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12月5日から8日の4日間かけて行われた第92回アイスホッケー全日本選手権大会(A)。アジアリーグのプロチームや社会人チーム、明治大学など全国から強豪のチームが集まる中、プロを破り、見事東洋大学史上初のベスト4入りを果たした。
FW森田のPSS成功を喜ぶ選手ら
初戦のタダノとの試合を無失点に抑え順調に2回戦に駒を進めた東洋大。初のベスト4の道へ立ちはだかるのは今シーズン調子を上げている横浜GRITS。緊張感に包まれる中試合開始のブザーが鳴った。先制点を放ったのは開始約8分後、4年生のDF根本怜汰(社4=清水)。この得点には選手だけではなく会場に駆け付けたアイスホッケーファンも大きく湧いていた。その後第2ピリオドに入ると相手のペースに。約1分半の間で2点を返され逆転を許してしまう。しかしこのまま流れを渡す東洋ではなかった。果敢に攻めすぐさま1点を取り返しまた肩を並べる。このシュートを決めたDF高田(スポ2=白樺)は「自分に自信もついたし、何よりも味方が盛り上がったのがうれしかった」とこの瞬間を振り返る。そして第3ピリオドへ。試合終盤になってもゴールを果敢に目指し、パスを繋ぐ。そしてついにその瞬間が来る。FW山崎創也(社4=武修館)が悲願の同点打を放った。
60分間終了時点で3-3の同点。3on3による5分間のサドンデスの延長戦が行われることとなった。だがここでも決着がつくことはなく運命の勝敗はPSSへ。先攻は横浜GRITS、ここは決められてしまう。しかし東洋大の1人目FW森田琉稀亜(社3=駒大苫小牧)が取り返す。相手の2、3本目はノーゴール。逆にFW大久保魁、DF高橋一路(スポ2 =駒大苫小牧)は流れるようにシュートを決める。これにより東洋大の歴史的な勝利が決定し、選手らはベンチを飛び出してGK田村のもとに駆け寄った。試合前の時点で、「これ勝てるんじゃない?という謎の自信がありました。」をFW森田はこの日を振り返って語る。春から積み上げてきた数々の努力がこの結果と自信をもたらしたのだろう。
同点打を決めたFW山崎と駆け寄るFW大久保雅斗、FW田中蘭李斗
横浜GRITSとの試合から一夜明け挑んだ地元チーム、H.C日光アイスバックスとの試合ではプロの圧倒的な力を見せつけられ6-0で敗北。続く東北フリーブレイズとの3位決定戦でも敗北とはなったものの、シュート数は10本以上の差をつけ、攻め切る姿勢を見せ続けた。全日本全体を振り返りDF大和は「バックスファンも東洋をすごく応援してくれていたのでそこは力にもなったし、ゴールをするとリンク全体が歓喜に包まれたのもうれしかった」とコメントを残し、この大舞台を思う存分に楽しみつつ戦っていたことがうかがえる。次の目標である決勝の舞台という更なる高みへ、まだまだ東洋大の挑戦は続く。
TEXT/PHOTO=岡本后葉