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2015.10.11
卓球

[卓球]男女とも昇格ならず 穂積主将復帰戦で引退

平成27年度秋季関東学生卓球リーグ戦

10月10日(土)和光市総合体育館


女子1・2部入れ替え戦

東洋大3-4大正大

●川上(文3=真岡女子)1-3○富川
○荒井(済2=正智深谷)3-1●中村
●村山(社3=武蔵野)・荒井0-3○富川・荒木
○村山3-1●荒木
○川上・中本(法3=明秀日立)3-2●野中・中村
●穂積主将(法4=富田)0-3○姜
●石井(文4=千葉英和)0-3○柴田


男子3部代表校決定戦
東洋大1-4東経大

●坂本(済1=埼玉栄)0-3○櫻井
●村北(1=遊学館)0-3○吉田
●伊藤(法4=桐蔭学園)2-3○宮川
○大森(法3=甲府商)・岡田理(法3=白子)3-2●吉田・小塙
●大森2-3○本橋



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引退間近で復帰をした穂積主将


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相手を追い込む穂積主将の戦いぶりにベンチも沸いた


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涙をこらえながら最後まで戦い抜いた石井


 1・2部入れ替え戦に挑んだ女子卓球部。春に全選手ストレート負けを喫した大正大に3対4と、敗北はしたものの健闘を見せる。下級生が3試合を取りあと1勝を託されたところで、公式戦から離脱していた穂積主将(法4=富田)が復帰を果たした。男子は3部代表校決定戦で東経大と対戦したが、1対4と惨敗した。

 ベンチが一番沸いた瞬間だった。昨秋ぶりにリーグ戦に穂積主将が復帰。強敵相手に粘りを見せ接戦に持ち込むも、セットを取ることができず敗れる。だが、最後は笑顔で4年間を終えた。
 昨年の全日学でけがをした膝を手術し、春、秋ともにリーグ戦に出場することは許されなかった。本格的に練習に入り始めたのは7月。「初めは全く体が動かなかった」と、長期の離脱に筋力も体力も落ちていた。しかし、自分が出ることのできない間に2部降格と、2部全勝を逃した悔しさが穂積主将を奮い立たせる。秋のリーグ戦から1ヵ月後に行われる入れ替え戦出場へ向けて調整し練習を重ねた。
 そして、荒井(済2=正智深谷)、村山(社3=武蔵野)、川上(文3=真岡女子)・中本(法3=明秀日立)が3勝を挙げ、穂積主将は4勝目を任される。相手は1部で24勝している姜だ。姜は富田高校時代に3年間を共にした同期。「同期というのもあってそこまで構えなかった」。相手の成績に怖気づくことなく強気で臨んだ。だが、下位とはいえ大正大は1部で戦ってきたチーム。競った場面でもあと一歩が足りず0-3と完敗した。次に1勝を担った石井(文4=千葉英和)も、「(気持ちの)甘さが今日の試合に出てしまった」と序盤からの押しの強い攻めに対応できず勝利を逃した。3対4で2部残留が決定。「最後4年生二人が連敗してしまって本当に申し訳ない」。穂積主将は悔しそうに言葉をこぼした。
 「とても波のある4年間だった」と穂積主将は涙を浮かべながらも笑顔で話した。2部5位から1部昇格、その後は降格と昇格を繰り返した。そして、主将になった矢先のけが。「正直辞めようと思った」。しかし、部員の懸命な姿を見て再び立ち上がった。「最後は負けてしまったが悔いはない。やり切りました」。
 男子は0対3に追い込まれたところで大森(法3=甲府商)が1勝するも、あとに続くことができず1対4で3部残留が決定。男女共に昇格を後輩にゆだね、4年生はコートを去った。


■コメント

・伊藤監督

個々にはみんな頑張っていたが、最後の最後に得点を取り切る力がまだまだなかったのかなと思う。でも、1対4で負けるほど力の差はないはず。部内だけでなく、どんどん外へ行って試合や他校の練習に参加してほしい。内弁慶になりがちで大森などのいいボールを持っている選手でも勝ち切れない部分はメンタルの面もあると思う。大森はどうしても責任感を感じてしまって少し後半が固くなってしまっている。でも、来年は集大成として頑張ってほしい。今日は負けてしまったが坂本などは当然来年からエースとしてしっかり勝ち抜いてほしい。本当に今の1年生は力があるので今の3年に負けない力をつけてくれれば自ずと結果は出てくると思うのでとても期待している。

・穂積主将(法4=富田)
7月から本格的に練習に参加し始めて、初めは全く体が動かなかった。けがをした当初は春季リーグ戦に間に合うかもと言われていたが、結局秋季にも間に合わず入れ替え戦が復帰戦になってしまった。相手は高校で3年間を共にしてきた同期。大学では1部で24勝を挙げていても、同期というのもあってそこまで構えなかった。自分的には勝てると思っていて強気でいったが、競った場面のもう一歩が足りず情けない試合をしてしまった。後輩が3試合取ってくれたのに、最後4年生二人が連敗してしまって本当に申し訳ない。でも、後輩が1部相手に3試合取れたということは自信につながったと思うので、次の春季では1部に上がることができるはず。(これで引退となるが)私にとってはとても波のある4年間だった。1年生から試合に出してもらっていて、5位になったり優勝したり、たくさんの経験をした。主将になってからけがをして、長い間練習に顔を出せない日々が続き、正直辞めようと思ったときもあった。でも、みんなの頑張っている姿を見て、主将がしっかりしなければと思ってここまで来れた。最後は負けてしまったが悔いはない。やり切りました。

・石井(文4=千葉英和)

今まで大正大には一か1本も取ったことがなかったので、前半から竸っている試合をしている部員たちを見て、4年 生として客観的にみんながすごく成長したと感じた。自分の試合では4年生としてみんなに回してもらって勝つことができたら最高だったと思う。言い訳になってしまうが、実際リーグ戦終わってからの入れ替え戦で、気持ちがついていけなかった。その甘さが今日の試合に出てしまった。4年間通して、仲間や監督に恵まれて入学当初は1部に上がることができるとは思っていなかったし最後も入れ替え戦で3対4までいけた。個人的には悔しかったが、チームとしては次につながる試合だった。厳しいトレーニングをみんなでやってきたのがつながった。これからは1部残留は当たり前なので、2部ではなく1部という自覚を持って頑張ってほしい。

・村山(社3=武蔵野)

向かっていく気持ちがチーム全体に出てて、応援も今まで以上に良かった。一人一人が向かっていく状態で試合に臨めたので、このまま次の春リーグに向けて頑張っていきたい。4年生に最後いい思いをしてもらいたくて、とにかく1部に上がることだけを考えていた。最後にこういう結果になったのは悔しい。(今年の4年生は)厳しい先輩でした。練習の雰囲気を大事にされている方々だったので、それについていくのに必死だった。この1ヵ月間は一番厳しかった。でも、練習以外では優しい。練習のときとのメリハリをしっかりされている先輩方でした。(次期主将)不安しかない。とにかく不安だらけ。東洋大のいいところはすごく明るくてチーム力のあるところ。一つになっていけるようなチームにしたい。今まで厳しかった分、ある程度メリハリをつけられるような、そういう人を目指していきたい。


TEXT=木谷加奈子 PHOTO=伊藤拓巳