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第66回日本選手権(25m)水泳競技大会
10月19日(土)〜10月20日(日)東京アクアティクスセンター
(1日目・予選)
男子200m自由形
3組
8着 坊岡 1'47"13
男子50m背泳ぎ
1組
3着 仮屋 24"32
女子50m背泳ぎ
2組
3着 佐々木 27"74
→全体10位でB決勝進出✨️
男子400m個人メドレー
1組
6着 福田 4'15"35
2組
2着 松下 4'07"21
→全体5位で決勝進出✨️
3組
3着 牧野 4'06"89
→全体4位で決勝進出✨️
男子200mバタフライ
3組
8着 福田 1'58"21
4組
8着 草野 1'56"33
女子200mバタフライ
2組
7着 福島 2'14"35
男子100m平泳ぎ
2組
5着 井口 59"01
→全体16位でB決勝進出✨️
7着 釜田 59"60
4組
7着 荒井 59"46
(1日目・決勝)
男子1500m自由形
19位 今村 15'19"61
女子50m背泳ぎ B決勝
2位 佐々木 27"50
男子100m平泳ぎ B決勝
5位 井口 58"64
男子400m個人メドレー
2位 松下 4'00"44 ✨️
4位 牧野 4'03"24
掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。
表彰台に上る松下(左)
ハイスピードなレースが魅力の第66回日本選手権(25m)水泳競技大会が10月19日と20日の2日にわたり東京アクアティクスセンターで開催された。今大会は50mプールを使う長水路とは違い、25mプールを使用する短水路の大会である。9月に行われた日本学生選手権(以下、インカレ)を経て、オフ期間を挟み、今大会に挑んだ選手が多く、各々が課題を見つけ収穫あるレースとなった。初日は東洋大から12名の選手が出場し、5名が決勝・B決勝へ。なかでも男子400m個人ドレーでは松下知之(国1=宇都宮南)が銀メダルを獲得し、短水路でもその強さを発揮した。
男子50m背泳ぎにはインカレをけがで無念の欠場し、今大会が復帰レースとなった仮屋陽希(スポ2=関西)が順調なスタートを切り、けが明けにもかかわらず高校生ぶりの自己ベストを更新した。今後のレースにも期待が高まる。
自己ベストを更新した仮屋
また女子50m背泳ぎには、インカレの100m背泳ぎで表彰台に上った佐々木美莉(スポ1=春日部共栄)が登場。「あまり短水路は得意じゃない」と語るが、全体10位でB決勝へ。迎えたB決勝、ほぼ横一線のレースを2着でゴール。「今、できることはできた」と納得した表情で会場を後にした。今後は「世界水泳の選考会で代表に入りたい」と日本代表入りを目標に掲げる佐々木。期待のルーキーは世界を目指す。
力泳を披露した佐々木
男子100m背泳ぎに釜田駿(国3=沼津学園飛龍)、井口大希(営2=札幌大谷)、荒井悠太(院1=八王子)が挑んだ。それぞれ短水路で健闘を見せるも予選敗退。その中で井口が繰り上げでB決勝進出を果たす。「もともと17番で繰り上げで16番になって、『ありがとうございます』という気持ちで泳ぎました」と話した。レースを振り返り「立ち上げの時期にしては悪くない」と手応えを感じていた。今後の目標を聞くと「ジャパンオープンでベスト+1秒で200m平泳ぎを抑えて、あとは3月に(日本)選手権があるんですけどそこでB決勝に残れればいいなと思います」と着実に準備を進める。次は実力で勝ち取った決勝のレースに期待したい。
B決勝に進出した井口
男子400m個人メドレーには3名の選手が臨んだ。
まず予選1組目には福田圭吾(国2=武南)が大学入学後初の個人メドレーにエントリー。前半、得意のバタフライで勢いづけると後半、苦手とする平泳ぎで失速。「うまく泳げなかった」と悔しさが残る。
福田は続く200mバタフライにも出場。前レースの疲労が残る中、力泳を披露したが予選敗退となった。「ちょっと体がきつい部分があって、いけるかなと思っていたんですけど、うまく後半が上がらなくて、悔しい」と難しさを実感した。今後も個人メドレーとバタフライ、両方での出場を目指す。今回の悔しさをバネにジャパンオープンで成長を遂げた福田に注目だ。
