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第100回 日本学生選手権水泳競技大会
9月5日(木)〜9月8日(日)東京アクアティクスセンター
(3日目・予選)
女子100m背泳ぎ
4組
6着 芳村 1’03”76
6組
1着 佐々木 1’01”54
→全体3位で決勝進出!
男子100m背泳ぎ
7組
1着 竹原 54”54
→全体1位で決勝進出!
DNS 仮屋
女子200m個人メドレー
4組
3着 谷口 2’16”47
→全体7位で決勝進出!
6組
7着 飯田 2’18”33
男子200m個人メドレー
5組
1着 松下 1’59”20
→全体1位で決勝進出!
7組
3着 牧野 1’59”82
→全体4位で決勝進出!
女子400m自由形
3組
7着 内田 4’25”94
4組
9着 中池 4’27”82
男子400m自由形
2組
DNS 椿原
5組
8着 今村 3’55”82
10着 坊岡 3’58”89
女子4×100mメドレーリレー
5組
2着 佐々木-池田-遠山-山本 4’07”41
→全体4位で決勝進出!
男子4×100mメドレーリレー
5組
1着 竹原-釜田-牧野-松下 3’38”40
→全体2位で決勝進出!
(3日目・決勝)
女子100m背泳ぎ決勝
3位 佐々木 1’01”12
男子100m背泳ぎ決勝
1位 竹原 54”17
女子200m個人メドレー決勝
7位 谷口 2’17”93
男子200m個人メドレー決勝
1位 牧野 1’57”32
3位 松下 1’58”35
女子4×100mメドレーリレー決勝
4位 佐々木-谷口-福島-山本 4’04”39
男子4×100mメドレーリレー決勝
3位 竹原-釜田-牧野-松下 3’36”73
男子100m、200m背泳ぎで2冠を達成した竹原
女子100m背泳ぎで3位に輝いた佐々木(右)
男子200個人メドレーでともに表彰台に上った牧野(中)と松下(右)
男子4×100 mメドレーリレー・(左から)竹原、釜田、牧野、松下
熱い声援を送るチーム東洋大
9月7日、東京アクアティクスセンターにて第100回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)3日目が行われた。この日、竹原秀一(スポ1=東福岡)は初日の男子200m背泳ぎに続けて、100mにおいても優勝を果たし、見事二冠を達成。同じく2年の牧野航介(営2=湘南工大付)は男子200m個人メドレー決勝で自己ベストを大幅に更新し、初優勝を飾った。
大会初日には、パリ五輪代表の松下知之(国1=宇都宮南)や竹原らが優勝したほか、多くの選手が自己ベストを更新するなど、男子は「総合5位」、女子は「シード権死守」という目標に向けてそれぞれ着実に得点を重ねる中で迎えた大会3日目。
この日、東洋大に流れを作ったのは、大会初日の女子200m背泳ぎで悔しい思いをした佐々木美莉(スポ1=春日部共栄)。本命種目である女子100m背泳ぎでは優勝を目指し挑んだ。大会前からライバルとして名前を挙げていた同じく1年の長岡愛海(神奈川大)を隣に闘志を燃やす。予選全体3位で決勝進出を決め、出場者の中でトップのシーズンベストタイムのを持つ佐々木は、50mをトップで折り返すもライバルの追い上げに苦しみ、惜しくも200mに続いて王座を譲ることとなった。それでも銅メダルに輝いた佐々木だが、優勝を狙っていたただけにレースを終えると結果を見るなり悔しげな表情を浮かべた。この悔しい思いを糧に来年、きっと彼女はさらに強くなってこの舞台に帰ってきてくれるだろう。
続いて女子200m個人メドレーに姿を見せたのは1年の飯田愛心(スポ1=淑徳巣鴨)、そして今年が最後のインカレとなる4年の谷口文菜(文1=東京都市大塩尻)。決勝を目指し、「とにかく気持ちを込めて泳いだ」という谷口は、決勝進出が決まると喜びとともに目に涙をにじませた。その涙がこれまでの谷口の苦労、努力を物語る。ラストインカレという舞台で実力を発揮し自己ベストを更新するだけでなく、悲願の決勝進出をかなえてみせた。
続く男子200m個人メドレーには、初日に行われた男子400m個人メドレーでワンツーフィニッシュを飾った松下と牧野が登場。
昨年度インカレ3位の牧野はバタフライから好調なスタートを切り、続く背泳ぎををトップで折り返すと、これまでさらに強化してきた平泳ぎで上位に食らいつく。ラスト50mの自由形で熾烈(しれつ)な先頭争いを制すると、見事初優勝を飾った。「牧野さんは自分よりも速くて、チームを引っ張ってくれる存在」だと後輩の松下は話す。牧野がレース前に語った「これまで死ぬ気で練習してきた」という言葉。それは決して過言ではなく、実際に努力し、もがいてきた者だからこその言葉の重みが感じられた。これまで十分に実力がありながらも悔しい思いを多くしてきた分、この日ついにその努力が実を結び、日本学生選手権という形で陽の光を浴びることとなった。
同種目に出場した松下は今大会中、連日でレースを重ね、身体に疲労が溜まる中でも400m王者の意地を見せると3位に食い込み、牧野に続いて表彰台に上がった。
