Article

記事


2025.05.08
少林寺拳法

[少林寺拳法]少林寺拳法関東学生大会 加藤拳士・荒木拳士組演武3位入賞!主将西山の団体演武への思い

第62回少林寺拳法関東学生大会

5月4日(日) 日本武道館


◆本選入賞

単独緑帯白帯の部

小山 颯太(文2) 259点 3位入賞✨


男子緑帯白帯の部

荒木 太朗(法2)・加藤 公仁(法2) 252点 3位入賞✨


◆本戦出場

女子単独有段の部

塩田 真生(社3) 256点 本選9位

平井 里奈(法3) 251点 本選12位


◆出場

男子単独有段の部

橋本 智也(営3) 


団体の部

加藤 公仁・小山 颯太・塩田 真生・西山 怜(社4)・平井 里奈・橋本 智也



 少林寺拳法の組演武は1構成から6構成で構成された動きを1分30秒〜2分以内に行う演武である。2人1組の組手で行い6構成間で後者と守者の立場を互いに交換しながら技を披露する。実際に突きや蹴りを本気で当てるという動きは、お互いの信用があってこそ成り立つものであり、その信頼関係は一朝一夕で築き上げられるのものではない。


 今大会東洋大唯一の組演武として、白帯緑帯の部に出場した加藤・荒木組は予選から好成績を収め、本戦3位の入賞を果たした。「力のコントロールの面で成長した」と語る加藤は、今大会で足刀蹴りに挑戦。わずかな力のコントロールの差でバランスが変わってしまうという難しい足刀蹴だが、本選では力強く伸びた蹴りで今回の演武の1番の見せ場に。加藤と組んだ荒木は、「今の自分の実力は出し切った」と笑顔をこぼす。「体を大袈裟に使う部分は他大学にも引けを取らない」と自身の長所を認識しつつも、突きや蹴り、構成間の運び方などについてはまだ足りない部分があると自負した。

 真剣な眼差しの加藤

 中段への突き攻撃を誘う荒木

 インタビューを通し、堅実で真面目な加藤と目標に素直にまっすぐな荒木は決して似ても似つかない2人ではあった。しかし彼らの見せる演武のコンビネーションはピカイチ。今大会で目指していたメダルに手が届いた2人は、次大会では、さらに高みを目指すべく日々修練に臨む。

メダルと賞状を手に喜びを個性豊かに表現

(左:加藤 中央:荒木 右:小山)


 団体演武とは6人または8人で行う演武であり、1構成と6構成では単独演武、2構成から4構成で組演武で展開され、息の揃った動きで演武を行う。単独や組演武よりも多くの人数で行う演武は迫力満点であり、バリエーション豊かな配置や演武は大学ごとに特色が出やすいことが特徴である。

 今年初挑戦となる団体の部には、主将西山を筆頭に、加藤・小山・塩田・平井・橋本の6人の拳士が登場。今大会の最終演武である団体の部は武道館アリーナの中央2コートで展開され、各大学の張り詰めるような緊張感に会場中が注目。

 (左から 加藤・塩田・小山・平井・西山・橋本)

 全体の8番目での出場となった東洋大。本番に向けて準備をするネクストコーナーでは、演武の確認後、6人で円陣を組み士気を高める。西山の「礼!」の合図とともに始まった団体演武は、動きの揃った1構成の天地拳第二系を終えると組演武へ。構成の途中で組演武の相手を変えるパフォーマンスなど、こだわりの組演武を展開し、最後は橋本を頂点に逆三角形の形態で、龍王拳第一系を披露。結果は振るわなかったものの、団体演武を通し橋本は「チームの力や東洋大の統一感と団体演武の締まりが出ました。」と、チームの力を改めて実感した。

 昨年から主将を務める西山は、今大会団体演武にのみ出場。「色々やりたかったが団体しかできなかった。」と今大会への悔いをこぼすも「(団体演武が)意外と楽しかった。初めての挑戦だったが、やりきれたかなと思う。」と安どの表情で演武を振り返る。また、「(他の強豪大学の入場場面を振り返って)団体は、背中で強さが分かる。感覚的にはなってしまうがその強さを目指したい」と、団体の次なる目標を語った。

 左腕の銀袖章は主将の証

 東洋大少林寺拳法部の最大の特徴は、部員同士仲の良さである。演武前の入場シーンでは、周りの騒音に負けないほど大きい「東洋ファイト!」の声が応援席聞こえ、同じラウンド別コートの出場する選手も、仲間が出場するコートへ応援のまなざしを向ける。

 そんな部員全員が仲間を思いあえるアットホームな雰囲気は東洋大の強みである。最高学年である4年生が1名という状況下でも部活としてのまとまりを保ち、「やる時はやる」を全員がモットーに活動できるのは、ユーモアと部活に対する真摯さ、そして後輩思いの優しさを兼ね備えた主将西山の人望あってこそ。主将2年目を迎える西山は「雰囲気の良さは変えず、練習などは強い大学の真似をしながらもっと(東洋大白山を)強い部活にしていきたい」と新たな目標を語った。

 次の大会は7月13日(日)に開催される少林寺拳法東京都大会。今年創立60周年を迎える東洋大少林寺拳法部の新たな挑戦は、これからも続く。

■コメント

・西山 怜(社4)

ーー本戦振り返って

はい、本戦自分は団体戦だけ出ました。自分のの中ではすごい色々あって、本当に団体組もやりたかった中で団体しか出来なかったんですけども、初めての挑戦っていうこともありつつも、やりきれたかなと思ってます。


ーー今年の目標は

自分の今年の目標は、まずやっぱりもっと技術を習得するっていうところ。アバウトなところになっちゃうんですけど、基本を増やしたり、道院行ったりして、もっともっと後輩に教えれるような、先輩になれるよう頑張りたいと思います。


