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2015.10.12
ラクロス

[ラクロス]2部残留ほぼ手中に 主将の思い未来につながる

第28回関東学生ラクロスリーグ戦 女子 2部Bブロック


10月10日(土) 江戸川区臨海競技場


東洋大10-7横国大


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的確な指示を送るMF太田主将


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AT三角は今試合最多得点を挙げた


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試合終了ホイッスルで涙するMF太田主将




 2部残留に大きく関わる今季最終戦で横国大に10対7で勝利。4年生のMF太田主将(ラ4=東京成徳)の思いを胸にチームが一つとなって大奮闘し、2部残留をほぼ確実にした。




 フィールドではたった1人でチームを引っ張ってきた太田主将が報われた瞬間だった。「辛いことばかりで辞めたいと思ったこともあったが、やっぱり後輩たちのことを考えたら最後までやりきりたいと思った」。2つ目の勝ち点を獲得し1試合を残す国士大よりも優位に。試合後、その後輩たちの前で自身の思いを話しながら涙を流した。

 後半は序盤から連続失点。しかし、この状況を後輩が変えた。太田主将がゴール手前でフリーシュートのチャンスをつかんだ。誰もがこのまま彼女がゴールを決めると考えただろう。しかし、ホイッスルが鳴ると同時に太田主将はAT三角(法3=東京成徳)にパスをまわしたのだ。「目が合って、この状況は彼女の強みが生かせると気付いたので信頼してパスした」。同じ高校でラクロスをやっていた先輩後輩の仲。三角にとって高校のときは雲の上の存在だった太田主将に、今では大事な場面でゴールを任されるほど信頼される選手になった。太田主将の思い通り、三角は貴重な追加点で再び流れを呼び込んだ。太田主将と岡田マネージャー(ラ4=淑徳巣鴨)、たった2人の4年生にとって残留が決まればこれが引退試合となる。「まゆ(=岡田)は私のことを支えたいと言ってくれて途中から入ってきてくれた」。元から入部の少なかった同期は一人、二人と減っていった。大変なとき、苦しいときもあったが最後は2人で乗り越えた。「家族以上の関係。最後まで支えてくれて本当に感謝している」といえば、岡田マネージャーも「本当に辛いこともあったけど、最後にこうやってみんなと終われてよかった」と涙ながらに語った。

 「未来に残るチームをつくる」。これは太田主将が常々意識していたことだ。そのためにも2部残留は絶対に成し遂げなければいけなかった。この日は開始1分でのMF中嶋(国1=東京成徳)の得点を皮切りに、次々とゴールを決めていき積み重ねた10得点。「最終的には私が引っ張ってもらえるくらいみんな成長した」。太田主将の熱い思いはラクロス部の未来へと確実につながった。




■コメント

・MF太田主将(ラ4=東京成徳)

とにかく2部に残れるように頑張った。このチームは今まで波乱万丈で、後輩も多くてやんちゃな子たちばかりで手に負えないこともあったけど、やっぱり可愛い後輩たち。その後輩たちのためにしっかり未来に残るチームをつくるためにも、私が何かプレーでしめすことができたらいいなと思っていた。あとは楽しくラクロスができたらいいなと思って試合に臨んだ。まゆ(岡田マネージャー)は私と元から仲が良くて、そこから私のことを支えたいと言ってくれて途中から入ってきてくれた。苦難も共にしたしどんなときも優しく支えてくれて、厳しいことも言ってくれた。家族以上の関係だと思っている。最後まで支えてくれて本当に感謝している。(後半のフリーシュートについて)自分でも打てるかなと思ったんですけど、三角と目が合ってこの状況は彼女の強みが生かせると気づいたので信頼してパスした。確率的にもその方がよかったと思う。今まで私が練習メニューなども全て考えてメンバーを引っ張って、辛いことばかりで辞めたいと思ったこともあったが、やっぱり後輩たちのことを考えたら最後までやりきりたいと思った。最終的には私が引っ張ってもらえるくらいみんな成長した。未来につながるチームというのをサブ目標にしてそれを達成できたのは本当によかった。今までは代が変わると改めてって気持ちが強かったかもしれないが、今年に関しては私が抜けるだけなので良い意味でこれまでのことを崩さないでほしい。悪いとこは反省して変えて、1部昇格できるようなチームになってほしい。



・AT三角(法3=東京成徳)

これまで勝てるはずの試合も勝てなかったが、今日は今までで一番良かった。4年生をいい気持ちで送り出そうと、1~3年生が気持ちを一つにして戦うことができた結果だと思う。(フリーシュートで太田主将からパスを受けた場面は)ここを決めたら勢いに乗ることができる。だから絶対に点を取らないといけなかった。アイコンタクトで、くるかもしれないと思って、自分にきたらしっかり決めようと準備はしていた。愛菜さんは高校から同じで完全な後輩。高校時代は上下関係が厳しかったので、雲の上の存在だった。フィールドでは1人の4年生としてプレーしている今も、尊敬の気持ちしかない。毎日練習メニューを全部考えてくれて、就活中でも欠かさずに全員にメールを送っていた。メールにはメニューだけでなく、何かをするために、どうすべきなのかまで丁寧に書いてある。愛菜さんのひと言でみんなが変わるんです。高校のときより偉大な存在。今まで自分は頼りないし、人に付いていってばかりだったけれど、しっかり発言していかないとチームは変わらないことを学んだ。自分たちが4年生になることは不安だけれど、例年より後輩が多いのでしっかりプレーで示していく。


・岡田マネージャー(ラ4=淑徳巣鴨)
入部したときはマネージャーが私しかいない状態で、最初は右も左も分からないような感じだった。そのときはすごい仕事も多かったしそれを1人でまわすのも大変で、やることをこなすので日々精一杯だった。でもそれが楽しかった。何かこのチームのためにしたいという一心でやってきた。でも4年生になって、チームを引っ張るのが4年生1人とマネージャー1人っていう状況の中で、自分たちが目標としているチームとか理想をいっぱい考えてチーム編成をした。後輩が多くて、自分たちが思うようにいかないこととか、若いチームだから精神的に弱かったりっていうので、なかなか2部でも勝てなかったりした。勝てる試合でも負けが続いてしまったり悔しい思いをしたけど、最後こうしてギリギリでも勝ちきれてよかったと思う。マネージャーやってて本当に辛いこともあったけど、最後こうやってみんなと終われてよかった。愛菜(=太田主将)とはずっと一緒に4年間過ごしてきたから色んな思いがあったし、愛菜が下を向いたら絶対チームと下を向くと思ったので試合前は前向きな言葉をかけた。



TEXT=吉谷あかり PHOTO=浜浦日向