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『覚悟~奪還~』という強いスローガンをもとに、2部優勝、そして悲願の一部昇格を決めた東洋大の戦士たち。最後まで諦めない姿勢で挑戦を続け、東都の頂点への切符を掴んだ。彼らはどのようにして試練を乗り越え、一部昇格という栄光を手にしたのか、その裏側に迫ります。14日間にわたり総勢24名の豪華インタビューをお届けする。
2日目、2人目はリーグ戦中、緊迫した場面でマウンドを託され、落ち着いた投球を披露し、好成績を残した桝川颯太(営2=関東一)投手。リーグ戦デビューを果たした今シーズンの振り返り、そして1部へ戦う来季への思いを語ってもらった。(取材日・12月4日、聞き手=一ノ瀬志織)
ーー秋季リーグ、チームを振り返って良かった点
今までの3シーズンで自分の代、2年生の出番が少なかったんですけど、今回のリーグ戦は上級生はもちろんなんですけど、下級生が活躍した場面が多かったのが今後に向けて良かった点かなと思います。
ーー課題は
ピッチャーで言えば4年生、野手で言えば3年生に頼っている場面が多かったので、今の3年生はもっと2年生の時にできていたイメージがあったので、そこは技術の面もそうですけど、精神的にもチームとして2年生が引っ張っていかないとかなと思います。
ーーリリーフとしての登板、個人としての振り返り
成績はもちろん良かったんですけど、ちょっと出番が少なかったので、そこはもっとチームの信頼をもらえるようにやっていかないとと思いました。
――今季、どんなテーマや目標で臨んでいたか
点をとられないことを目標にやっていたんですけど、そこは目標を達成できて良かったと思います。
ーー一番印象に残っている試合は
最後の駒大戦は、ちょっと出来過ぎた試合かなと自分の中では思っています。
ーーピンチで登板する場面が多かったがマウンドに向かう時の心境は
いつも後悔しないように準備はしているので、大丈夫だと自分に言い聞かせながら、打たれても自分の実力が足りないだけだからって割り切って行っていました。
ーーピンチに強い?動じない?
あんまり緊張はしない方です。
ーー今、左投手あまり多くない
左が自分の代も一人しかいなくて、それをずっとチャンスだなと思っていたので、この秋結果残せて良かったと思います。
ーー政所捕手への信頼は
100%の信頼を置いているので、サインに首を振ることなく自信を持って投げれました。
ーー今年投手陣を引っ張った4年生たちの投球を見てどう思ったか
やっぱり今の4年生とはまだレベルが違うので早くそのレベルにいかないといけないなって自覚は芽生えました。
ーーその4年生から2名のプロ野球選手が出た
やっぱり自分も目標にしている舞台なので、いいところは真似してレベルアップしていかないといけないかなと思いました。
ーー駒澤大学との最終戦、9回に池田選手(営3=三重)と花田選手(総3=大阪桐蔭)の2本のホームランで同点に追いついた時の心境
自分ちょうどブルペンで肩を作っていたところなんですけど、喜ぶのは一瞬で、同点に追いついた後はもし自分が投げたらどうするかを考えていたので、結局出番はなかったんですけど、そういう心境に持っていけたことが自分自身成長できた部分かなと思います。
ーータイブレークで無失点に抑えたの一條投手(総4=常総学院)の投球を見て
すごい、それだけです。
ーーそして延長11回に花田選手のサヨナラヒットで2部優勝が決まった時のそれぞれの心境は
うれしかったですけど、やっと入れ替え戦行けて1部上がれるチャンスをつかめたので、まだ喜ぶのは早いかなと思ったんですけど、あの日だけは勝ち方が勝ち方だったので喜んでも良いかなと思いました。
ーー入れ替え戦までの約3週間をどう過ごしたか
調子はあまりよくなかったんですけど、調子悪い中でもやれることをやろうと、100%の力を出せるように準備はしていきました。
ーー去年の秋、悔しい思いをした入れ替え戦。どんな思いで挑んだか
まず1戦目はベンチに入ってなくて2戦目から入ったんですけど、2戦目先制点を取った時もやっぱ去年2戦目に5点差を追いつかれて引き分けになっているので、油断だけはしないようにブルペンでもしっかり準備はしていました。
ーー1部昇格を決めた際の心境は
めちゃくちゃうれしかったんですけど、やっぱ目標は1部で優勝することでやっとスタートラインに立てたなと思うので、少しほっとしていました。
ーー入れ替え戦全体を振り返って
リーグ戦にはないような独特な緊張感で、ベンチに入れたことはすごく良い経験になったと思いますし、1部のどこのチームも経験してない独特な雰囲気なのでそれを春生かせたらなと思います。
ーー主将のホームランは
ちょっと泣きそうになりました。ずっとキャプテンも出番がなかなかなかったと思うんですけど、野球面以外でもずっとチームを引っ張ってきてもらっていたのですごく自分のことのようにうれしくなっちゃいました。
ーー今季全ての試合を終えて得た収穫と課題
この秋がリーグ戦初登板だったので、1部に行く前にリーグ戦で投げれたことはすごく良い経験だったので、今は4年生に頼っていた立場だったんですけど、来年からは自分がチームを引っ張っていけるようなそんな存在になりたいと思います。
ーーリリーフ登板が多いが、起用方法については
監督にはこの前、来年先発をやりたいって言ったんですけど、どこでも行けるような準備はこの冬でしたいと思います。
ーー今のご自身の一番の強み
コントロールです。
ーー春季リーグに向けて冬に取り組みたいこと
ストレートの球速をもっとあげていかないと1部では通用しないと思うので、あげるために何をすれば良いかを考えて取り組んでいきたいと思います。
ーー1部で対戦が楽しみな選手は
投げ合いたいという意味で、日大の市川投手は自分の先輩なので投げ合えたらうれしいなと思います。
ーー母校である関東一校が夏の甲子園で準優勝したが
自分たちの夏は甲子園に行けなかったので、後輩があそこまで行ってくれていい刺激になりました。
ーー最後に今後への意気込み
8シーズンある中の半分が終わってしまってので、残り4シーズンで自分のやれることやって日本一取れるように頑張っていきたいです。
◇プロフィール◇
桝川颯太(ますかわ・そうた)
生年月日/2004・7・3
身長・体重/178㌢・85㌔
今年新たに挑戦したこと/色んなライブに行ったこと
鶴ヶ島のおすすめスポット/日高屋(美味しいです)
今年一番の思い出/1部昇格
◇連続インタビュー一覧◇
12月21日 ③大坪廉投手 ④桝川颯太投手
12月22日 ⑤山田隼外野手 ⑥前髙翔太内野手
12月23日 ⑦馬場涼輔内野手 ⑧冨安海来外野手
12月24日 ⑨金丸健司外野手 ⑩中村瑠斗内野手
12月25日 ⑪向髙滉人投手 ⑫秋元俊太外野手
12月26日 ⑬政所蒼太捕手 ⑭鈴木二知佳捕手
12月27日 ⑮花田旭外野手 ⑯吉田元内野手
12月28日 ⑰池田彪我内野手 ⑱島田舜也投手
12月29日 ⑲柿本晟弥投手 ⑳佐伯成優投手
12月30日 ㉑一條力真投手 ㉒岩崎峻典投手
12月31日 ㉓岸新太郎主務 ㉔嶋村知浩主将
PHOTOS =一ノ瀬志織