Article

記事


2024.07.09
陸上競技

[陸上競技]全日本大学駅伝予選会 3組連続で組トップ!攻めの走りで1位とわずか9秒差の2位通過

秩父宮賜杯第56回全日本大学駅伝対校選手権大会

関東学生陸上競技連盟推薦校選考会


1組 

1着 松井海斗 29'25"69

24着 岸本遼太郎 30'02"86


2組

1着 網本佳悟 29'50"85

4着 宮崎優 29'53"97


3組

1着 石田洸介 28'58"12

18着 西村真周 29'32"37


4組

8着 小林亮太 28'54''89

11着   梅崎蓮 28'58''71


チーム総合結果

2位 東洋大学 3:55'37"45  本戦出場!






秩父宮賜杯第56回全日本大学駅伝対校選手権大会関東学生陸上競技連盟推薦校選考会(以下、予選会)が6月23日、相模原ギオンスタジアムで開催された。本戦への出場権がかかるこのレースに、8名の選手が出場。各校2人ずつ、4組のレースが行われる予選会で、東洋大は1〜3組で組トップをとり、全体2位で本戦出場を決めた。





 昨年の全日本大学駅伝で14位に沈み、今年は予選会からの挑戦となった東洋大。「本戦を見据えた走りを」というチーム全体の意識のもと、8人の選手が出走。合計タイム上位7校が本戦出場となる中、東洋大は予選トップ通過を目指して挑んだ。



 流れを決める1組目に出場したのは、岸本遼太郎 (総3=高知農)、松井海斗(総1=埼玉栄)の2名。「前に出て自分のペースで」と、2周目に入ると2人で前へ。岸本が2000㍍まで集団を引っ張ると、先頭は松井にかわり、2人でレースを作る。レース中盤、松井が後ろに下がると、一度はけん制し合ったものの、早大の2名に先頭がかわり、ペースアップ。岸本は少し苦しくなり、集団から離れる形となった。6800㍍手前、神大の滝本朗史と明大の成合洸琉が集団を抜け出すと、8000㍍付近で松井も集団を飛び出し、前を追う。2人をとらえると、ラスト600㍍でもう1段階ギアをあげ、トップへ躍り出てそのままゴール。1年生ながら、組1着を勝ち取った。苦しくなった岸本も、最後まで粘り強い走りを見せ、24着でのフィニッシュ。攻めの姿勢を示し、後続に勢いを与えた。1組目終了時点でのチーム結果は8位となった。


ラストスパートで後ろを突き放す松井


1組目から攻めの姿勢を示した岸本



 2組目に出場したのは網本佳悟(総3=松浦)、宮崎優(総1=東洋大牛久)の2名。スローペースからのスタートとなり、大きな集団で進んだこのレース。網本は先頭付近内側で、宮崎は網本より少し後方でレースを進めた。7800㍍で東海大の檜垣蒼が仕掛けると先頭集団は絞られ、網本、宮崎も先頭集団につく。9000㍍で早大の石塚陽士が先頭に立つと、すかさず宮崎が石塚の前に出てトップへ。網本は第1集団からは少し離れた状態で迎えたラスト1周。すぐに網本が先頭集団に追いつくと、ラスト200㍍で一気に先頭へ。後続を突き放し、磨き上げたラストスパートで1組目の松井に続き、組1着でゴール。関東インカレをはじめ、1500㍍のレースにも出場し、「課題であったスピード強化のために取り組んできた」という成果を遺憾なく発揮して、激しい先頭争いを制した。続く宮崎も懸命にくらいつき、4着でのフィニッシュ。チーム結果は3位に浮上した。


磨いてきたスピードでトップを勝ち取った網本


最後まで先頭争いを繰り広げた宮崎


健闘を讃えあった網本(右)と宮崎(左)



 3組目に出場したのは石田洸介(総4=東農大二)、西村真周(総3=自由ヶ丘)の2名。スタートすると、西村が先頭に。2000㍍手前で石田が西村の前に出て、先頭交代。4000㍍付近までレースをつくる。西村は、一度は集団から遅れたが、「このままでは終われない」と、徐々に差を縮め、7000㍍手前でもう1度先頭集団に。8000㍍付近、日体大の浦上和樹が仕掛けると、石田もそれを追う。9000㍍手前でペースを上げ、一気に突き放すと、そのまま大きく後ろを離し、3組連続となる組トップ、そしてこの組で唯一の28分台でゴールした。つづく西村も最後まで前を追い続ける力走を見せ、18着でのフィニッシュ。チーム結果は2位まであがり、1位の東海大を18秒差で追いかける展開となった。


