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令和6年度卒業企画30日目
この春、東洋大を卒業する陸上競技部長距離部門の4年生。鉄紺の強さを取り戻すために奮起してきた彼らが、大学競技を終えた今、何を思うのか。今年の箱根駅伝にエントリーされた4年生6名へのインタビューをお届けする。
卒業企画陸上競技部編、長距離部門の5日目は吉田周(総4=広島国際学院)。故障に苦しんだ時期も乗り越え、最後までチームを「想」い続けた4年間を振り返る。(取材日=1月15日、聞き手=北川未藍)
――陸上を始めたのは
中学1年生の頃です。
――きっかけは
小学校の時に、中学から陸上をやっていた2つ上の姉の地区大会などを見に行って興味を持ちました。あとはスポーツをやりたかったのですが、球技が上手くはなかったので、陸上を始めました。
――東洋大に入学した決め手は
一番の理由は東洋大学OBの相澤晃さんにあこがれたことです。
――入学前の東洋大の印象は
強い大学ということは思っていましたが、部内の雰囲気などはわかりませんでした。
――酒井監督の印象は
(入学前に)特に何か思っていたなどはありませんでしたが、(入学後の第一印象は)しっかりとされた方だなと思いました。
――入学後、東洋大の印象は変わったか
1年目は厳しい大学だなと感じました。
――陸上人生でのターニングポイントは
大学1年生の頃はコロナで記録会などがあまりなかったので非公認ではありますが、ハーフマラソンの距離を走った時に、自分が思ったよりも走れて、箱根駅伝のエントリーメンバーには入れました。そのハーフが大学に入ってから変わった分岐点だったと思います。
――入部するにあたって目標にしていたことは
まずは練習をしっかり積んで、駅伝メンバーに絡むことを目標にしていました。5000mで13分台 、10000mでは28分台の自己ベストを指標にしていました。
――4年間で一番思い出に残っているレースは
大学4年の全日本大学駅伝です。あまり状況は整っていませんでしたが、他大学のエース級の同期たちと走ることが今までなかったので、走ってみて差を感じることができました。うまく走れなかった悔しさが大きかったので、全日本大学駅伝が一番印象に残っています。
――東洋大学陸上部の好きなところは
先輩後輩関係なく、仲がいいところがやっていて楽しいなと思います。
――4年間でやり残したことは
駅伝で区間賞を取りたかったです。
――3年時の箱根駅伝からレースの出場機会が少なかったが
けがです。箱根駅伝が終わってから3、4か月くらい故障があって、一応復帰はしましたが、その後も故障などを繰り返していました。今年はダメかなと自分でも思っていましたが、毎年11月くらいになると体が勝手に動いて状態が上がってくるのでそこに懸けていました。
冬は大丈夫だという自信があったので、そこの自信に懸けてやっていきました。
――最後の箱根駅伝で副主将として何か声をかけたことは
自分はそこまで話してはいないのですが、梅崎の負担にならないようにだけ、(気をつけて)やるようにしました。
――どのような思いで中継所に立ちましたか
チームとして最後のレースだったので、自分の悔いに残らないようにしたいなというのはありました。タスキをもらったところはシード権争いだったので、初めての箱根であった10区の薄根に負担がかからないような位置で渡したいなと思って立ちました。
――給水時にかけられた言葉は
緒方からはすごくたくさん声をかけてもらえたのですが、きつくて。走っているときは自分も反応したので、何を言ってくれたのかはわかっていましたが、今は思い出せないです。とても大きな声で「行けー!!」って言ってくれていたと思うのですごく力になりました。
永吉も、きついところで給水を渡してくれました。永吉は2年続けて8区当日変更で走れず、悔しかったと思うので、給水のところで同期の姿を見れたときに、(前を走る大学と)離れかけていたのですが、もう一回行くしかないと思いました。
――終盤の追い上げは
何回か追いついて離されてというのを繰り返していて、ラスト3㎞のところでの監督車からの声掛けで、「ここで切り替えるかどうかで薄根の走りが変わってくるから、いくしかない」と声をかけてもらいました。その時に帝京大と差があったのですが、そこで切り替えて、頑張って追いつこうと思いました。
――走る前に声掛けなどはあったか
現地ではありませんが、LINEでメッセージが送られてきて励みになりました。
――東洋大で成長できたこと、得られたことは
人間性を一番育てていただいたと思います。練習中もですが、普段の生活から監督やスタッフの方々、先輩からもご指導があったおかげで成長できました。
ーー色紙の言葉について
いろいろと考えさせられる一年だったから。
――酒井監督はどんな方だったか
陸上を熱心に考えている方だなと思います。しっかりしないといけないところでは、しっかり指導されたり、和気あいあいとするところでは一緒に楽しんでいたりするので、学生もそういったところで馴染みやすかったと思います。
――同期にメッセージを
4年間お疲れさまでした。この4年間でつらいことのほうが多かった人もいると思いますが、実業団に進む人も競技を引退する人も、4年間で学んだことを生かしていきましょう。
――後輩にエールを
きついことが多くてくじけそうになることも何度かあると思いますが、そこを乗り越えれば自分の殻を破ってエントリーメンバーにも入ったり、強い選手になることができると思うので、きつくてもくじけずにやっていってほしいです。
――東洋大学に入ってよかったと思いますか
はい。成長させてもらえましたし、いい仲間にも出会えたので、ここでよかったなと思います。