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2024.08.22
水泳

[水泳]400個人メドレー松下、パリの大舞台で驚異の追い上げを見せ銀メダル獲得!

第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)

7月27日(土)〜8月4日(日) パリ・ラデファンス・アリーナ


(2日目)


男子400m個人メドレー予選

1組 

2着 松下 4’11”18

→全体5位で決勝進出!


男子400m個人メドレー決勝

2位 松下 4’08”62


3月に行われた国際大会代表選手選考会に登場した松下


 当時まだ高校生、18歳という若さで初の五輪代表入りを果たした松下知之(国1=宇都宮南)。レース前後も終始笑顔を見せていた松下は、世界中から注目が集まるこの4年に1度の大舞台で実力を最大限に発揮すると、自身の持つ自己ベストを大幅に更新し、世界の実力者を抑え堂々の銀メダルに輝いた。


 現地時刻7月28日、松下が男子400m個人メドレー予選に登場。終始笑顔を見せ、リラックスした表情で飛び込み台に立つ。スタートの合図とともに勢いよく飛び出し、これまで「出遅れがち」だったというバタフライで他選手のハイペースに必死に食らいつく。最後の切り返し、残り100m時点で4位につけていた松下は一気に加速する。順位を上げ2着でレースを終えると、予選全体5位で決勝進出を決めた。


 予選から9時間、同日20時過ぎに行われた男子400m個人メドレー決勝。隣の3レーンに瀬戸大也(CHARIS&Co)、4レーンに世界記録保持者であるレオン・マルシャン(フランス)、他にも世界の実力者たちがスタートリストに名を連ねる中、松下は2レーンに立った。緊張の中スタートの合図が響く。ともに一斉に飛び出すと松下はトップにやや突き放され、200m時点で5番手につける。250mを過ぎると松下も平泳ぎで一気にその差を縮め、銀メダル争いは横一列の熾烈(しれつ)な戦いに。体力的に厳しくなるここから彼の本領が発揮される。松下はこれまで温存していた体力を解放し、一気に加速すると2位に浮上。一瞬たりとも失速することなくそのまま2着でフィニッシュ。この日、松下は自己ベストを1秒42更新し、競泳日本勢メダル第1号となった。


 これまで五輪に向けた意気込みを聞かれると「周りに惑わされず、自分のレースを」と、自分の泳ぎを強調してきた松下。その言葉通り、周りのハイペースに惑わされることなく、最後まで自分の泳ぎを貫いた。この銀メダルは、彼のそのひたむきな努力と強い信念に自然とついてきたものだろう。


 ラスト100mのラップタイムは57秒06で堂々の全体トップ。レース前には、「やるからには1番を狙いたい」とした上で「まだその実力があるのか分からない」と語ったものの、十分世界に通用することをこの大舞台で証明してみせた。


 メドレー最終泳型の自由形を得意とし、持ち味の体力で見せる後半からの巻き返しは、世界トップレベルだという松下。彼が繰り広げる逆転劇は、観ている人全員の視線を奪う。同じ栃木県出身で東洋大OBの萩野公介氏(平成28年度卒)の背中を追いかけ、この春東洋大に入学した松下はまだ19歳。憧れてきたその背中を追い抜く未来もそう遠くはないのかもしれない。今後の東洋大水泳部はもちろん、日本競泳界をも引っ張ってくれるであろう彼の今後の活躍から目が離せない。



TEXT=望月桜

ジャパンオープン2016
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