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2015.10.11
バスケ

[バスケ]川上、杉田の1年生コンビ躍進 勝利に貢献

第91回関東大学バスケットボールリーグ戦

10月10(土)日本体育大学世田谷キャンパス


東洋大69-62中大

  17|1Q|18

  18|2Q|18

  15|3Q|11

  18|4Q|15


スタートメンバー

2 山口健大(済3=桐光学園)

7 大野太聖(文1=市立柏)

25 島崎脩(ラ3=松本蟻ヶ崎)

54 マッカーサーエリックジュニア(国1=デイナ)

88 山本大貴(済3=市立船橋)

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自分の役割を全うした川上

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持ち前の勝負強さを見せつけた杉田

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中村はガードとしてチームを指揮した


 後半戦1試合を終え東洋大は7位の中、2部リーグ6位と一つ上をいく中大との一戦に69対62で勝利。川上(済1=市立船橋)と杉田(済1=市立船橋)の1年生らしいがむしゃらなプレーで2試合ぶりの白星を呼び寄せた。


 「ベンチでずっと(試合を)見ているのはきつかった」。川上はリーグ戦序盤、与えられた機会を生かしきれずベンチで仲間に声援を送っていた。だが、今日は「川上みたいなプレーヤーがいると(チームの)負担を軽くしてくれる」と監督に称賛されるほどの活躍を見せた。1Q開始2分過ぎにコートに立った川上は「自分の役割はリバウンドとディフェンス」という言葉の通り、泥臭くリバウンドやルーズボールに食らい付いていく。それが東洋大のスタイルであるディフェンスから走るという形にうまくつながり、得点を稼いだ。そして、中大にリードを許す中、その流れを変えたのは川上と同じ思いをしてきた杉田だ。杉田は初戦こそスタメンで起用されたが、それ以降は控えとしている時間が長くなっていた。それでも、悲観せず「出れないなりに選手を盛り上げて、与えられた時間は自分のプレーをしっかりしよう」と自らの役割に徹した。「杉田はもともと持っている能力がすごく高い」と監督が評したように、今試合杉田は得意なアウトサイドはもちろん、インサイドからも多彩な攻撃を仕掛け相手を翻弄(ほんろう)していく。さらに、悪い流れを断つシュートを幾度となく放ち、持ち前の度胸も見せる。1年生二人のがむしゃらなプレーは次第に上級生を触発させ、山口(済3=桐光学園)や山本(済3=市立船橋)らの安定した得点力につながっていった。

 勝利に貢献したのはこの二人だけではない。待ちわびたガードの復活だった。「最近は本当にだめで負けたのも自分のせいだと思っていた」と言う中村(済3=幕張総合)。「今日はゲームをコントロールすることを意識した」と振り返ったようにこれまでと違う姿があった。今までは自分でゴールまで運んでいた場面でも、今試合はパス回しで隙をうかがい攻撃を組み立てていく。「この一週間ガードについて指導したことをよく理解してくれた」と監督は語る。この3人の活躍がチームを活気づかせ、逆転勝利を挙げた。


 試合後目(さっか)監督は「苦しい試合だったがよく頑張った。いい試合だった」と選手たちの頑張りを称えた。しかしこの試合の2日前、チームのまとまりのなさを感じた監督がミーティングを開いたという。そのミーティングの結果「チーム全体がまとまって「チームで戦えた」試合ができた」と杉田は語ってくれた。次戦も格上の日大が相手だが、今回つかんだ勝ち星を無駄にしないためにも、「チーム一丸」となってどん欲に勝利を手にしたいところだ。


