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東都大学野球 春季1部リーグ戦・國學大第1回戦
4月16日(水)明治神宮野球場
◯東洋大6ー3國學大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
國學大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
東洋大 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 6 |
大坪ー政所
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打数 | 安打 | 得点 | 打点 |
1 | (中) | 大城戸陸琥(総2=九州学院) | 3 | 2 | 2 | 0 |
2 | (左) | 秋元俊太(済4=木更津総合) | 3 | 1 | 2 | 0 |
3 | (三) | 池田彪我(営4=三重) | 3 | 1 | 1 | 2 |
4 | (右) | 花田旭(総4=大阪桐蔭) | 2 | 1 | 0 | 1 |
5 | (遊) | 髙中一樹(総2=聖光学院) | 4 | 1 | 0 | 2 |
6 | (一) | 宮下朝陽(総4=北海) | 3 | 0 | 0 | 0 |
7 | (指) | 山田隼(総3=木更津総合) | 4 | 1 | 0 | 0 |
8 | (捕) | 政所蒼太(営4=天理) | 4 | 1 | 0 | 0 |
9 | (二) | 吉田元(営4=龍谷大平安) | 3 | 0 | 1 | 0 |
計 | 29 | 8 | 6 | 5 |
・投手成績
勝敗 | 名前 | 回数 | 球数 | 被安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 |
勝 | 大坪廉(総3=智辯学園) | 9 | 130 | 7 | 2 | 7 | 3 |
逆転となる2点適時打で活躍した池田
笑顔で仲間を迎える大坪
打撃好調の政所
走攻守で大活躍の大城戸
笑顔を見せる吉田
先週の亜大戦で2連敗を喫(きっ)した東洋大は主将の池田(営4=三重)を中心にチームで話し合い”気持ちを切り替えて挑むこと”を決意し、國學大との第2節に臨んだ。東洋大の先発・大坪(総3=智辯学園)と國學大のエース・當山のとの投げ合いで始まった第1回戦は先制点を取られるも、絶対に諦めない強気のバッティングで逆転し、野手の活躍に応える大坪の力投で完投勝利。チームは初白星をマークした。
大坪はチーム初勝利を狙う立ち上がり、わずか11球で三者凡退に仕留め、完璧な投球で國學大の上位打線を抑えた。
初回の攻撃、今季初スタメンの大城戸(総2=九州学院)がセンター方向に上手く弾き返し、雄叫びをあげて、安打を喜んだ。しかし、続く秋元(済4=木更津総合)が犠打を試みたが、併殺打となり初回はチャンスを生かせなかった。
二回、ストライク先行の投球で先頭打者を空振り三振に抑えるも、続く5番・緒方(國學大)に左越本塁打を打たれ、またしても先制点を取られてしまった。
三回裏、ここで東洋大打線が反撃に出る。打撃好調の政所(営4=天理)が1死から逆方向へ安打を放つ。続く吉田(営4=龍谷大平安)は、相手の守備の乱れで併殺を阻止し、塁に残る。さらに大城戸、秋元と打線がつながり、2死満塁。チャンスをつくって迎えるは本日から3番に座る池田。3球目の直球をライト方向へ運び、これが2点適時打となり逆転に成功した。井上監督は池田の安打を「いつも信頼しているので、早く抜け出してくれてよかった」と賞賛した。2死からの猛攻で國學大のエース・當山を三回KO、マウンドから下ろした。続いて、今季公式戦で無安打の髙中(総2=聖光学院)を迎えての打席。直球を強く打ち返した球は貴重な2点適時打となり、髙中は喜びをあらわにした。結果、この回5安打、一挙4得点で國學大をリードする展開となった。
四回表、連続安打と四球で1死満塁のピンチを招くも、粘り強い投球で右飛と一邪飛に打ち取り、追加点を許さなかった。その後も流れに乗った大坪は、髙中など、野手の好守備に助けられスコアボードに0を並び続けた。
追加点がほしい東洋大は七回の攻撃。この日2安打と好調の大城戸が浮いた球をしっかりと見極め、四球で出塁。続く秋元は犠打を試みた。すると相手の守備が乱れ、その間に大城戸が一気にホームまで生還した。大城戸はこの日3打数2安打2得点と走攻守で大活躍。1番打者の役割を全うした。その後、秋元が盗塁を決め、続く花田(総4=大阪桐蔭)が左前安打。さらに追加点をもぎ取って6ー1とした。
