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2025.03.28
陸上競技

[陸上競技] 令和6年度卒業企画 陸上競技部編 長距離部門 ・永吉恭理 インタビュー全文

令和6年度卒業企画28日目


 この春、東洋大を卒業する陸上競技部長距離部門の4年生。鉄紺の強さを取り戻すために奮起してきた彼らが、大学競技を終えた今、何を思うのか。今年の箱根駅伝にエントリーされた4年生6名へのインタビューをお届けする。

 卒業企画陸上競技部編、長距離部門の3日目は永吉恭理(総4=須磨学園)。けがとの戦いだった永吉の4年間。手術も経験し、競技を続けることすら難しい状況に陥ったこともあったが、それでも夢を追いかけ続けた日々について伺った。(取材日=1月15日、聞き手=北川未藍)





ーー陸上を始めた時期は

 中学1年の時に始めました。



ーー始めたきっかけは

 小学校のとき太っていて、痩せたいなと思って始めました。



ーー東洋大学に入学した決め手は

 中学3年生の時に友達の家で箱根駅伝を見ていたのですが、西山和弥さんが大学1年生の時に1区で区間賞を取られていた姿を見て、自分も東洋に行きたいなと思いました。



ーースカウト時に印象に残っていることは

 スカウトは監督から声をかけていただいたというよりは、自分の父親が東洋大学出身だったので、父から色々な話を通してもらったということが1つあって。そこから監督の方にも話が入ってという感じです。周りの選手と比べると(入学の仕方は)違うかもしれないです。



ーー入学前の東洋大学の印象は

 他大学よりも上下関係があるという言い方をしてしまうとマイナスな部分にはなるかもしれませんが、スポーツをする上で大事なことを学べるという印象です。上下関係もそうですが、人間関係をどの大学よりも学べるところなのかなと思います。父親からもこのような話を聞いていたので、そういったところを重んじている大学だと思っていました。



ーー父親も陸上経験者か

 いえ、剣道をやっていました。



ーー入学前の酒井監督の印象は

 かっこいいなと思っていました。顔もそうですが、立ち振る舞いなどもかっこいいなと思います。



ーー入学後、東洋の印象は変わったか

 変わった部分は特にないかもしれません。



ーー入部するときに目標としていたことは

 西山さんの箱根駅伝を見て(東洋に)入りたいなと思っていたので、箱根駅伝に出走して、活躍することを大きな目標として入部しました。



ーー4年間で一番思い出に残っている試合は

 初めてハーフマラソンに出させてもらった2023年11月の小江戸川越ハーフマラソンです。初めてのハーフマラソンで1時間3分台で走ることができて、箱根駅伝のメンバーに入る大きな要因になったので思い出にあるレースの1つかなと思います。



ーー東洋大学の陸上部の1番好きなところは

 レースでも練習でも、最後まで諦めない姿勢です。「その1秒をけずりだす」走りというのを、ここ最近ではできていなかった部分もありましたが、今年の箱根駅伝ではその走りをみんなしてくれました。自分の好きなところですし、東洋の誇りなのかなと思います。



ーー東洋大学で成長できたことや得られたことは

 大学3年生の時に膝の故障をしてしまって手術をしましたが、そこから6ヶ月でその年の箱根駅伝のメンバーに選んでいただくことができました。そこで諦めない心を学び、得ることができましたし、大きなケガをすることで「いろんな人に支えられているな」とより実感できました。



ーー陸上人生のターニングポイントは

 膝の故障で他大学なら陸上を辞めるきっかけになるだろうし、自分の中でも陸上はこれで最後なのかなと思っていました。それでも最後まで監督やコーチ、仲間が心熱いメッセージを送ってくれたことなどがあって現在も競技を続けられているので、そこが大きなポイントかなと思います。



ーー4年間を通して監督の印象や関係性は

 監督は選手一人ひとりと真摯に向き合ってくれて、他大学のことをよく知っているわけではないですが、どの大学よりも深く接してくれる本当に面倒見の良い方だなと思っています。実際、監督も現役時代にすごく活躍されて、箱根駅伝も出走されている方なので、選手の1人としても憧れている部分があります。