ーー逆に主将として今年のチームの目標を立てるとしたらどんなことを目指していきたいですか

1つは鍛練日本一を目指したいと思ってます(笑)ちゃんとした目標としては、組織としてちゃんと結束して、全日本の中で、個人の目標は本選行ったことないので本選行きたいっていうのと、部活の目標としては、みんな本選行けるっていうところ目標にするのと、入賞者を全日本でもっともっと増やしていきたいと思ってます。


ーー去年から主将をやっていますが、今年主将としては何か変えていきたい像とかありますか

雰囲気の良さとかそういうところは変えないでいって、練習中もっと強くなるために強い大学のところを真似して、難しいですけれども、そういう強い部活にしていきたいなってところ。そのためのメリハリだったり、自分が教えれるようになるっていうところを、もっともっとみんなが教えれるようにするっていうところ、進歩させてみんなが上手になれる環境を作りたいと思います。


ーーご自身の見せ場は

受けで止まる瞬間、0.100(ゼロヒャク)はさっきの演武を振り返ってもできていたので、そういうところの緩急はもっとつけたいし、自分の見せ場だと思います。


ーー団体演武と普通演武違うと思うんですけども、団体演武から得られたことって何かありますか

団体演武でまず背中で本当に強い弱いっていうのが分かるって実際に感じたので、感覚的にはなっちゃうんですけども、その強さを本当に目指していきたいっていうところですね。団体初めてやって思ったのが、意外と楽しい。1人2人の演武の時は、緊張感とかすごいピリピリした中でやる事が多かったんだけれども、みんなでやるっていう雰囲気の良さ。そういうところが何か楽しくやりつつ、ちゃんとやりつつっていうという感じでした。


ーーこれから大会がまだ夏も続いてくと思うんですけど、チームの主将/意気込み個人としてお願いします。

50年くらい東洋大学で優勝した選手がいないので、今度は優勝っていうところを目指し、優勝できる選手を育てていくっていうところを目指していきたいです。個人としては全日本のところ見据えて、本選に出て終われるようにしたいなと思ってます。


・加藤 公仁(法2)

ーー本選を振り返って

全力は出せたかなと思います。入場の時にお互いちょっとミスがあって。礼をするのを相方(荒木)が忘れて、その忘れたのに自分が合わせられなかったのが、臨機応変さが少し足りなかったかなと思います。でも、それをしっかり忘れて演技にいけたので、ここは高評価だと思います。


ーー自身の演技の一番の見せ所はどこですか

6構成の足刀蹴りですね。足刀蹴りはやっぱり力を入れない変な形になっちゃうし、逆に力を入れると自分が固まって反動で飛んじゃったりして崩れちゃうので、力を抜きすぎず入れすぎず、今回はちゃんとできたかなと思います。


ーー今回の演技の中で、もっと改善していきたい点や自身の動きでもっとこうしていきたいとかありますか

拳の引きが甘かったように思います。拳の引きが甘い小さい演技に見えちゃうので、次はもっと大きく拳を引けるように頑張ります。


ーー今回団体も初挑戦だったと思うんですけど、団体やってみていかがでしたか

自分たちがまず全力を出せたっていうのが良かったのと、改めて他の学校のレベルの高さを知れたので、そこも良かったかなと思います。


ーー普段の演技の練習とは違った練習になっていくと思うんですけど、団体を通してチームの雰囲気とかってどう感じましたか

普段と変わらなかったと思います。やる時はしっかりやるし、ゆるくする時はゆるくする、がうちのやり方なので、それが通常の練習でも団体でも変わらなかったかなと思います。


ーー今年から後輩が入ってきましたが、どんな先輩になりたいですか

教えるのが下手だし、技術とかもあんまり言葉で伝えるのが苦手なので、言葉で言えれば自分の態度とか、背中を見せていくような人になればいいかなと思います。


・荒木 太朗(法2)

ーー本戦振り返っていかがですか

本番振り返ってみて、今の自分の実力は出し切れたと思うんですけど、やっぱりこうすれば良かったなって言う点はあります。


ーー具体的には

構成の運びだったり、単純な突き蹴り。日頃の練習の部分で他大学と比べてみて、足りてないなって部分も感じましたし、ここは優(まさ)っているなって部分も感じたので、そこは伸ばして行ければなって思ってます。


ーー磨かれてる部分っていうのは、自分の長所になると思うんですけど、自身の今回の演技の見せ場は

体の返し、上半身をしっかり動かす、体を大袈裟に使うっていう部分に関しては、際立たせられたかなと思ってます。


ーー今年から1年生入ってきて、先輩として色々指導していかないといけないと思うのですが、自身はどういう先輩になっていきたいですか

具体的に言葉が思い浮かばないんですが、、。かっこいい先輩もいいと思うんですけど、自分が目指すのは、行き詰まった時、技術や生活で行き詰まった時に、ちょっと頼りにされるぐらいにはなりたいと思ってます。


ーー怪我もあってなかなか練習全部参加できなかったと思うんですけど、いかがでしたか

怪我で休んだ分、みんなが頑張ってくれて申し訳ないなって思う反面、チーム感が感じられたので、それは少し嬉しかったです。


ーー加藤君と演武する点で、2人の関係は。

完全に加藤に面倒を見てもらいましたって感じですね。本当にこれから面倒を見てもらいたいと思います(笑)


ーー具体的には

日頃の練習から目標だけあって、その過程どうしていくかみたいなのがまだ思い浮かべてなかったんですが、加藤が色々デザインしてくれたお陰で、今回出し切れたと思うので。そういう面に関してはこれからも頼っていこうかなと感じてます。


ーー今年の目標お願いします。

優勝します!


TEXT=森花菜/PHOT=森花菜・鈴木真央