圧倒的な走りで組トップでゴールした石田


懸命な走りで前を追った西村



 勝負を決める4組。東洋大からは梅崎蓮(総4=宇和島東)、小林亮太(総4=豊川)の2名が出場。主将・副将コンビが最後を託された。留学生ランナーも多く出場したこの組は、レース序盤から集団がばらけ、ハイペースな展開に。中央学大の吉田礼志、早大の山口智規が留学生ランナーに続き、梅崎と小林はその後ろの日本人3位集団でレースを進める。4000㍍手前、「このままではトップ通過はできない。」という指示を受け、小林が集団を抜け出し、前を走る2人を追うことを決断。わずか1周ほどで追いつき、日本人トップ集団に加わる。一方梅崎は集団に残り、3組終了時点で1位の東海大の2名をマーク。8000㍍で梅崎のいる、日本人4位集団のペースが上がり、9400㍍付近で日本人トップ集団から遅れた小林を吸収。梅崎と小林は並んでラスト1周へ。お互いが懸命なスパートでともに上位を目指し、小林は8着の日本人3位、梅崎は11着の日本人6位でゴールした。


トップ通過を目指し、2人で前を追う梅崎(左)と小林(右)


握手をかわす梅崎(左)と小林(右)



 梅崎、小林の走りを受け、東洋大の最終チーム結果は2位。1位の東海大まではわずか9秒差にまで迫っていた。目指したのはあくまで「トップ」通過。2位という結果に全選手が悔しさをにじませた。しかし、1~3組目まで組トップを独占し、全選手が積極的なレース運びを見せた東洋大。今大会で圧倒的な存在感を示したことには間違いない。本戦では、予選会からの下剋上を目指す。予選会から本戦優勝となれば、7年前の第49回大会以来の快挙となる。容易な道ではないが、今年の鉄紺なら。そんな期待に心が弾む。まずは三大駅伝の開幕、10月14日の出雲駅伝。夏を超えた先の、「鉄紺の覚醒」を願って、その時を待ちたい。


最終組の2人に声援を送る東洋大チーム






■コメント


―1組―


松井海斗


ーーレースを振り返って

 トップ通過を目標にしていた中で2位通過ということで、課題の残るレースとなりました。


ーー1組目での出走が決まった際の心境や、考えていた自身の役割

 レースが近づくにつれて緊張感が増しました。 役割としては組トップをとってチームに良い流れをつくる走りを心がけていました。


ーー5000m付近で先頭から下がった意図は

10000mを引っ張る経験がなく5000m辺りからはきつかったので1度下がってラストの力を貯めました。


ーー仕掛けるタイミングは

 ラスト2000mからと考えていたので仕掛けることは出来ましたが、思っているよりもゆとりがなく動かしきることが出来ませんでした。


ーー今後に向けて

 夏合宿で土台作りをし、三大駅伝でチームに貢献できる走りができるようにしたいと思います。




岸本遼太郎


ーーレースを振り返って

 前に出て自分のペースで走ろうとしたが、力不足で全く話にならなかった。松井を含め、他の選手に負担をかけてしまい申し訳なかった。


ーー1組目での出走が決まった際の心境は

 トップバッターという事で良い流れを作り、後の選手が楽になるような走りをしようと思った。タイムにもこだわって攻めの走りをしようと思った。


ーー2周目に入り、先頭へ出た意図は

 元々のプランとして最初のペースが遅ければ前に出て自分のペースで走ろうと考えていた為、そのプラン通りの走りをした。


ーー今後に向けて

 今回の失敗を取り返す為にも、全日本大学駅伝本戦を含め他のレースで結果を出す。また、チームの1番の目標である箱根駅伝優勝を達成してスローガンである鉄紺の覚醒を体現できるようチーム全員で頑張っていく。



―2組―


網本佳悟


ーー今大会を振り返って

 最低限、予選会を通過する事はできましたが、トップ通過を目標にしていた中で、2位という結果だったため、悔しさの残る大会となりました。


ーー位置取りやレースプランなど

 スローペースになっても前には出ず、ラスト2000mから勝負しようとレース前に指示を頂いたので、スローペースでしたが前に出るのを我慢して、最後勝負する事ができました。


ーー先頭に立ったラストスパートの、原動力や要因は

 課題であったスピード強化を春から始め、1500mのレースにも出場させて頂き、練習からスピード強化に向けて取り組んできました。そこで身に付けたスピードや自信が今回の結果に繋がったと思います。