■コメント

・目(さっか)監督
苦しい試合だったがよく頑張った。勝たなくてはいけない試合だったし、勝てたことはすごく大きい。いい試合だった。(出場した)15人全員が頑張った。選手がオフェンスとディフェンスのシステムを理解したことが勝因。1年生には思い切ってやれと言っていたし、いいシュートを打ってくれた。今週、杉田と川上が良くて。杉田はもともと持っている能力がすごく高い。川上もいい。川上みたいなプレーヤーが出てきてくれると負担を軽くしてくれる。中村はこの一週間ガードのことについて指導をしたことをよく理解してやってくれた。全員頑張った。中大はスリーポイントが入るので、そこのケアを選手はやってくれた。ルーズボールも取ってくれた。(4Q最後のタイムアウトでの指示は)タッチアップが遅れていたので、それを怒った。まだ勝ってもいないのに、シュートが入る入らないは関係なくそこはきちんとしなくてはいけない。(逆転できた要因は)シュートは考えずに思い切って打っていいと言った。それが良かったのと、ディフェンスで向こうのターンオーバーを誘えた。ディフェンスはプレッシャーをかけろと、引いちゃだめだと言ったことが良かった。(次戦に向けて)日大は強いけど頑張ります。


・中村(済3=幕張総合)
前回負けてる相手で連敗していたので必ず勝たなければならない試合だった。内容よりも勝てたことが良かった。(勝因は)ディフェンスが頑張れたこと。 チームとしても監督からオフェンスは思い切りいけと言われていたので、毎試合課題となっていたディフェンスがカギになると思っていた。 最後は結構リバウンドを取られてしまったが、それまでは抑えるところを抑えられていたので勝ちにつながったかなと。(1年生の活躍については)ミスがあれば自分たち上級生がどうカバーできるかだと思うので、 1年生は思い切りやってほしい。(個人としては)最近は本当にだめで負けたのも自分のせいだと思っていた。今までは突っ込んでばかりでチームの状況をあまり考えられていなかったが、今日はゲームコントロールすることを意識したのがいい形につながった。今日はそれなりにできたなと。(明日に向けて)抑えどころはわかっているので、前回負けている分の仮を返して勝率を五分に戻していきたい。

・川上(済1=市立船橋)
リーグ戦序盤は試合に出ていなくて、出る機会をもらってもチャンスを生かしきれなくて、ベンチでずっと見ているのがきつかった。今日、試合で全部出し切れた。ガード陣がリバウンドを取りにいったこととオフェンスを先週よりのびのびとやれていたことが勝因。今週の練習がみんな調子が悪くて、だから「俺らは崖っぷちだから明日は頑張るぞ」ってチーム一丸となって戦うことが出来た。自分はシュートよりリバウンドとディフェンスを期待されていて、自分自身もその二つから流れをつくってシュートに生かそうと思っていたので、うまくいって良かった。(相手の)ガード陣に対するリバウンドのときのマークがあまりきつくなかったので自分がリバウンドにいった方がいいんじゃないかと思って助けに入っていた。同じ市立船橋高校の杉田はスリーポイント決めていたり、中村さんもチームをうまく回していて良かったと思う。杉田は大事なところで決めてくれたので、それで流れがきたのかなと思う。(次戦に向けて)日大はこの前大差で負けているので、今日の一勝を大事にして。勝って、下の入れ替え戦にはいかないように頑張りたい。


・杉田(済1=市立船橋)
一昨日、チームがまとまってないということで監督からミーティングがあった。その後からチーム全体がまとまって今日は「チームで戦えた」試合ができたので良かった。(ミーティングを通して)もともと監督からフリーでやっていいと言われていた。その部分は変えずに、自分はパスもやるので自分が泥臭くやって味方を生かしたいと思っていた。シュートが数を打って入っている印象なのでもっと本数を少なくして点数を取れるようにしていきたい。(リーグ戦でプレータイムが回ってこなかった時期は)出れないなら出れないなりに選手を盛り上げてベンチの仕事をしっかりして、与えられた時間は自分のプレーをしっかりしようと考えがあった。今日の試合はチーム内でフリースローごとに集まって「こうしよう」とかけ声があったので、みんなの意思疏通ができていた。これからも続けていければ今日のように勝ちにつなげられると思う。明日は大きくてインサイドが強いので、自分の得意なアウトサイドのプレーが生かせると思う。試合に出れたら今日みたいにシュートを決めます!


TEXT=高橋雪乃 PHOTO=石田佳菜子