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2024.11.17
硬式野球

[硬式野球] 9回の男が再び到来!4番池田のサヨナラ本塁打で1部昇格に王手

東都大学野球 秋季1部2部入替戦・東農大戦 第1回戦

11月16(土) 神宮球場

○東洋大2×-1東農大


東農大
東洋大1×

島田、大坪、佐伯、岩崎ー政所

本塁打:池田(九回)

三塁打:金丸(六回)


・打者成績

打順守備名前
(指)金丸(営2=上尾)
(一)中村(営2=拓大紅陵)

馬場(総2=九州学院)
(右)花田(総3=大阪桐蔭)
(三)池田(営3=三重)
(遊)髙中(総1=聖光学院)
(左)山田(総2=木更津総合)
(中)秋元(済3=木更津総合)

打→中山内(総1=東海大相模)
(捕)政所(営3=天理)
(二)→一吉田(営3=龍谷大平安)


28


・投手成績

勝敗名前球数四死球三振

島田(総3=木更津総合)108

大坪(総2=智辯学園)55

佐伯(総4=高岡一)2/319
岩崎(総4=履正社)1/3


サヨナラ勝利を決めたナイン


力投を見せた先発の島田


三塁打を放った金丸


好リリーフを見せた大坪


攻守で大活躍を見せた山田


サヨナラの一発を放った池田


ついにやってきた運命の入替戦。1部昇格へ向けた譲れない初戦が明治神宮野球場にて行われた。対する相手は、春季リーグで2部優勝を飾り、1部に昇格した東農大。東洋大の戦士たちは全員野球で戦い抜き、最後は池田(営3=三重)の劇的サヨナラ本塁打で勝利し、1部昇格に王手をかけた。


 先発バッテリーを託されたのは、2部優勝を決めた駒大戦で安定した投球を見せた島田(総3=木更津総合)と巧みなブロッキングで投手を支える政所(営3=天理)。一回、二回共に三者凡退に抑え、幸先の良いスタートを切った。三回以降も抜群のキレを見せるフォークボールで三振を奪いながらピンチを凌ぎ、見事なバッテリーの連携を見せた。

 一方の打線は5回1安打となかなか東農大の先発・長谷川を捉えられない状況が続く。

 試合が動いたのは五回表。ここまで好調だった島田の制球が乱れ、4者連続四球で先制点を与えてしまう。しかし、野手の声かけやベンチからの声援でチームが一つになり、1死満塁のピンチをなんとか1失点で切り抜けた。

 絶対に一部昇格を、、、。このままでは終われない東洋打線に火が吹く。六回裏の攻撃。先頭の政所が初球をとらえ右前打を放つと、リーグ戦終盤から一番打者に定着した金丸(営2=上尾)のフェンス直撃の適時三塁打で同点に追いついた。

 その後継投に入った投手陣は、大坪(総2=智弁学園)がストレートと変化球をしっかりと投げ分け、三回無失点と流れを渡さないピッチングを見せつけた。初の神宮のマウンドに「地に足ついてないくらい緊張しました。」と語った大坪だが、それを感じさせない冷静で落ち着いた投球だった。

 九回表は佐伯(総4=高岡第一)と2024ドラフト会議でソフトバンクに6位指名された岩崎(総4=履正社)が無失点リレーで裏の攻撃に望みをつなげた。

 そして1-1で迎えた運命の九回裏の攻撃。九回の男、池田に打席が回る。池田は秋季リーグ戦の2試合において、共に九回にチームを救う劇的な本塁打を放っている。カウント1ー0からの2球目だった。試合開始から苦戦を強いられていた、東農大・長谷川の直球を右翼席へ放り込みサヨナラ勝利を収めた。ダイヤモンドを一周し、東洋大ナインからの手荒い祝福を受けた池田は「みんなが頼ってくれているような顔をしていたので嬉しかったですね。」と喜びを露わにした一方で、「ベンチの前向きな声かけが良かった」と振り返った。