女子400m自由形に出場した内田百奏(国1=成田)、中池菜緒(スポ1=金沢)らは惜しくも自身の目標に届かなかったものの、最後まで泳ぎきり健闘した。翌日の女子4×200mフリーリレーに向けて中池は「もし選ばれたら先輩たちの思いも背負って最後まで泳ぎ切りたい」と枯れた声で答えてくれた。チームの応援のために叫びすぎたというその声は仲間への熱い思いの表れだ。
男子400m自由形に1年の今村陽向(スポ1=日大豊川)、3年の坊岡優眞(済3=太田)が出場。両者惜しくもB決勝進出とかはいかなかったものの、今村は初出場ながら予選全体18位と健闘した。
予選最後の種目となる4×100mメドレーリレー。女子は予選に佐々木、池田りんか(営4=豊川)、遠山乃梨(国3=渋谷幕張)、山本葉月(法4=花咲徳栄)らの4名で挑んだ。予選を全体4位で通過し、堂々の決勝進出を決めた東洋大は決勝でメンバーを替え、池田、遠山に代わって4年の谷口、2年の福島心響(営2=豊川)を加えたチームで表彰台を目指す。この日、既に3レースを終えている佐々木は、その疲労を感じさせない伸びのある泳ぎで2位で谷口へ。つないだ谷口、福島らも「たくさんお世話になった4年生のために」という思いとともに必死につなげ、最後は副主将の山本へと託した。山本は、エースらしい力強い泳ぎでチームを引っ張り、4位に導いた。
男子4×100mメドレーリレーには、100m、200m背泳ぎ王者の竹原をはじめ、400m個人メドレー王者の松下、同じく200m王者の牧野らがエントリーし、釜田駿(国3=沼津学園飛龍)を含めた東洋大最強メンバーで挑んだ。予選はそれぞれの安定した泳ぎで終始トップをキープし、組内1着でフィニッシュすると、全体2位で決勝へと駒を進めた。
挑んだ決勝。この日最後の種目ということもあり、会場内が熱い声援に包まれる。スタート台には全国の強豪がそろう中、背泳ぎの竹原が勢いよく飛び出す。首位で平泳ぎの釜田へつなぐとトップに迫る勢いでバタフライの牧野へ。近畿大が体ひとつ抜ける中で、東洋大は2位争いを繰り広げる。最終泳者の松下がわずか0.01秒差で3位争いを制し、チームは銅メダルをつかみ取った。
大会3日目を迎えてもなお、東洋大の勢いは落ち着くことを知らない。3日目終了時点で男子が総合200.0点、女子は総合138.5点で男女ともに全体5位につけ、最終日に向けさらなる弾みをつけた。この勢いのままそれぞれの目標達成を目指し、最終日を駆け抜けてほしい。
◇コメント
谷口文菜 (文4=東京都市大塩尻)
ーー今日のレースプランは
あまり深いことを考えずに、 最後の水泳人生の集大成だったので、 ずっと目標にしていた決勝の舞台で泳 げるようにっていうことで、 とにかく気持ちを込めて泳ぎました。
ーーラストインカレだが、 どんな思いで今大会に臨んだか ここまで水泳を続けてこれたのは周りの方々の支えがあってのことなので、 その人たちに恩返しをしたい っていう思いだけで泳ぎました。
ーー今後に向けた目標
水泳の苦しさとかきつさを今後の社会でも活かしていきたいっていうのと、 水泳の楽しさを他の人たちにも伝えていればいいなと思います。
佐々木美莉(スポ1=春日部共栄)
ーーメドレーリレーのレースを振り返って
個人のレースが思うようにいかなかったのですが、 気持ち切り替えて頑張ることができました。
福島心響(国2=豊川)
ーーメドレーリレーのレースを振り返って
4人中2人が4年生で、 最後たくさんお世話になった4年生のために、 それだけを思って泳ぎました。
山本葉月(法4=花咲徳栄)
ーーメドレーリレーのレースを振り返って
前の3人がすごくいい位置で泳いで来てくれて、 4年の最後として良い結果で終わりたかったのですが、 メダルには届かず終わってしまったのですが、 正直ここまでこれると思っていなかったので4日目の最終日に向けた良いレースができたのではないかと思います。
松下知之(国1=宇都宮南)
ーーリレー等も出てかなり疲労感もあったか
そうですね、 疲労感があってなかなか思い切ったレースができなかったところが反省点です。 牧野選手もそうですけど、ラストの強さみたいなのは自分ですごい自信があるので、 そこはぶらさずやっていくのはもちろんなんですけど、 やっぱりバタフライから背泳ぎの部分の交換っていうのが 400m寄りになっているので、 そこを切り替えられるようになりたいです。
ーー(前質問での)「400m寄りの泳ぎ」とは
(ペースを)あげようと思ってもあがってこないというかんじになってしまって、 そこは変えていかなければと思いました。
ーー牧野選手から受ける刺激について
牧野選手はすごい練習が強いので、 そこはついていって、 自分もやっぱり食らいついてやっているようなところがあるので、 やっぱり練習の強さというところは牧野さんすごいなって思います。
牧野航介(営2=湘南工大付)
ーーメドレーリレーでメダルを獲得したことについて
先ほど個人で獲得したメダルとはまた違う喜びと言いますか4人で(力を)合わせてようやく取れたメダルなので、 なんかまた新しい気持ちを感じることができました。
TEXT=望月桜、PHOTO=鈴木真央、馬場栞、望月桜