最終回もマウンドに上がった大坪は7番・調(國學大)を打ち取ったかのように見えたが、打球は風に乗って左翼席へ。これが2ラン本塁打となり3点差に詰められる。しかし、その後も気迫の投球を見せ、130球の力投が報われ完投勝利。今日の投球を「しっかりとコースに投げ切れたことが良かった」と振り返り、完投での初勝利にうれしさを見せる一方、「課題も見つかったので、次の試合で潰していきたい」と謙虚な姿勢で次回の登板へ意気込んだ。井上監督は「2本の本塁打は風でしょうがない。それを抜くとコントロールができていて、大坪らしいピッチングだった」と称えた。
明日は國學大第2回戦に挑む。今日の勢いで1つ目の勝ち点を掴み取ることはできるか。1部優勝に向け、東洋大が反撃の狼煙を上げた。
◾️コメント
・井上監督
ーー1部での勝利ということでお気持ちは
1勝できてホッとしているが、いつかできるだろうなと思っていました。
ーー先発大坪は
本塁打を2本打たれたんですけども、あれは風でしょうがないかなというとこですよね。それを抜くともうほぼ大坪らしいピッチングができたんじゃないかと思います。文句のつけようがないんじゃないですかね。
ーー大坪の「らしさ」とは
ちゃんとコントロールができているところです。
ーー完投でいったが調子はよかったか
僕が先週ピッチャーの交代を失敗してしまって、それは僕の責任なので。(今回は)動かなかったです。
ーーキャプテンとして逆転タイムリーを打った池田については
いつも信頼はしているのでそのうち仕事はしてくれるだろうと思っていました。もう少し早くはまってくれるかなと思ったんですが、早めに抜け出してくれてよかったです。
ーー島田(総4=木更津総合)は
明日ぐらいに現れると思います。怪我ではないです。それだけ言っておきます。
ーー短い期間だったが選手にはどのようなことを徹底して伝えてきたか
この間の試合が終わって言ったのは2連敗したのは誤算だったんだけれども、1カード終わったばかりでまだ優勝の可能性もあるので、それだけ考えてやろうと伝えました。
ーー當山投手を攻略する上で伝えたことは
ないです。選手に任せている部分が多いです。
ーーそれだけチームの中で選手たちが自主的に?
もちろんそうです。僕が打席に立つわけではないので。
ーー三回の攻撃は監督として頼もしく見ていた?
なかなかやるじゃないと思いました。
ーー2部リーグ時代で途切れはあるが國學院大学に6連敗していたが意識は
全然していないです。僕はポジティブなのでどこにも負けていない記憶しかありません。
・大坪廉
ーー完投で初勝利、今の気持ちは
正直気持ちは嬉しいですが、その中で課題とか見つかったので次の試合で潰していければと思います。
ーー良かった点と課題は
良いところは調子はあまり良くない状態でしっかりコースに投げられたところです。悪いところは最終回で少し気の緩みが出たのかなと、結構気は引き締めていたつもりなんですけど、本塁打もその気の緩みがあったからだと思います。そこをしっかり(課題として)潰していきたいです。
ーー監督は風の影響だと言っているが
球もシュートや真っスラとかだったので、疲れはあったんですが最後は正直気持ちだと思っています。
ーー序盤の本塁打は気にしていない?
気にしてはいないです。
ーー球種は何が1番よかったか
カットボールです。
ーーこれまでの自己最速は
148㌔です。
ーー1戦目は勝ち点戦において先発となると大変だと思うがどう捉えてマウンドに上がったか
自分の仕事をするだけなので、任された分しっかり自覚もってやるだけだと思っていました。
・池田彪我
ーー先週いやな負け方をしてこの1週間どうチームに声かけを
負けてしまったのははしょうがないことなので、1節目でしたし引きずることなく全員で切り替えて次の國學院戦に挑もうと全員で話しました。
ーー今日も1点先制されたがあの場面では
先制はされましたが、自分たちはあまり焦りとかはなかったので2死から4点取れたのはいい攻撃ができたと思っています。そこからは自分たちの攻撃ができたと思います。
ーー3回で打ったのは
スライダーです。
ーー狙っていた?
初球は狙っていたんですが、そこからは反応を見ていたのであんまり狙っていなかったです。
TEXT=山本華子
PHOTO=福田和奏