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第104回関東学生陸上競技対校選手権大会
相模原ギオンスタジアム
2025年5月8日(木)~11日(日)
男子1部4×100mリレー予選 2組/3着+2
1組2着 東洋大学 39"28 Q
1走 成島陽紀
2走 栁田大輝
3走 庭山晴希
4走 大石凌功
男子4×100mリレー
2位 東洋大学 39"15
1走 成島陽紀
2走 栁田大輝
3走 庭山晴希
4走 大石凌功
5月8日(木)~11日(日)にかけて相模原ギオンスタジアムで第104回関東学生陸上競技対校選手権大会(以下、関東インカレ)が行われた。学校対抗で戦うこの大会の4×100mリレー(以下、4継)で東洋大は2位入賞。目指した優勝にはわずかに届かなかった。
初日に予選、2日目に決勝が行われた男子1部4×100mリレー。東洋大は予選・決勝ともに1走・成島陽紀、2走・栁田大輝、3走・庭山晴希、4走・大石凌功のオーダーで挑んだ。
予選は2レーンでの出走となり、日大に先行されたものの2着でゴール。着順での決勝進出を決め、翌日へと向かった。
翌日の決勝。張りつめた緊張感の中、日の落ちた相模原ギオンスタジアムで鉄紺をまとった4名がスタートラインに立った。
「レース前は同じ目標を見ていた。我ながらいい4継チームだなと思っていた」。37秒台の学生新記録で優勝という変わらない目標を掲げたチームは、主将の栁田大を筆頭にレースを迎えた。
ピストルが鳴り、得意のスタートで成島が飛び出すと、2走の栁田も圧倒的なスピードでトップをキープ。3走庭山も逃げ、日大、中大、早大と並ぶようにしてアンカー大石凌へ。
アンカーに託された勝負の行方。東洋大の最終走者、大石凌は昨年と同じような状況に立たされた。
昨年9月に行われた日本インカレでもアンカー勝負となった4継決勝。その時も4走を任されていた大石凌だったが、優勝には0.02秒届かず、2位という結果に終わった。
「その(バトンをもらった)瞬間のフラッシュバックと、ゴールで前に行かれたときのあの瞬間がよみがえって」。悔しさに顔をゆがませた光景が思い出されるなか、大石凌は懸命にゴールを目指した。
しかし、無念にも1番にゴールに飛び込んだのは中大。大石凌は続く2位でのフィニッシュとなった。
「悔しいというよりは悲しいですかね。この1年間やってきたことが報われなかったというか、最後に同じようなことを引き起こしてしまったので」。
悔しさを晴らすべく、着実に力をつけてきた。前々週の学生個人選手権では日本一に輝き、今大会でも100mで3位。強くなったことは証明済みだ。それでも大石凌は「勝てていない時点で弱いということ」と自責の言葉を紡ぐ。
全員が個人種目で決勝に残る圧倒的な実力を持った4継チーム。間違いなく最強のチームだった。100mにも出場した成島、栁田、大石凌は前日と合わせて5本目のレースとなったが、それを言い訳にするメンバーはいない。「負けは負け」と全員が結果に向き合い、リベンジを誓った。
表彰を受ける4継メンバー
「絶対強い4継チームのはずなのに勝てない」。栁田大は悔しさとともにチームの実力への絶対的自信も口にする。
彼らの努力が報われる時はきっと来る。1か月後、東洋大4継チームはリベンジをかけて岡山で行われる日本インカレへ向かう。次こそ、表彰台の頂上に昇るのは鉄紺であるはずだ。
■成島陽紀
ーーレースを振り返って
4継の方は予選は2レーンで少し走りづらかった点もあるので日大に先行されていい結果ではなかったんですけど、決勝に前に少し自分の脚が痛くなってしまって、ダッシュもできないくらい痛かったんですけど、決勝の舞台に立ったら4年生の意地で1位で渡そうという気持ちで同期の栁田にしっかり1位で渡すことができたかなと思います。
ーー今年は3走ではなくて1走
自分がすごくスタートが得意というのがあって。去年は3走がいなくて、代わりがいないということで自分はあまりけがをしないので3走だったんですけど、今年は庭山や他のメンバーでしっかり走れる選手がいたので今年は自分が1走にまわってしっかり走りました。
