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「ようやく、その年が来た」。今年の東洋大女子長距離部門を率いる中才茉子(食4=筑紫女学園) は、強いまなざしでそう口にした。
1年次から鉄紺女子の主力として活躍してきた中才が、ラストイヤーを迎えている。東洋大に入学後、1年次の全日本大学女子駅伝からエース区間に抜てき。鉄紺を背負ってきた、まさに東洋大学女子長距離部門の「エース」が最終学年となる今年、主将に就任した。
チームを率いる覚悟はずっと前からできていた。「自分が主将として走りでも姿でも引っ張りたいという思いは下級生の時からあった。ようやく、その年がきた」。これまでも主軸として戦ってきた中才。ラストイヤーは主将として、チームを先頭で引っ張る。
しかし昨年の夏以降、中才に逆境が立ちはだかっている。「今まで以上に引っ張りたいという思いもあるけど、それがうまくかみ合わない」。思いとは裏腹にけがに悩まされ、苦しい時間が続いている。
それでも、1番の目標は秋以降の駅伝シーズン。「エース区間でチームのために戦う」ため、立て直しを図る。
今年のチームが掲げる目標は全日本大学女子駅伝での入賞だ。掲げ続けてきたこの目標だが、2016年の入賞を最後に、あと一歩届かない年が続いている。9年ぶりの入賞へ向けて、チームはこれで以上に士気を高めている。
「今までのチームとは違うくらい、気持ちだけはずっと強く持てている」。今は思い通りにいかないチーム状況の中だが、気持ちは途切れていない。強い決意で悲願の全日本大学女子駅伝入賞へ。エース・中才茉子が今年の鉄紺女子を率いる。
■中才茉子
ーー主将になってから
4年生になったときに、自分が主将として走りでも姿でも引っ張りたいという思いは下級生の時からあって、ようやくその年が来ました。でもけがなどで思うようにはいかなくて、後輩の勢いなどに助けてもらっている状況です。
今まで1年生の時からいろいろ試合にも出させてもらって、チームを引っ張ってきたから、今まで以上に引っ張りたいという思いもあるんですけど、けがなどでそれがうまくかみ合わなくて、苦しい時期もあります。でも、1番の目標は駅伝で入賞することが自分たちの目標でもあるので、今はうまくいかないこともあるんですけど、最後は主将としてちゃんとチームを引っ張っていきたいと思っています。
ーーチームとして掲げる目標は
去年の全日本大学駅伝が終わってから、来年はここで入賞しようって私たちの学年でずっと言ってきているので、そこが1番の目標です。
ーー今のチーム状況は
本来、引っ張っていかないといけない4年生がうまく引っ張れなくて、みんなそれぞれ抱えていることもあって試合の結果としては出てはいないんですけど、気持ちは絶対このチームで入賞すると、今までのチームとは違うくらい気持ちだけはずっと強く持てているので、そこを4年生がもう一度立て直して、後輩を引っ張っていけるように頑張りたいです。
ーー今年の個人としての目標
今年は前半、けがが長引いてしまっていいスタートを切れてはいないんですけど、今年は駅伝で自分が主将としても、エースとしても任された区間、エース区間でチームのために戦うというのが1番の目標です。
TEXT=近藤結希