ーー今後に向けて

 個人としては、トラックやハーフマラソンで自己ベストを更新する事です。チームとしては、箱根駅伝優勝というのが最終的な目標です。 三大駅伝ではチームに貢献できる走りをしたいと思います。



宮崎優


ーーレースを振り返って

 トップ通過を目標にしていましたが、9秒差で2位という結果となり、悔しい大会になりました。


ーーレースプランは

 レースの序盤、中盤は集団の中で余裕を持って走ることを意識し、ラスト2000mからペースを上げ、早めに仕掛けることをイメージして走りました。


ーー1組目の松井選手の走りを受けて

 同じ1年生が1組目から組トップをとる走りをしており、刺激になり、自分も負けていられないと感じました。


ーー今後に向けて

 夏合宿で走り込みを行い、駅伝シーズンに向けて力をつけていき、箱根駅伝優勝という目標のため貢献できる走りをしたいと思います。



―3組―


石田洸介


ーーレースを振り返って

 トップ通過を目指して走ったが、数秒差の2位で悔しい結果となった。個人としては確実にトップを獲得することができ、収穫のあるレースとなった。


ーーどんな思いで予選会に臨んだか

 東洋は予選会に出るチームではないというプライドを持ち、本戦で他大学と戦う時に予選を通過するだけではなく、実際に対等に争える力を見せつけようと思い臨んだ。


ーーレースプランや仕掛けどころは

 スタート前に監督から勝負どころで勝ち切ろうという戦略だった。ラストに課題があるため、ロングスパートで勝ち切ろうと思い、走りながら1000m手前で仕掛けようと考えた。


ーー3組連続で東洋大勢が組トップを取ったことに関して

 3組連続でトップを獲得し、勝ち切るという面では良かったが、3組終了時点で総合トップを取ることができず、4組目の選手に負担をかけてしまった。


ーー今後に向けて

 個人としては引き続きトラックで自己ベスト更新を目指し、チームとしては夏を乗り越えて駅伝で優勝を目指していきたい。



西村真周


ーーレースを振り返って

 監督から伝えられた戦略がありましたが、自分本位の走りをしてしまい本来の走りができずにチームに迷惑をかけてしまいました。試合でしっかりと走れる本番力をこれから身に付けて駅伝ではチームに貢献できるようにしたいです。


ーー最初から先頭に立つことは決めていましたか。

 先頭付近で走るつもりでしたが、スタートの際に押し出される形となり引っ張ってしまいました。


ーー7000m付近でもう一度先頭集団に追いついた、要因や原動力は

 このままじゃ終われない。チームのために少しでもタイムを稼ぐ。


ーー今後に向けて

 今回は結果を出せずにチームに迷惑をかけてしまったため、その分はこれからの走りであったり生活面での姿でチームに還元していき、駅伝シーズンではちゃんとチームに貢献できる走りをしたいと思います。



―4組―


小林亮太


ーー今大会を振り返って

 チームとしては本戦を見据えてトップ通過をするのが目標でしたが、総合二位で終わりチームとして課題の残るレースとなりました。


ーーレースプランは

 前半は集団の前の方で力を使わずに走り、後半から上げていくつもりで考えていました。


ーー4000m手前で集団を抜け出し、前を追いかけた意図は

 このままではトップ通過が出来ないと指示があったので、いち早く追いつき日本人トップを取るつもりで走りました。


ーー1〜3組に出走した選手の走りから

 1〜3組目までトップを取ってくれたのはかなり力になりました。


ーー今後に向けて

 最終目標は箱根駅伝優勝なので個人のレベルアップは勿論、チームの底上げができるように走りでも言葉でも引っ張っていけるように頑張りたいと思います。



梅崎蓮


ーー今大会を振り返って

 トップ通過を目標としていましたが、2位だったので悔しかったです。まだまだチーム力が足りないと感じた予選会でした。


ーーレースプランは

 東海大学の2人をマークして、ペースが上がってもいつでも対応できる位置にいて、最後勝つプランです。


ーー小林選手とはどのような声をかけたか

 3組すべてでトップを取ったから、俺たちもやらなきゃいけないと話しました。


ーー今大会のチームとしての結果について

 2位という結果に危機感を持たなければいけません。また、中間層を上げなければいけません。


ーー今後に向けて

 三大駅伝で優勝争いができるようにします。




TEXT=近藤結希/PHOTO=鈴木真央、佐々木朋弥

第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第48回全日本大学駅伝
第28回出雲駅伝
第28回出雲駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第34回杜の都駅伝
第40回全日本競歩能美大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝
第48回男鹿駅伝