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2015.10.18
硬式野球

[硬式野球]3連敗で土俵際 逆転Vへメンバー全員思いは一つ

平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・拓大1回戦

10月17日(土)東洋大グラウンド

東洋大1-4拓大

(イニングスコア)

1回戦

拓大

東洋大

(東洋大)

●原(5勝3敗)、片山翔―後藤田、西川元


打順                     

守備

名前

(遊)

阿部(営3=帝京)

(右)

安西(営3=聖光学院)


打右

小笠原(営4=大社)

(指)

中川(法1=PL学園)

(中)

笹川(営3=浦和学院)


竹原(法1=二松学舎大付)

(三)

田中将(営2=帝京)

(二)

林(営4=桐生一)


上島(営3=佐久長聖)

(一)

原澤(営2=前橋工)

(左)

茶谷(営3=東北)

(捕)

後藤田(営4=東洋大姫路)


西川元(営2=浦和学院)




29


名前

●原(営4=東洋大姫路)

25

片山翔(法2=大社)

10




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シュートを狙い打たれ、適時打を許した。(捕手・後藤田)。


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前カードでただ一人気を吐いた中川も、初回の1安打のみに終わる。


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五回からマスクを被った西川元のバットは空を切った。


 優勝がかかった最終週、第1Rは1対4で敗戦。2回に茶谷(営3=東北)の犠飛で先制。副将・林(営4=桐生一)が頭から本塁に飛び込む気迫を見せたが、その1点止まり。エース・原(営4=東洋大姫路)が中盤につかまり逆転負けを喫した。拓大に王手をかけられ、逆転優勝への道は2連勝のみに絞られた。


 崖っぷちに追い込まれた。勝ち点を取った方が2部優勝となる直接対決。「(前日の雨で)マウンドがゆるくなっていて、踏み出した足を滑らせていた。初回からいやだなぁと思っていた」という高橋監督の予感が的中。先発・原が一回り目こそ完璧に抑えたものの、中盤立て続けに失点を許した。「腕が出てこないから、体が開いてシュートもコースに決まらなかった」と指揮官。エースがつかまり、打線も粘り強く投げる相手エースから1点しか奪えず完敗。「やられるようにやられた。相手の方が優勝したいという気持ちが強かったということ」と肩を落とした。

 思わぬエースの不調だった。「全然体が動いていなかった」と原。先頭打者にいきなり3ボールを与えるなど、本来の姿はなかった。好投に見えてこれまでも調子の悪い日はあったが、自分で試合中に悪い点を分析し抜群の対応力でカバーしてきた。そんな原でも修正が効かないほど、今日は悪かった。加えて、知将・内田俊雄監督の研究に基づく徹底した攻撃に苦しめられた。これまでよりヒジが下がり球の切れが落ちていたとはいえ、決め球の低めのスライダー、フォークをことごとく見切られ、得意とする右打者へのシュートも狙われ勝ち越しの適時打を打たれた。そして、甘く入った高めの直球は1年生・野村に左翼席へ完璧に運ばれた。今季最多の4失点。大一番で初戦をものにすることができなかった。

 「最後の最後に調子を維持できなかったことが悔しい。正直、なんでもう1、2試合耐え切れなかったんやって思う」。

 しかし、誰よりもチームを引っ張ってきたエースのうつむく背中に、何も感じない者などいない。センターラインの阿部健(営3=帝京)が「本当にピッチャーに助けてもらったリーグ戦なので、最後くらいはなんとか野手で勝ちたい」と話せば、原とは1学年後輩ながら非常に仲の良い笹川は「原さんをもう一回投げさせられるように頑張りたい」と意気込んだ。「こっちは開き直ってやるしかない。元々3連勝するしかなかったんだから」と指揮官。前週で拓大が東農大に敗れたため、1敗してもまだチャンスが残っている。最後に原。「ただただ明日、明後日気持ちで投げ抜くしかない」。このままでは、終われない。

 

■コメント

・高橋監督

原は初回から調子が悪かった。ここまで要所要所を抑えてきたけど、今日はコースに決まらなかった。キャプテンの重圧に負けてしまっている。やられるようにやられたよ。相手投手はマークしていたけどやっぱり良い。チェンジアップ放ったり、インコース突いてきたり、勝負所を知っている。さすが明徳(義塾)で野球をやってきている。今日は仕方ない。柳に風じゃないけど、こっちは開き直ってやるしかない。元々3連勝するつもりだったんだから。明日も4点くらいがメド。うちが先に4点取らないと。

・原(営4=東洋大姫路)

