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第93回日本学生陸上競技対校選手権大会
9月19日(木)~9月22日(日)
神奈川・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
2日目
男子4×100mR予選
5組/1着+3
2組
1着 東洋大学 39"17 Q 決勝進出
重谷 大樹
栁田 大輝
成島 陽紀
大石 凌功
3日目
男子4×100mR決勝
2位 東洋大学 38"47
大会新記録&日本学生記録更新
重谷大樹
栁田大輝
成島陽紀
大石凌功
Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで第93回日本学生陸上競技対抗選手権大会(以下、日本インカレ)が行われた。2、3日目に行われた男子4×100mリレーに、東洋大がディフェンディングチャンピオンとして出場。1走・重谷大樹(ラ4=九産大付九産)、2走・栁田大輝(文3=東農大二)、3走・成島陽紀(ラ3=東洋大牛久)、4走・大石凌功(スポ2=洛南)のオーダーで挑んだ。2週間前に行われた大会で東洋大記録を更新し、良い状態で迎えた今大会。予選を組1着で通過するも、決勝では早大とのデッドヒートに競り負け準優勝に終わった。しかしタイムは38秒47と東洋大記録を大きく更新するだけでなく、学生歴代2番目となる素晴らしい記録を収めた。
表彰式の4継メンバー(左から重谷、栁田、成島、大石)
大会2日目に行われた予選は2組目6レーンでの出場。1走を務めたのは最上級生の重谷。200mをメインとする重谷は後半にかけて良い加速を見せ、2走のエース栁田へバトンを渡す。栁田はスタートから一気に加速すると先頭に立ち、大きなリードを奪って3走の成島へバトンをつないだ。成島も安定した走りでそのままトップでアンカー大石へ。最後は流す余裕を見せた大石が1着でゴールし、決勝進出を決めた。東洋大史上最速のタイムを持って挑んだチーム。予選からしっかり強さを見せつける結果となり連覇はもちろん、チームが目指す学生新記録という目標へ向けて自信を持てる予選となった。
1走・重谷から2走・栁田へ
3走・成島からアンカー・大石へ
大会3日目に行われた決勝。メンバー全員が個人種目を兼ねており、今大会3本目以上となったが、誰一人疲労を感じさせない激走を見せた。大会も終盤にさしかかり、残す競技のほとんどが決勝種目に。会場の応援もヒートアップし、大いなる盛り上がりの中でレースはスタートした。
1走の重谷は本人も「走り自体はすごくいい走りが出来た」と言うように、予選以上の伸びのある走りを見せ2走の栁田へ。前日の100mで優勝し勢いに乗る栁田は、スタートから他を圧倒する走りで先頭へ抜け出し3走の成島へつなぐ。リレーの離脱が少ないこともあり、バトンの受け渡しが多い3走を自ら志願した成島。見事なバトンワークを披露し、そのままトップでバトンをアンカー大石へ渡した。この時点で優勝争いは先頭の東洋大と100m2位の井上直紀が控える早大に絞られる。プレッシャーがかかるこの場面、大石は『「やってやろう」という思い』だったと語る。共に100mファイナリスト同士の大接戦。井上に少しずつ差を詰められるも最後の最後まで粘り、ほぼ同時にゴールラインへ駆け込んだ。
結果は目視ではわからない状況。会場全体が固唾をのんで見守る中、やっと表示された電光掲示板の一番上に東洋大学の文字はなかった。目指していた学生新記録を出すも優勝にはわずか0.02秒及ばず悔しい準優勝となった。
昨年日本インカレ初優勝を遂げた東洋大4継チーム。優勝メンバーが3人も残り、大学記録も更新した中で迎えた連覇への挑戦。素晴らしいタイムを出すも準優勝に終わり、メンバー全員が「悔しい」と口をそろえた。それでもメンバー唯一の4年生である重谷は「たくましい後輩達と学生記録で優勝するという目標は達成できなかったが、東洋大学がさらに強くなるための結果だと思えばそれも悪くないと思う」と語り、この結果を来年以降のさらなる成長の糧にとすでにチームは前を向いている。今年は無念の学生記録となったが来年こそは歓喜の学生新記録、そして前人未到の学生チームでの37秒台へ。届かなかった0.02秒への悔しさを力に、圧倒的な強さを追い求める。
この悔しさは来年につなげる
TEXT=佐々木朋弥/PHOTO=佐々木朋弥、北川未藍、近藤結希、鈴木真央