得意のバタフライで勢いをつける福田
そしてインカレの個人メドレーで表彰台を飾り、予選も難なく通過した松下知之と牧野航介(営2=湘南工大付)が決勝に登場。同種目を世界選手権で6連覇を果たした瀬戸大也(CHARIS&Co.)も出場しており、3人の対決に注目が集まる。と瀬戸が積極的なレースで首位を走るが、松下がピッタリと後につけ徐々にスピードを上げていく。牧野は伸びのある得意の平泳ぎで順位を上げるとさらに勢いを増す。最後の25mで松下は自信のある自由形で追い上げを見せたが、瀬戸が逃げ切りそのままゴール。松下は2位、牧野は4位でのフィニッシュとなった。優勝を逃した2人だったが、共に自己ベストを更新。松下は「ちょっともう少しいけたかなっていう気はしたんですけど、それでも大也さんが一枚上手だったという感じですね」と苦笑い。それでも松下は表彰台に上り、短水路でもその強さを見せた。惜しくも表彰台を逃した牧野は「体が思ったように動かず最後バテてしまって、決勝は無理なく泳ぎ続けることを意識してなんとかベスト出すことができました」と振り返った。明日の200m個人メドレーでは「最初から僕が率先してレースを引っ張っていけるぐらいのレースをしていきたい」と強く意気込む。
追い上げを見せた松下
ダイナミックなバタフライを見せる牧野
普段とは違う短水路の大会でそれぞれベストを尽くした東洋大スイマーたち。今大会の収穫と反省を持って次なるレースに挑む。
隣のレーンを泳いだ瀬戸(左)と健闘を称え合う牧野
▪️松下知之(国1=宇都宮南)
――決勝のレースを振り返って
ターンとか合わない部分が多かったので、ちょっともう少しいけたかなと気はしたんですけど、それでも瀬戸大也さんが一枚上手だったという感じですね。
――瀬戸選手と対決して
吸収出来た部分や感じた部分は大也さんは、レースで出す集中力だったりとか、そういった部分に自分は改めてすごいなと思うのと、技術的な部分でも、自分はまだまだだなと感じました。
――まだまだというのは具体的に
大也さんは速くアンダーウォーターを打つというのがすごいんですけど、そこで力まずいけ ているという、なかなか人にはできないようなことをしているので、すごいなと思います。身体の使い方とか、自分の心肺機能の使い方もすごいなと思います。
――そういういう部分は瀬戸選手から聞いたりするのか
毎回聞いているんですけど、言われてもなかなか自分でできないというか、口で言われてで きるものではないなと思いました。
――新シーズンを迎えるにあたって、どんな目標を掲げていたか
新シーズンに向けて、予選はしっかり前半いって後半は少しばててしまったんですけど、決 勝でもいきたかったんですけど。でも、前半のスピードはバタフライもそうですし、背泳ぎ もよくなってきているのかなという風には思いました。
――パリの前でも前半のスピードというところがあったが
前半をしっかり今までの力感で速くはいれるようになれば、4分5秒、4秒というところも 見えてくるのかなと思うので、そこをしっかり目指して頑張りたいなと思います。
――世界記録保持者の選手と比較してみて、自身の中でどういった印象か
ワールドカップの映像を見た限り、全部15mギリギリまで潜っていたので、スケールもそ うなんですけど、まだまだ身体的な基礎の部分から違うのかなという風に思いました。
――明日の200m個人メドレーに向けての意気込み
明日は、ばててもいいのでしっかり全部潜って、自分に課題を課したいかなという風に思い ます。
――やっぱりターンだったり水中だったりのテクニックが一枚上手だったか
そうですね。自分と次元が違ったので、そこの部分のうまさというのはなかなか衰えてくれないというか、むしろ研ぎ澄まされている感じがしました。
――壁際のところで改善したい部分は
今回は、長水路でずっとやっていたので、なかなかタッチとターンが合わないという部分が 多くて、そこは今回合わせきれなかったのが悔しい部分なんですけど、でも前よりはウエイ トトレーニングなども増えて壁を蹴る力というのは強くなっていると思います。
