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第26回関東学生新人陸上競技選手権大会 兼関東学生リレー競技会
9月23日(水)上尾運動公園陸上競技場
▼3日目
男子200m 予選
1組
DNS 吾郷
2組
DNS 大野
4組
1着 桐生 21"39※A決勝進出
5組
5着 長部 22"29
6組
1着 ウォルシュ 21"39※A決勝進出
男子200m A決勝
1位 桐生 20"92※大会新記録
2位 ウォルシュ 21"26
男子800m 予選
1組
2着 増田 1'52"87※A決勝進出
DNS 眞柄
2組
DNS 松崎
4組
1着 長尾 1'54"96※A決勝進出
男子800m A決勝
1位 増田 1'54"90
6位 長尾 1'57"87
男子400m障害 予選
5組
DNS 相澤
6組
4着 桜井滉 55"87
男子4×400mリレー B決勝
1位 東洋大(四家―金田―越栄―山本)3'15"46
男子走幅跳 決勝
9位 小川 7m00
女子200m 予選
3組
5着 白寄 26"74
200mでワンツーフィニッシュを果たした桐生(左)、ウォルシュ(右)
接戦を制した増田は表彰台で笑顔を見せた
山本は粘りの走りでチームを1位に押し上げ、ゴールを駆け抜けた
関東新人最終日は男子200mで桐生(法2・洛南)が昨日の100mに続き大会新記録を樹立し、2冠を果たす。ウォルシュも(ラ1・東野)も2位に続き東洋大の存在感を示した。さらに男子800mでも増田(ラ1・北陸)がスパート合戦を制して優勝するなど、充実した内容で大会を終えた。
男子200mは短距離部門の顔である桐生とウォルシュが1位、2位を独占した。4月の織田記念ぶりの200mを走った桐生は、出場者で唯一の20秒台をマーク。「200mの感じを思い出せた」とあくまで練習の一環ではあったが20秒92の大会新記録を樹立し、まさに圧勝での2冠を果たした。一方ウォルシュは本業の400mに対し、苦手とする速い動きを練習する位置付けで100m、200mにエントリーした。両種目ともに記録は満足のいくものとはならなかったが、実力者が肩を並べる中でも2位に入り、「地力がついてきている」と梶原監督は評した。
また800mでも増田(ラ1・北陸)が表彰台の真ん中に上がった。予選では「切り替えができなかった」とゴール手前で逆転を許してしまう。タイムで拾われ進んだ決勝では、その反省を踏まえた冷静な判断が光った。1周目がスローペースだったため、ラスト200mからのスパート勝負と見た増田はキレのあるスパートで前をいく選手を次々と追い抜く。「負けない自信があった」とホームストレートでトップに立ち、優勝。展開を読んだ上で勝利を挙げた1年生は、次なる目標に「1分50秒前半」と大学記録に迫る記録を掲げた。
初日の予選でB決勝へ進んだ4×400mリレーはアンカー・山本(法3・富士宮北)の好走が光った。下級生が担った1走から3走は3、4位にとどまり、なかなか上位に浮上することができない。しかしバトンを受け取った山本には、ある覚悟があった。短距離部門は先日の全日本インカレでこれまでチームを盛り上げてきた4年生が引退し新体制を始動させた。最上級生となった3年生はこれまで目立った活躍のなかった学年であり、山本もまたその一人だ。しかし、最上級生になったことで「自分が引っ張らなければならない」という自覚が生まれたと言う。山本は序盤、落ち着いて前に付いていくと終盤に1位争いへと持ち込む。最後まで粘った山本がラストスパートで接戦を先着し1位に輝いた。梶原監督もその走りに「個人の結果に結びついてくれる手応えもつかめた」と今後への期待を語った。
好成績を残した今大会は、チームに欠かせないフレッシュな力の勢いを大いに感じさせる内容となった。多くの選手が全日本ジュニアの出場を予定しており、まずは世代の中で力を磨いていく。東洋大の次世代の担い手は躍進を続ける。
■コメント
・梶原監督
桐生は体調が完全ではなかった。タイムはもう少しでるかなと思っていたが、本人の集中の度合いから見れば妥当かなと。ウォルシュもタイム的には不満足だと思うが、力のある選手に勝ったので地力はついてきている。小川は風の影響で踏み切り板 にしっかり当てられなかったのが(決勝に進めなかった)原因。その中でも他の選手にはできているということは、まだまだ技術的に足りない部分があるので日本ジュニアで反省を生かしたい。マイルは故障明けだったりフラットレースへのきっかけをつかめればと思った4人で臨んだ。山本がいいタイムできたので、いい感覚がつかめたのかなと。他のメンバーもこれからの練習で反省点を生かしてほしい。(4年生が引退して新チームは)3年生が故障がちだったり、インカレのメンバーになかなか入れない選手が多いが「いよいよ最上級生だ」という意識で取り組もうとしている。その覚悟で頑張ってくれれば1、2年生は元気があるので、チームは盛り上がるかなと。今日の山本の走りもそういう現れだと思うし、個人の結果に結びついてくれる手応えもつかめて楽しみだと感じられた。
・山本(法3・富士宮北)
マイルはチームとして3分14分台を目標にしていた。自分自身は最後に粘れて良かったと思うが、チーム全体としてはもう少しタイムを上げられれば良かった。(4年生が引退して)自分が引っ張っていこうという気持ちが出てきたし、今回もそういう思いがあった。今日はいい走りができたのでフラットレースでもこの調子でいきたい。最近は練習もよくできて自信がついてきた。今週末の日大競技会で自己ベストを出せるよう調整していきたい。
・桐生(法2・洛南)
4月ぶりの200mなので評価はまあまあ。目標も特には定めず、練習がてらという位置付けで臨んだ。いい練習ができたと思う。(走ってみて感触は)久しぶりだったのでいろいろと直すところはあるが、そういった点が自分でわかったり200mの感じを思い出せたことは次につながると思う。今後は100mと同じように200mにも取り組んでいきたい。次のレースは国体のリレーに出るが、滋賀県が決勝にいったことがないのでいけるよう貢献したい。
・ウォルシュ(ラ1・東野)
自己ベストを出そうと思っていたが全然届かなかったので悔しい。調子は良かったが、練習のようにはいかなかった。(100mと200mへの出場の意図は) 400mのための100mと200mで、自分はあまり速い動きができないのでその練習のため。ただまだ400mにつながる走りができていない。 (課題は)スタート。うまくいかなかったからタイムが出なかった。(今後の目標は)日本ジュニアの400mで45秒5を切りたい。
・増田(ラ1・北陸)
自己記録更新の1分50秒前半を狙っていたが、予選は切り替えができなかった。決勝では1周目が遅かったので切り替えなければならないと思っていたし、できて当たり前。ラスト200mから全員切り替えるだろうと思っていて、負けない自信もあった。(自己評価は)理想通りの展開で勝つことができたと思う。ただ優勝は前提にしていてタイムが出せなかったので満足はしていない。今後はタイムをできるだけ早く出せるようやっていきたい。中距離部門には1年生が3人いるので、大会で決勝に残って東洋大らしい走りをして、3人で表彰台を独占できるように切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。
TEXT/PHOTO=石田佳菜子