ーー競歩を始めた経緯

 大学1年の時に膝にひびが入って、長距離を一旦辞めました。そこからずっと走っていなかったのですが、大学2年の最初にリハビリの一環で競歩を始めさせてもらいました。



ーー長距離に戻ったのは

 競歩をそこから1年近くやらせていただいて、ある程度走れるようになってから長距離に戻った矢先に膝がずれてしまって、そこで手術になりました。手術してからは長距離の方に専念する流れになりました。



ーー箱根駅伝では2年連続8区エントリーから当日変更となり、悔しさはあったか

 その日の朝、6時半くらいに監督から電話がかかってきて(自分が)リザーブだと伝えられました。2年連続8区でエントリーしていてリザーブとなった時は涙を流しましたし、悔しい部分もありましたが、代わりに走ってくれた網本があれだけいい走りをしてくれたので、悔しい中でも網本で良かったなと思います。



ーーどういう気持ちで箱根駅伝を見ていたか

 走りたかったなと悔しさもありましたし、仲間を信じる気持ちもありましたが、主力を欠いて出場して、足やメンタル部分に不安がある選手も何人かいて、状況としてはよくないなかでのスタートとなったので大丈夫かなと思っている部分も少なからずありました。でも箱根ではしっかりやってくれるのが東洋大学だと信じていました。



ーー9区の給水で吉田選手に何と言葉をかけたか

 とりあえず前との差が何秒かを伝えて、4校の混戦で来たのでこの3校には負けないようにと。お互い最後の箱根駅伝だぞ、最後まで諦めずに走ってくれと伝えました。



ーー9区の給水はどうやって決まったか

 その日までは1年生の2人が給水する予定でしたが、自分が当日変更でリザーブとなった時に緒方と自分で給水地点に行ってくれと言われて自分が向かいました。



ーー今回の箱根駅伝で1番印象に残っていることは

 1番は10区を走った薄根が、1校がシード権から落ちてしまう中で最後に競り勝ってきたことです。自分は大手町に向かう電車で移動中でしたが、シード圏内でゴールしたのを見て電車の中で泣いてしまって。心を動かされる走りだったと思います。


ーー色紙の言葉について

 大学に入ってより様々な人に支えられて競技に取り組むことができていることを実感でき、そこに対する感謝がより深まったから



ーー同期にメッセージ

 4年間ありがとうございました。これから全員が別々の道に進みます。競技を辞める方もいますが、東洋で学べたことは大きいですし、社会に出ても生きてくるところは多々あると思うので、これまでの経験をこれからの社会人の生活に1つでも役立てていってほしいなと思います。競技を続ける人たちは記録会などで会うことはあると思うので、その時は絶対負けないぞと伝えたいです。



ーー後輩たちにエール

 出雲、全日本と結果は振るわず、今年の箱根駅伝も9位とシード権はなんとか得ることはできましたが、主力である梅崎・石田が走れなかったり、自分もエントリーしていただきながら当日走ることができなかったりしました。例年に比べて4年生としての貢献度が高くなかったことが申し訳ないなと思っていますが、後輩たちのおかげでシード権を獲得できたという点でありがたく思っています。これからもっときついことや、その分楽しいこともあると思いますが、故障してからも箱根駅伝のメンバーに絡むことができたという自分の経験から言えることは、何があっても諦めてほしくない。最後まで粘って欲しいです。もちろん試合でも言えることです。自分はここまででいいやと諦めた気持ちを持つのではなくて、最後まで走り切って欲しいなと思います。



ーー4年間で思い残したことは

 箱根駅伝だけでなく、三大駅伝に出走できず、支えてくださった監督やコーチ、もちろん保護者に走って貢献することができなかったことがかなり心残りな部分です。



ーー東洋大学に入学して良かったと思えるか

 自分は膝の故障があって、他大学だったら陸上を辞めるかマネージャーに行くかという状況だったと思います。そこで「競歩やってみるか」とか、別の道への手を差し伸べてくださったりと真摯に向き合ってくれて、そのおかげで今の自分がいます。これからも実業団で競技を続けさせてもらいますが、最後まで自分の面倒を見てくださったからここまで競技を続けて来られたのかなと深く思っています。東洋大学に入ったからこその経験だと思うので、感謝していますし、東洋大に入って良かったなと思います。

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