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[硬式野球]東都大学野球 春季1部リーグ戦・青学大1回戦
4月22日(火)明治神宮野球場
●東洋大6ー8青学大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 計 | |
青学大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 8 |
東洋大 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 |
大坪、土肥、馬庭、石澤ー政所
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打数 | 安打 | 得点 | 打点 |
1 | (中) | 大城戸陸琥(総2=九州学院) | 5 | 0 | 1 | 0 |
2 | (左) | 秋元俊太(済4=木更津総合) | 6 | 2 | 1 | 0 |
3 | (右) | 花田旭(総4=大阪桐蔭) | 5 | 1 | 0 | 0 |
4 | (三) | 池田彪我(営4=三重) | 5 | 1 | 0 | 1 |
5 | (遊) | 髙中一樹(総2=聖光学院) | 5 | 0 | 1 | 0 |
6 | (一) | 山内教輔(総2=東海大相模) | 4 | 0 | 2 | 0 |
7 | (指) | 山田隼(総3=木更津総合) | 3 | 0 | 0 | 0 |
8 | (捕) | 政所蒼太(営4=天理) | 5 | 1 | 0 | 2 |
9 | (二) | 吉田元(営4=龍谷大平安) | 5 | 1 | 1 | 1 |
計 | 43 | 6 | 6 | 4 |
・投手成績
勝敗 | 名前 | 回数 | 球数 | 被安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 |
大坪廉(総4=智辯学園) | 5 1/3 | 70 | 9 | 0 | 4 | 4 | |
土肥洋介(営2=高岡第一) | 1 0/3 | 16 | 0 | 1 | 1 | 0 | |
馬庭優太(総1=大社) | 5 0/3 | 43 | 2 | 0 | 2 | 0 | |
負 | 石澤順平(総1=木更津総合) | 1 2/3 | 23 | 2 | 0 | 3 | 0 |
期待の1年生投手、馬庭
牽制でアウトを取った大坪
五回裏、逆転の一打を放った吉田
サイドスローが特徴的な石澤
國學大に連勝を飾り、勢いに乗る東洋大。約1週間の準備期間を経て、ついに迎えるは昨年大学4冠を達成した青山学院大学。 実力がどこまで通用するかが試される大一番。1部の舞台で存在感を示すべく絶対王者青学大との戦いに挑んだ。
第1戦の先発は大坪(総3=智辯学園)。初回1死三塁のピンチを招くと3番・小田(青学大)に投じた直球をライトに運ばれ、先制される。しかし、2度の牽制で走者を刺し追加点は許さず。最少失点で初回を終え、安堵の表情を浮かべてベンチに戻り、仲間たちを迎えた。
1点を追う一回裏、主将が流れを引き寄せた。1死から秋元(済4=木更津総合)が左安打で出塁。2死二塁で4番池田(営4=三重)が中適時打を放ち、同点に。すぐさま試合を振り出しに戻した。
五回裏、吉田(営4=龍谷大平安)が2点左適時打で勝ち越しに成功。相手のエラーが重なり、この回2点を追加し、1-4とした。
主導権を握ったかと思われたのも束の間、六回に青学大が王者の意地を見せる。4番・松本(青学大)の右適時打などで同点に追いつかれ、試合は再び振り出しに。2番手の土肥(営2=高岡第一)が落ち着いた投球で後続を抑え、ピンチを切り抜けた。
七回途中から3番手として登板したのは昨夏、甲子園を沸かせた左腕・馬庭(総1=大社)。クリーンナップを迎えるも中飛、右飛に打ち取り、堂々たるピッチングを見せた。
九回には反撃ムードを断ち切るかのような好守備が飛び出し、球場を沸かせた。右翼手・花田(総4=大阪桐蔭)が二塁打になりそうな打球をフェンスに当たりながら捕球。続く二塁手・吉田がセンターに抜けそうな打球に飛びつき、一塁へ華麗なジャンピングスローを披露。今日一塁でスタメンの山内(総2=東海大相模)も1ゴロにし、流れを完全には渡さなかった。馬庭は試合後「あの守備がなかったら点を取られていたと思うので助けられた」と守備陣への感謝をにじませた。
試合は十回延長タイブレーク、打席には今秋ドラフト候補・小田(青学大)。馬庭が投じた打球を政所(営4=天理)が捕邪飛に打ち取る。馬庭はこの強打者に対して「小田さんがすごいバッターというのは知っていた、そこを一球一球抑えるっていう気持ちでいった」とその言葉通り、初球ストライクで制球もよく投げ込み3者凡退に抑えると、強くこぶしを握り締めた。
