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2024.07.14
陸上競技

【陸上競技】男鹿駅伝4位と優勝には届かずも、3区間で区間賞獲得!

令和6年度全国男鹿駅伝競争大会 7区間66.2㌔



総合4位 東洋大 3:25’18 (66.2km)


1区 (14.9km)久保田琉月 45'02(4位通過・区間4位)

2区 (11.8km)薄根大河 38'09(4位通過・区間4位)

3区 (7.5km)岸本遼太郎 22'27(4位通過・区間賞)

4区 (3.8km)倉本晃羽 13'18(3位通過・区間賞) 

5区 (8.2km)高橋康之介 24'41(4位通過・区間4位)

6区 (9.9km)稲葉夢斗 31'25(4位通過・区間4位)

7区 (10.1km)網本佳悟 30'13(4位通過・区間賞)






 秋田県男鹿市にある男鹿総合運動公園を発着点として、男鹿半島内を走行コースとする令和6年度全国男鹿駅伝競走大会が6月29日に行われた。起伏が激しく、箱根駅伝に向けたステップともいえるこの大会に東洋大学が出場。7区間66.2㌔の戦いが繰り広げられた。優勝を目指し、戦った東洋大は、3区間で区間賞を獲得するも、他大に一歩及ばす。4位でのフィニッシュとなった。


男鹿の絶景の中を駆けた




 14.9㌔の最長区間である1区を任されたのは久保田琉月(総2=埼玉栄)。積極的に前を引っ張り、攻めた走りで果敢に挑む。暑さもあり、厳しいコンディション下でのレースに、「バテてしまった」と、後半に失速。1位の青学大とは44秒差と、少し離されたものの、2位中央大と15秒差、3位東京国際大とは9秒差の区間4位でまとめた。この結果に満足はしていないが、「自分の現状を知れた」と前向きな久保田。昨年、叶わなかった三大駅伝への出走を目指し、練習に励む。


 スタート前、深呼吸をする久保田



 続く2区は薄根大河(総2=学法石川)。昨年も同大会の3区で出走した薄根。2区は男鹿駅伝のコースの中でも上りが厳しく、11.8㌔と距離も長い区間。昨年よりもハードな区間への挑戦に、準備はしたものの、「気持ちが前に行き過ぎて体がついていかなかった」と振り返った。1位との差は1分36秒差まで開き、区間4位と今大会は本領発揮とはならなかったが、気持ちの強さを力に、「覚醒」を目指す。




 3区は、昨年男鹿駅伝に出走し、その後、箱根駅伝10区区間賞を獲得。主力選手に成長して戻ってきた岸本遼太郎(総3=高知農)がエントリーされた。1週間前の全日本大学駅伝予選会に出場したばかりの岸本。全日本大学駅伝予選会では1組目に出走したものの、結果はふるわず。「自分が足を引っ張ってしまった」と振り返り、リベンジをかけてこの大会に臨んだ。「自分のところで追いつかないと苦しくなる」。その思いで前を追い続け、区間賞を獲得。タスキを受け取ったときには41秒あった、1つ前を走る東国大との差を13秒にまで縮め、チームに良い流れをもたらした。


3区岸本から4区倉本へのタスキ渡し



 4区は倉本晃羽(総2=伊賀白鳳)。上りが強い区間でも、怯むことなく前を追い続けた。3.8㌔という今大会最短区間の中で、岸本が13秒差まで詰めた東国大を抜き去り、16秒離してタスキリレー。4位で受け取ったタスキを1つ上に押し上げ、区間賞を獲得した。今大会で、上りへの適正もアピールした倉本。箱根5区への挑戦に意欲をみせ、箱根駅伝の要である上り区間に新たな候補者が誕生した。




 5区は高橋康之介(総2=学法石川)。攻めの走りで、前半は前との差を順調に縮めるが、「前半の下りで意外と使い果たしてしまい、思うようにレースを進められなかった」と、後半の走りへ、悔しさを吐露。しかし、「下りはうまく走れた」と収穫も口にした。後ろから追われることとなった、東国大の冨永昌輝は三大駅伝すべてに出場経験のある有力選手。今大会も、区間賞の快走となり、高橋も懸命に戦ったが、先行を許す形に。それでも、有力選手と渡り合った経験は、必ず今後の力になるはずだ。


 5区高橋から6区稲葉へのタスキ渡し


 

 6区は稲葉夢斗(総3=那須拓陽)。自身初めての大学駅伝への出走となった今大会。初めてかける鉄紺のタスキに、喜びと緊張が入り混じる中、スタートをきった。「少し不安になってしまった。思い描いていたようにできなかった。」と、初めての駅伝は苦い結果に。1位中大との差は1分30秒ほど、2位青学大、3位東国大との差は1分ほど開き、区間4位の走りでアンカーへとつないだ。苦しいレースにはなったが、3年目にしてやっとつかんだメンバーの座。このレースを契機に、飛躍を誓う。