ーーチームとしては2位となったが
去年の日本インカレで2位となって、ものすごく悔しい中でずっと練習してきて、その悔しさは忘れることがないくらい悔しかったんですけど、今大会でも1位をずっと狙っていて、その中で2位という結果はなにも言葉に表せないくらい悔しくて。また日本インカレがあるので、そこでしっかり1位を狙って、学生記録も立てていきたいなと思います。
■栁田大輝
ーーレースを振り返って
なんか勝てない。100mは3人決勝に行ったり、絶対強い4継チームのはずなのに勝てないのは、バトンのせいなのかわからないですけど。次は負けないようにやっていけばいいのかなと思います。
ーー3人が5本目という疲労もあったか
疲労はもちろんあったと思うんですけど、それはどこのチームも同じ条件で。同じように100mに出ていて、4継の決勝が5本目だった選手も絶対数多くいるので、それを言っていたら負け惜しみにしかならないので、次こそは勝ちたいなと思います。
ーーレース前、レース後にメンバーとはどのような話をしたか
レース前は同じ目標を見ていたので、我ながらいい4継チームだなと思っていましたし、終わってからもちょっと悔しがりはしましたけど、すぐ次に向けて切り替えることができていたのかなと思います。
ーー同じ目標というのは優勝?
そうですね。ずっと優勝と学生記録というのをずっと目標にして向かっているので。走る4人が間違いなく同じことを思っていたはずなので、そこはチームとして同じ目標に向かえているというのはいいことなのかなと思います。
◼︎庭山晴希
ーー試合を振り返って
今回が大学で初めてのインカレで、初日と2日目に4継に出場させていただいて、大学初のリレーということで緊張とかがありました。
ーー試合を迎えるにあたってのコンディションはいかがでしたか
初めての関カレでめちゃめちゃわくわくして、心身ともにいい感じで迎えられたので良かったです。
■大石凌功
ーーレースを振り返って
自分の走りを通してよくなかったなという印象で、向かい風で苦手なコンディションではあったんですけど、やっぱりそこは全員同じ状況で走っているのでそこは言い訳にはできないですし、単純に自分の力不足というのと、5本目であろうと負けは負けなので、そこのリカバリー能力が追いついてなかったなと思います。
ーー今年も4走となって、アンカー対決となったときに昨年の日本インカレを思い出す部分はあったか
昨年の日本インカレではバトンをもらったところで後ろが近いなというのは感じて走っていたんですけど、今回もバトンをもらったときには横に他の大学が2、3チーム並んでいたので、その瞬間のフラッシュバックと、ゴールで前に行かれたときのあの瞬間がよみがえって。気持ちとしては悔しいというよりは悲しいですかね。この1年間やってきたことが報われなかったというか、最後に同じようなことを引き起こしてしまったので、悔しいというより悲しいという思いが先に来ました。
ーー学生個人や今回の100mのレースで自身がつけてきた力は証明していると思うが
そうですね、やっぱりアンカー勝負となればアンカーの走力で順位が決することになりますし、そこは100mの力がついていようが勝てていない時点で弱いということだと思います。いくら日本一になったとはいえ、その勝負に負けている時点でまだまだだなというのはあります。
ーー2度悔しい結果が続いているが、またアンカーでリベンジしたいという気持ちはあるか
次の日本インカレは1か月後に迫っていて、そこでリベンジはしようと思っています。今回は関東インカレですが次は日本インカレということで、日本インカレの借りは日本インカレでしか晴らせないと思っているので、昨年の借りを返しに岡山に向かいたいと思います。
ーー次への目標
まずリレーとしては日本インカレで去年も目標にしていた37秒台の学生新記録で優勝するというのと、個人種目はタイムとしては10秒0台を公認で出すということ、7月のユニバーシアードでしっかり決勝に残って優勝するということを目標にやっていきたいと思います。
TEXT=近藤結希