今日はバランスが悪かった。体が動いていなくて、思うような投球ができなかった。ここにきて体力的に今日は一番きつかった。夏から調子が上がらなくても投げ込んで上げてきて、最後まで調子を維持できなかったことが悔しい。正直、なんでもう1、2試合耐え切れなかったんやって思う。自分自身にがっかり。(イニングの)先頭打者に四球とかも今までなかった。もう一度は入りをしっかり意識したい。明日明後日、ただただ気持ちで投げ抜くしかない。

 ・林(営4=桐生一)

完敗。野手がまたもう一押しできなかった。悔しい。笹川がいい当たりを打ちながらも取られた。感じは悪くなく、いい当たりだったので、それが抜けてくれればというところがあった。中川も当たっていたし、もう一押しという感じ。最終回にいい形でチャンスが作れたので、点を取られた直後にそういった攻撃をやっていければ、もっとチャンスはある。東農大が負けていれば、1敗した時点で終わりだった。もらったチャンス、まだ1敗してもチャンスはある。2タテすることはできなかったが、この1敗を無駄にしないように。明日勝たないと明後日もないので、何としても勝ちたい。(あと一本が出ない)今シーズンに限らず、自分の現役中はずっとそう。一試合というよりもあの一球が、というところで後悔してきた。明日で最後にならないように、一球の後悔をなくしていけば、勝つチャンスはある。一球に集中してやっていきたい。捨て身の覚悟で、びびってもしょうがない。

・後藤田(営4=東洋大姫路)

完敗だった。(本塁打を打たれた場面は)ゲッツーを取れなかった。ゲッツー崩れで残したランナーは点につながりやすい。外したり、けん制を入れるとかしていれば結果は変わっていた。もう少し策を取れなかったのかなと思う。本来ならば農大が負けていれば終わっていた。今日の敗戦は受け止めなきゃいけないが、明日に切り替えていく。明日負けたら終わりなので、思い切りいきたい。みんなプレッシャーはかかると思うが思い切りやるしかない。

 ・小笠原(営4=大社)

今日は何にもできなかったので、とにかく明日頑張るだけです。

 ・冨澤(営4・愛工大名電)

一番は自分が試合に出ないというのが悔しい。序盤にいい感じで点が取れたが、逆転されてからは流れが向こうにいった。みんなでつないでいこうとするバッティングはできなかった。逆転されたあとにどう戦うかというのが優勝するためには必要。ただの最終カードではない。自分たち4年生にとっては最終カードだけど、優勝がかかっているので、最後に優勝して終わりたい。自分の力でチームを勝たせることができるなら、それが一番いい。今週、すごくいい形で練習ができていたので、今日負けたのは悔しい。いい雰囲気でやっていたので、正直今日は勝てると思っていた。負けたことはしょうがないので、切り替えて明日勝つしかない。

 ・城之内学生コーチ(法4=東京学館)

エースが打たれたのでみんな精神的に辛いと思う。最後まで試合を頑張って諦めずに声を出したのでこの負けが明日につながる。明日も頑張る。

 ・阿部健(営3=帝京)

ここまで来たら結果が全てだと思うので、勝てなかったことが悔しい。(明日に向けて)各自ができることをやるだけ。本当にピッチャーに助けてもらったリーグ戦なので、最後くらいはなんとか野手で勝ちたい。今日2本打てたというのは明日にもつながる。

 ・笹川(営3=浦和学院)

打線が頑張れなかったというのが今日の試合の敗因。今の状況は、打ててなくはないので、しっかり大事なところでヒットや打点をつけるように明日はもっと集中してやりたい。(明日に向けて)原さんをもう一回投げさせられるように自分を中心にしっかり頑張りたい。このまま明日も4番だと思うんですが、しっかりこの打順の意味を考えて“いきたい”じゃダメなので、しっかりと結果で応えたいと思います。

 ・茶谷(営3=東北)

優勝がかかってるという大事な試合で、初戦を落としたというのは痛い。(犠牲フライでの1点について)あの場面点がほしいという中で、自分は初球打とうという気持ちがあったんですが、それが崩された形でもっとちゃんと見極めていたら、もしかしたらあれが犠牲フライではなくてもっといい形でチャンスを広げられたかなと思います。最低限の仕事でしたが、気持ちいいというよりは不甲斐ない成績だったなと思います。(明日に向けて)絶対に負けられないという中でやらなきゃならないので、負けてしまったことをしっかり受け止めて、明日は明日でしっかりと対策練って勝てるようにやっていきたい。今日は良くなかったので、またチャンスが回ってくるようであれば次は絶対打つという気持ちで、もっと1点、一打席を大切にやっていきたいと思います。

 ・上島(営3=佐久長聖)