 アンカーは網本佳悟(総3=松浦)。1年次に4区を走って以来、2年ぶりの男鹿駅伝となった。タスキを受け取った時点で、1位の中大とは3分19秒、1つ前を走る3位東国大とは1分35秒の差。厳しい状況だったが、それでも「絶対に優勝を狙いたい」と、諦めることはなかった。最初から突っ込んで入り、前を追う。攻めの走りで、順位を上げることは叶わなかったものの、区間2位と30秒以上の大差をつけ、堂々の区間賞を獲得。3位の東国大に、35秒差にまで迫り、1位中大との差も2分36秒差にまで縮めてゴールした。岸本と同じく、全日本予選からのハードスケジュールの中だった網本。全日本予選で2組トップを取り、好走したが、そこで満足することはなかった。「もう1度チームに貢献する」と、またしても鉄紺の強さを示した。


4位でのゴールに悔しさをにじませるアンカー網本




 今年のスローガンは「鉄紺の覚醒」。チーム全員で箱根駅伝総合優勝を目指す。本格的に駅伝シーズンとなるのは夏をこえた先だが、夏を前に、一足先に駅伝を経験した7名。この男鹿の地から三大駅伝へつなげた選手、主力へと成長していった選手も多くいる。今回出走したどの選手も、レース後に語ったのは、「チームとしての結果」へのこだわりだった。強い結束力で目標は1つ。今大会は悔しい結果に終わったが、次は優勝の景色を見るべく、鍛錬の夏に向かう。今大会に挑んだ7名が、ここから羽ばたくことを願わずにはいられない。


レース後のメンバー





1区 久保田琉月

ーーレースを振り返って

 今シーズン初めてのロードレースに出て、結果は悪くはなってしまいましたが、自分自身の力の現状を知ることができたことは良かったです。

 反省する点としては、全日本大学(駅伝)予選や、前日に行われていたU20(日本陸上競技選手権大会)の結果で、いい流れでつなげてくれていた中で、自分たちの結果が全体として悪かったことです。4位で終わってしまったことはやはり悔しいので、今後の駅伝につなげられるような走りや練習を、また一から見直していきたいと思います。


ーーレースで得られた収穫は

 積極的にレースを進めるというところでは、自分が今、どこまで引っ張っていけるのかを知れたので、東洋でまだ戦えるというところを今後示せるようにしていきたいと思います。


ーー今日のレースプランは

 自分で引っ張って積極的なレースをしようと思っていました。レースの結果、暑さもあり、途中の給水のところでしっかり(水分を)摂れていないところがあって、後半バテてしまいました。

 東洋大は暑さ対策をしっかり意識してやっているチームだと思うので、そういったところも練習からひとつずつ見つめ直して、三大駅伝に向けて頑張りたいと思います。




2区 薄根大河

ーーレースを振り返って

 先頭の青山学院大学が30秒差で、その後中央大学、東京国際大学が10秒、20秒差ほどで来ました。そこでリズムに乗って、着いていく形でレースを進めたのですが、後半にかけて体が動かなくなってしまい、悔しいレースになりました。


ーー昨年も出場した男鹿駅伝で、昨年と今年の違いは

 今回の区間は、昨年に比べてさらにハードな区間ということで、しっかり準備はしていました。

 しかし、それ以上に自分の気持ちが前に行き過ぎてしまい、体がついていかなかったので、そういった部分が自分の弱さ、反省点だと思います。


ーー今後に向けての意気込み

 今回のレースは自分が前と離れてしまったこともあり、表彰台にも入れなかったので、今回できなかった「引っ張り」をできるように、自分としても、チームのためになる行動をしていきたいです。今年は「鉄紺の覚醒」というスローガンがあるので、その「覚醒」ができるように、チームの底上げ、レベルアップをしていきたいです。




3区 岸本遼太郎

ーーレースを振り返って

 3区でもらった段階で、前が見えなかったのですが、自分のところで追いついていかないと後半も厳しくなるなと思ったので、「なんとか追いつかないと」という気持ちでした。

 上りはすごく得意というわけではないですが、頑張ってとにかく踏ん張っていこうと、前を追いました。


ーー区間賞となったことに関して

 取らないといけないなとも思っていたので、取れたことはよかったのですが、区間2位の選手と1秒差ということや、前の選手を抜き切れなかったので、もうあと1段、2段、上げていきたかったなと思います。


ーー全日本予選からの連戦となったが

 先週の全日本予選も走らせていただきましたが、レースとしては失敗という形になってしまいました。自分が足を引っ張ってしまい、他の人に迷惑をかけてしまった。他の人のおかげでなんとかなった部分があって、助けてもらったので、今回はその失敗を取り返せるようにということと、今度は自分がチームの流れを変えたいという思いがありました。