 大事な初戦をサヨナラという形で勝利を収めた東洋大は、引き続き明日の第2戦に挑む。昨年の悔しさを胸にチーム一丸となって一部昇格を決めてほしい。


■コメント

・井上監督

ーー劇的な結末だったが今のお気持ちは

ずっと池田本人も悩んでいたと思うんですけど、あんまり状態が良くなくて今日の朝のバッティングを見た感じでは良くない感じだったんですけど、試合の中でもあんまり良くないなと思いながら、、。4番が最後仕事してくれたんで本当感謝です。

ーー勝たなくては意味のない試合、勝因は

選手が最後まで諦めずに粘って粘ってピッチャー中心にやってくれたから池田のホームランが生まれたと思いますし、この前の2番の馬場も多少粘ってくれたので向こうのピッチャー長谷川くんが池田に全集中を注げなかったというのはあるんじゃないんですかね。

ーーピッチャー陣が頑張った

頑張りました、1点ですもん。島田だって頑張ってた訳ですから、フォアボールはもったいなかったです。

ーー最後は岩崎に

あとは一條と柿本しか居なかったので岩崎かなと。直感です。

ーー池田の中軸での大一番の勝負強さについては

秋のリーグ戦あんまり良くなかったですけど、ここ1本打ってればチームとしても楽な場面は結構あったんですけど、今日でチャラにしてあげます。

ーー監督の中で一発で決着がつくという予感は

全然ないです。まさかこんな結末を迎えるとは思っていなかったです。でも明日勝たないと意味がないので。

ーー先勝は大きいのでは

それは本当に大きいです。


・池田(営3=三重)

ーー9回の打席、どんな狙いで入ったか

特に何も考えていなかったんですけど、自分が打席の中で今日はあんまり良くなかったので何も考えず、来た球を拾うという気持ちで入りました。

ーー打った球種、コースは

真ん中低めの真っ直ぐです。

ーー手応えは

手応えは良かったです。

ーー当たった瞬間入ったと思ったか

思ったんですけど、低かったので。感触は良かったです。

ーー一塁ベースをまわって喜びをあらわにしていたがその時の気持ちは

このリーグ戦の中でも自分が4番としての仕事が出来ていなかったので、欲しいときに今日は打てたのでその嬉しさが出ました。

ーー本塁に帰ってきて皆が喜んでいる様子を見た時の気持ちは

すごいみんなが頼ってくれているような顔していたので嬉しかったですね。

ーー入替戦に向けて準備をしてきて今日のベンチの雰囲気や一体感は

なかなかヒットが出ない場面もあったんですけど、それでも試合に出ていない人たちがすごく前向きな発言をしてくれてベンチは全然落ちてなかったですし、ベンチの声掛けがすごく良かったと思います。

ーーサヨナラホームランで一周は格別だったか

ちょっと頭が真っ白だったのであんまり覚えていないんですけど、一瞬でした。

ーーどの辺りから打ったんだと感じたか

二塁まわって三塁コーチャーを見たときに実感が湧きました。

ーー優勝決めた試合も劇的だったがご自身の勝負強さについては

自分ではそこまで勝負強いとは思わないんですけど、ここ1本欲しいときの集中力は大事にしています。

ーーあと1試合に向けて抱負を

ちょうど1年前に悔しい思いをして、自分も怪我で出れなくて、負けるのを目の前にしてすごく悔しい気持ちだったので、次は自分たちがやり返してここで勝たないと厳しくなってくると思うので、全員ワンチームで勝てるように頑張っていきたいです。


・大坪(総2=智辯学園)

ーー今日の投球を振り返って

緊張したんですけど、0で抑えられてよかったです。

ーー具体的によかったところは

冷静にしっかりコースつけて、変化(球)も高さ間違えずに投げれたのでそこが0につながったのかなと思います。

ーー神宮は初めて?緊張は?

始めはめちゃくちゃ。地に足ついてないくらい緊張しました。冷静をよそおってたのもあります。

ーー今日の試合を改めて振り返って

自分がマウンドを託されて、絶対俺が抑えて流れ変えてやるって気持ちで投げて、最後サヨナラで勝てたんですけど、勝たないと意味がないんで勝ちにつなげられて良かったです。

ーー明日に向けて意気込みを

絶対に明日勝って1部上がります!!!



TEXT=山本華子 /PHOTO=岡本后葉、山本華子 、福田和奏、一ノ瀬志織