チャンスだったので初球からいこうと思っていたが、そこで振れなかった。駄目です。(ベンチは)盛り上がっていたが、点を取られてからは静かになってしまった。明日負けたら終わり。明日から2連勝していきたい。

 ・久保(営3=桐蔭学園)

序盤はチャンスを作れて、アウトでもいい当たりが出ていたが、あと一本が出なかった。監督からは今日はもうしょうがないから切り替えようと。明日しっかりやって3戦目にいこうと話があった。明日は自分がスタメンだと言われた。自分の仕事を果たして、チームの勝利に貢献できるようにしたい。

 ・鳥居(営3=愛工大名電)

ピッチャーが打たれてしまった場面で援護することが出来なかった。前半は点が取れていたが、後半につなぐことが出来なかった。明日のグラウンドは土でバウンドの方向が変わってしまうし、ゴロなどでミスが出ないようにしたい。明日の試合は負けたら終わりなので絶対勝つという気持ちで臨みたい。

 ・田中将(営2=帝京)

チームのバッティングの調子はいいと思ってました。ここひと伸びというか、どこか捉えきれてない部分があって、そういうのが中盤まで続いて、終盤まで若干焦りが出て悪いボールを打ってしまっていました。自分自身も、芯で捉えていたんですが正面に飛んだりして、どこか変えなきゃいけない変えなきゃいけないとばかり考えてて、それの方法を見つけられずに終盤まできてしまったなあと思いました。結果を求めすぎて振り切れてない部分があって、そういうところが正面に出てしまってると思うので、やっぱり練習でしっかり振り切って自分のスイングをするというのを考えて、今から練習すれば明日勝てると思うのでやっていきます。

 ・原澤(営2=前橋工)

二回に先制して、そこから点を取れずに負けてしまった。チーム状況は変わっていない。一打席目は良かったが、相手投手にやられてしまった。最後の打席、いい場面に回ってきたのに打ち損じてしまった。第3戦目にチャンスがあればリベンジしていきたいと思う。

 ・片山翔(法2=大社)

楽しく投げようと思ってマウンドに上がって、いつも通りのピッチングができたと思う。いつも自分が投げるときは西川元に受けてもらっているので、投げやすかった。(七回は三人で抑えたが)野球は流れが重要。そうやってピッチャーが試合を作らないといけない。(次の登板では)今日と同じように打たせて取ってリズムを作ってチームが勝てるようにしたい。

 ・西川元(営2=浦和学院)

いつでもいける準備はしていた。片山の時は真っ直ぐ中心でスライダーを組み合わせていこうと思っていた。特別調子がいい訳でもなかったが、いつも通り投げてくれた。(3回を無失点に抑えたが)真っ直ぐでしっかりカウントが取れて、右打者の決め球にしっかりフォークが使えた。それが良かったと思う。空振りを取れる時もあるので、精度は上がってきた。(片山は)気持ちの強い選手だと思う。負けず嫌いで練習にも真面目に取り組んでいる。マウンドに立った時は抑えようという気持ちが強い。(原が打たれた本塁打は)少し抜け気味に球が入ってきてしまった。打たれた瞬間入ったと思った。連勝すれば優勝なので、それに向かって頑張っていきたい。

 ・木暮(営2=浦和学院)

チャンスは作れていたんですけど一本が出なくて、相手のピッチャーにやられた。練習でバット振り込んで明日結果残せるように頑張ります。

 ・中川(法1=PL学園)

先制点が取れたのは良かったが、もう一点が取れなかった。打線としては元気なく終わってしまったかなと。自分は一打席目のヒットのみで終わってしまった。明日以降のゲームは集中力を高めて臨みたい。勝つしかないので、全打席打つつもりで三戦目まで行けるように引き締めたい。

 ・竹原(法1=二松学舎大付)

先制点を取って、そこから点数を取れないことが何度かあった。今日はそれをしないようにしていたができなかった。先制点取って油断してしまったと思う。相手にテンポよく先頭打者を打ち取られ、全体的にも打たされてしまった。逆転されてからは相手の思うつぼにはまってしまった。負けたら優勝がなくなる。対策を練っていきたい。自分が出るとしたら足を求められている。代走でも、打席に立った場合でも、足を生かした攻撃をしていきたい。

 ・甲斐野(営1=東洋大姫路)

原さんがああいう形で打たれてしまったんですけど、野手のみんながカバーをしっかりできたら原さんもしっかり投げれるだろうし、明日はチーム一丸となって勝ちにこだわっていってほしい。早い段階早い段階で野手の方に点を取っていただいて、ピッチャーも楽に投げるって形で勝つというのがいいと思う。

 

 

TEXT=浜浦日向 PHOTO=青池藤吾、星川莉那、伊藤梨妃