十二回、痛恨の勝ち越しを許す苦しい展開。しかしその裏、山田(総3=木更津総合)が犠打を着実に決める。政所の右適時打で6-6で同点とし、スタンドからは大歓声が巻き起こった。
死闘が続く延長十三回。4番手にはサイドスローが特徴的な石澤(総1=木更津総合)がマウンドへ。2失点で逆転されたものの、2安打3奪三振とデビュー戦としては十分の活躍を見せてくれた。その裏、あと一歩及ばず6-8で試合終了。井上監督は「本当に2人ともよく頑張ってくれました」と1年生ながらも必死に投げぬいた馬庭と石澤を労った。
「やはり青学は強い」そう感じた人も少なくないだろう。だが同時に「東洋はここまでやれるのか」と思わせた一戦であったことは間違いないはずだ。勝ち点の行方はまだわからない。第3戦へ持ち越すために全員で、全力で明日の勝利をつかみ取る。
◾️コメント
・井上監督
ーータイブレークまで持ち込んだが
本当は勝てた試合ですよね。
ーー終盤は1年生ピッチャーを投入して
本当に2人ともよく頑張ってくれましたね。それに4年生の野手は応えないといけないですよね。
ーーあの場面で1年生の馬庭、石澤くんに託したのはどういう意図が
ハート強いって思ってるので。馬庭とかは大舞台も経験してますし。そのうち投げさせないといけないなとは思っていたので、その点に関しては良かったです。
ーー馬庭くんのピッチングをみてどうだったか
本当に堂々としてましたよね。楽しそうに投げてたと思います。
ーー明日に向けて
明日勝たないと終わってしまうので、一戦一戦勝ちを積み重ねていかないといけないと思っています。
ーー馬庭くんをどのように起用していくイメージか
当然先発をやらせたいですけど、そういう機会があれば。
ーー馬庭くんが想像以上に良くて、結果的に長いイニングを?
そうです。本当は1イニングぐらいでいいところを頼っちゃいましたよね。
ーー(馬庭くんに)勝ちをつけさせたかった?
もちろんそうです。負けをつけさせちゃったので、申し訳ないです馬庭には。
・馬庭優太
ーー今日のピッチングを振り返って
初登板というところもあって、自分の全力を尽くして投げたんですけど、最後タイブレーク12回で打たれてしまったので、そこは悪かったと思います。
ーー投げていて、手応えがあった球は
ストレートもなんですけど、スライダーで左バッターのタイミングを外すことができたので、投げていて1番の収穫だったかなと思いました。
ーー大学に来てからの変化は
大学野球はレベルが高いと思っていたので、ストレートの質を求めて、フォームは変えずにストレートの速さよりも球の強さを求めて練習しています。
ーー上級生が守備で頑張っていて、ガッツポーズしていたが
先輩方がいい守備をしてくださって、あの守備がなかったら点を取られていたと思うので、そういう部分で助けられました。
ーー神宮のマウンドと甲子園のマウンドは違うか
投げてる感覚はあまり変わらないかなと思いました。
ーータイブレークは甲子園を思い出したか
そこまで考える余裕がなくて、1回1回を抑えるっていう気持ちだけでいきました。
ーー最初マウンドに上がった時に、青学大3番の小田くんは大学屈指のバッターだが、マウンドに上がった時の気持ちは
どのバッターにも全力で投げるっていうのを目標にやっているので、小田さんがすごいバッターっていうのは知っていたんですけど、そこを一球一球抑えるっていう気持ちでいきました。
ーー今日の試合で成長につながった部分は
ピンチの場面でマウンドに上げさせてもらったので嬉しいです。抑えることはできなかったんですけど10回、11回は抑えることができて自分の中では成長かなと思いました。
ーーこれからの4年間でどんなピッチャーに成長していきたいか
もっとストレートの球の速さや質を求めて、コントロールのいいピッチャーになりたいなと思います。
ーー甲子園の経験が生きてるなと思う部分は
どんなピンチでも投げ切れる能力は少しはついたのかなと思いました。
ーーどんなピッチャーになりたいか
どんな場面でも任せられる、信頼されるピッチャーです。
ーーピンチだと燃える部分はあるか
初登板ですし、神宮でも初めて投げるので、そういうところですごく燃えました。
ーー緊張感はあったか
緊張はあまりなくて、やるだけだと思いました。
ーー青学の打者と対峙したときに、怖さはまったく感じなかったですか
怖さはあったんですけど、そういうところで負けてしまったら打たれるなと思ったので、強い気持ちで行きました。
TEXT/PHOTO=福田和奏