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2015.09.28
硬式野球

[硬式野球]大川、決死のヘッドスライディング 自分らしく泥臭く

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・青学大2回戦

9月27日(日)青学大グラウンド

東洋大2-1青学大


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六回、先頭で安打を放つ大川。この一打が反撃ののろしとなる


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捕逸で同点の生還。頭から滑り込む気迫を見せた


 気持ちは高ぶっていても、頭は冷静だった。1点ビハインドの六回1死二、三塁。三走・大川(営4=PL学園)は落ち着いて状況を分析する。「ピッチャーがコントロール良くなかったので、後ろにはじいたりするのをねらっていた」。三球目、ワンバウンドした投球を捕手が横にそらすと、大川は猛然と本塁に突っ込んだ。「あんまり気持ちは出さない」という男が見せたヘッドスライディング。何としても点を取る、決意の表れだった。

 出番は限られていた。五回、2死から内野安打と四球で得た得点機。打順は先頭に戻り、途中から2番に入っていた大川に打順が回る可能性があった。「その回に(代打が出て)代わる予定だった。それが自分の前で終わってしまった」。ついえてしまった同点のチャンス。だが、これで大川に数少ない打席が回ってきた。迎えた六回の第2打席。「原(営4=東洋大姫路)も投げていたし何とか先頭で出て、いい流れを作っていこうという気持ちで立ちました」。今季まだ安打が出ていない中、気持ちは誰にも負けていなかった。低めの球に必死に食らい付くと打球は力なく上がり、左翼手が伸ばしたグラブのわずか先で地面に落ちた。6打席目で出た待望の初安打。その後の逆転劇を呼ぶ貴重な一打となった。

 ここまで先発出場は1試合のみ。控えに甘んじているが決して腐ることなく、必死に戦っている。少ないチャンスで得た大きな仕事。「しぶとさを出せて、自分らしさが出せたと思います」。派手さはなくても結果を残す。そのプレーの随所に4年生の意地を見た。


■コメント

・大川(営4=PL学園)

途中から出ることが多いのでいつも準備はしている。(小笠原(営4=大社)が)1打席目で結果が出なかったら変わると言われていたので準備はしていた。そんなにびっくりすることはなかった。最後の学年なのでチームに貢献できるように4年生はやっている。その代わりに出るので、自分も少しでも活躍できたらなと思い、出ました。前の回にチャンスで(打席が回ったら)その回に代わる予定だった。それが自分の前で終わってしまった。そのまま打席が回ってきて、原も投げてたし何とか先頭で出て、いい流れを作っていこうという気持ちで立ちました。ピッチャーがコントロール良くなかったので後ろにはじいたりするのをねらっていた。何とか追い付けて良かった。あんまり気持ちは出さない方なんですけど、そういう場面になると体が勝手に動く。ヘッドでいきました。これまでも農大戦と国士大戦で打席の方で結果が出てなかったので、自分にできることをやろうと。打席ではしぶとさを出せて、自分らしさが出せたと思います。原もしっかり投げてくれていて昨日も一本しか打たれていない。明日は少しでも助けられるように、いい試合ができたらいい。


TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=菅野晋太郎、浜浦日向