います。給食の時間になると、生徒たちは手話が飛び交って盛り上がります。


ろう学校では普通の学校にはないものがたくさんあります。例えば、チャイムが鳴ると同時にランプが点灯します。色にも意味があります。(緑&オレンジ→授業時間、青→不審者、赤→火災や地震などの緊急時)

また、UDトークなどの文字起こしアプリで声を文字化にします。このように、ろう学校は可視化(見える化)を徹底しています。


私にとってのろう学校は「手話」を大切にしてくれる居場所であり、この先も欠かせない居場所でもあると思います。


昔は手話を使うのに禁止される時代もありました。その代わりに、当時のろう者たちは発音や読唇術など訓練していました。その人たちはまともな勉強とコミュニケーションができず、ただただ苦痛な思いをするしかありませんでした。


その後はろう者の先輩方の努力の賜物で手話が使えるようになりました。大学進学も就職もできるようになり、現在は多くのろう者が社会で活躍しています。


私が大学に入学してから3か月になります。やはり高校までのときと違い、健聴者と会話する際は筆談やスマホ文字入力を使うため、手話を使う時間が少なくなってきていると感じます。それでも私のアイデンティティは「手話」なので、定期的にろう者のコミュニティに参加したり、ろう者の友達と話したりして「手話」を大切にしていきたいと思います!


ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!

手話のことは少しでも覚えてくれたら幸いです!