――シーズン立ち上げにあたって、平井先生と何か話はしたか
焦らず、ゆっくりやっていくという中で、今回はあまり調整せずに練習の流れのまま出ると いう感じだったので、その中では去年より2秒速くなっているので成長を感じられてます し、今後については先生とじっくり合宿をしていくという感じですね。
▪️福田圭吾(国2=武南)
ーー男子400m個人メドレーを振り返って
今、なかなか練習が積めていない時期で、ベースの時期だったのでちょっと自信はなかったんですけど、前半はいい感じに泳げてたんですけど、後半はうまく泳げなくてインカレのときみたいに泳ごうと思っていたんですけど、うまく泳げなかったのが課題というか悔しかったところです。
ーーメドレーでの得意種目と不得意種目は
得意がバタフライで、不得意が平泳ぎです。
ーー続けて出場した200mバタフライを振り返って
ちょっと体がきつい部分があって、いけるかなと思っていたんですけど、うまく後半が上がらなくて、悔しいというか2本目がこう落ちてしまうとインカレとかでもなかなかになってしまうので、もう一回練習し直して、2本目がちゃんと泳げるようになっていたいです。
ーーインカレ後の取り組みは
インカレ終わってからダメだったところ、泳ぎの修正をしていて、なかなかうまくはまっていないところもあるんですけど、それを試しながら年末に向けて強化していって、まずは選考会でしっかりタイム出せるようにしていきたいです。
ーー今後の目標
400m個人メドレーは来年、1年生が新しく入ってきてレギュラーが危ういんですけどしっかり狙っていって、選考会ではスタンダードで派遣のタイムを切れるように頑張るのと、200mバタフライでは今、大学生ランキング4番なのでユニバ目指して頑張りたいと思います。
▪️佐々木美莉(スポ1=春日部共栄)
ーー予選も含め、レースを振り返って
あまり短水路得意じゃないんですけど、その中でも国体終わってちょっとオフしてから、ちょっとずつ泳いできて今、できることはできたかなという感じです。
ーーインカレ後の取り組みは
最初はとりあえず、体力を戻すというか持久力を中心にやって、先週はひたすらスピード練習をしてきました。
ーー今後の目標
次の世界水泳の選考会で代表に入りたいと思っているので、そこでベスト、59秒とか目指して頑張りたいなと思います。
▪️井口大希(営2=札幌大谷)
ーー予選も含めて、レースを振り返って
もともと17番で繰り上げで16番になって、「ありがとうございます」という気持ちで泳ぎました。
ーーインカレ後の取り組みは
一回オフになって今、立ち上げの時期なんですけど立ち上げの時期にしては悪くないかなという感じでした。
ーー今後の目標
ジャパンオープンでベスト+1秒で200m平泳ぎを抑えて、あとは3月に(日本)選手権があるんですけどそこでB決勝に残れればいいなと思います。
▪️牧野航介(営2=湘南台工付)
ーー予選も含め、レースを振り返って
予選からベスト更新しようと思ってたんですけど、なかなか体が思ったように動かず最後バテてしまって、決勝は無理なく泳ぎ続けることを意識してなんとかベスト出すことができました。
ーーインカレ後の取り組み
特に変わったことはまだやってなくて、とりあえずインカレの前にやり続けてたことをこれからも継続していこうという感じで取り組んでいます。
ーー今の調子は
インカレ終わってから2週間ほどオフをとって少し感覚が戻らないところもあったんですけど、レースを重ねて着々と戻ってきたという感じです。
ーー短水路での狙いは
自分はアンダーウォーターで特に400m個人メドレーで特に打ち続けるというのがなかなかできていないので今日は無理してでも潜るというのを意識してレースに臨みました。
ーー強化していきたいところは
まだ自分が苦手である背泳ぎが不十分なので平井先生と泳ぎのことを考えながらこれからも強化していきたいと思います。
ーー明日、200m個人メドレーを控えているが、意識したいことや目標は
自分の持ち味であるスピードを生かして最初から僕が率先してレースを引っ張っていけるぐらいのレースをしていきたいと思います。
TEXT=鈴木真央/PHOTO=近藤結希、髙梨美遼、鈴木真央