 先週のレースが終わってから、しばらく疲労感もあってきつかったのですが、なんとかあわせてこれたので、今回はまとめることができてよかったかなと思います。


ーー今後の意気込み

 これから夏は合宿などがあり、暑さもあって苦しい時期になりますが、その中で、チームで秋冬の駅伝シーズンを見据えて、みんなで強くなっていけたらと思います。そこを越えれば、必ず駅伝シーズンもいい結果がついてくると思っています。

 今年は箱根駅伝優勝という目標を掲げているので、そこに向かってチーム全員でやっていければなと思います。



4区 倉本晃羽

ーー今日のレースを振り返って

 レースとしては、区間賞を獲れて個人的には良かったのですが、チーム全体として見たときには4番でした。4番という関東の箱根駅伝を走る大学では一番下で、区間賞は3つ出ているのですが、チームとしての順位が悪かったです。

 自分たち今回出た選手は、上位より中間層の選手が多かったですが、その中でで中間層の選手が走れていないから、チームの底上げができていない状況なので、中間層の強化をこの先はしっかりとやっていきたいなと思います。


ーー今日のレースプランは

 レースプランは特になくて、とにかく4区は上りが強いコースだったので、コースを見てレースプランというよりは、前々から準備して、しっかり上りを走るつもりで練習をしてきました。


ーー今後に向けて

 しっかり上りを走れることはアピールできたので、箱根駅伝5区や全日本大学駅伝を目指して頑張っていきたいと思います。



5区 高橋康之介

ーーレースを振り返って

 全体的に見て、あまり良くない走りではありました。前半は前の青山学院大学を追って、監督車からも「10秒以上詰めているぞ」という声かけもあったのですが、そこから後半3、4キロは前半の下りで意外と使い果たしてしまい、思うようにレースを進められなかったことが悔しい部分です。


ーーレースでの収穫は

 うまく下ることができていたことです。自分の弱点として後半がもっていないので、後半がもつように、これからの練習でスタミナ面を改善していきたいなと思います。


ーー今後に向けて

 夏は走り込みのシーズンなので、そこで先ほど言ったスタミナ面の強化をして、そこから駅伝シーズンに向けて自分の力に変えていけたらと思います。



6区 稲葉夢斗

ーー今日のレースを振り返って

 まず、初めて大学での駅伝を出走できるとなって、やはり緊張、嬉しさがありました。楽しみという部分もあれば、不安な部分もありました。レース前はいつも通りリラックスしていましたが、いざレースで前の出走者が来た時に、心理的に少し不安になってしまいました。レース全体においても結果がすごく悪くて、思い描いていたようにできませんでした。


ーー今日のレースプランは

 昨年走った十文字さんのタイム(29分56)をひとつ目標にして、「前半を少し速く入って、中盤にあるだらだらした上りで我慢して、もう一回ラストで切り替える」というレースプランで行こうとしたのですが、それが思うようにいけなくて、ずるずるペースが落ちてしまったという結果です。


ーー今後に向けて

 今後、もっと暑さも厳しくなって、きついレースが出てくるので、今日経験したこのレースをきっかけに、今後の練習であったり、私生活で自分に何が足りなかったかというのをもう一回考えていきたいと思います。



7区 網本佳悟

ーーーレースを振り返って

 今回はアンカーということで、大学に入って初めてでした。それまでの順位が4番でしたが、絶対に優勝を狙いたいと思っていたので、最初から攻めて、ひたすら前を追って突っ込んで入りました。後半は少し落ちてしまって、最後も差は縮められたのですが、4番ということで、3位以内にも入れなかったですし、優勝からも遠かったです。

 攻めた結果は良かったのですが、勝ち切れなかったというのが課題だなと思いました。


ーーー区間賞となったことに関して

 区間賞ということに関しても、攻めた結果だと思っています。個人としての区間賞は良かったのですが、チームとしての結果がやはり大事だったと思います。

 3番以内、優勝というところに入れなかったことが正直悔しいという気持ちの方が大きいです。


ーーー全日本大学駅伝予選会からの連戦で

 疲労はもちろんありましたが、この連戦の中でどのように戦うかも大事だと思っていました。そこは全日本予選を走ったから今日は走れないなどということは無しにして、今回もう一度結果を出して、チームに貢献することを考えて走りました。


ーーー今後に向けて

 夏合宿をしっかりこなし、100%いい形で消費をして、そのあとに駅伝シーズンが控えていますし、三大駅伝で上位で戦って、箱根駅伝で優勝というのを掲げているので、そこに向かって全員が同じ目標に向かって、しっかり練習をやっていければなと思います。

 各個人、試合がたくさんあるので、そこで自己ベストを、自分も含めてみんなが出して、チームを勢いづけていければなと思います。




TEXT=近藤結希/PHOTO=望月桜、近藤結希

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