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2025.05.23
硬式野球

[硬式野球] 新戦力、そして西川が躍動!来年を見据えたメンバーで粘勝し、勝ち点3へ王手!

[硬式野球] 東都大学野球 春季1部リーグ戦・中大1回戦

5月22日(木)明治神宮野球場

○東洋大7ー5中央大


中央大
東洋大


馬庭、南、谷、桝川、向髙ー熊谷、鈴木


・打者成績

打順守備名前打数安打得点打点
(遊)宮下朝陽(総4=北海)
(右)→中山内教輔(総2=東海大相模)
(一)井上陸(総1=木更津総合)

中村瑠斗(営3=拓大紅陵)
(三)池田彪我(営4=三重)

前髙翔太(営3=熊本工業)
(指)西川太基(営4=九州学院)
(左)→右冨安海来(営3=履正社)
(中)大城戸陸琥(総2=九州学院)

樫原晃樹(営3=済美)

山田隼(総3=木更津総合)
(捕)熊谷俊之介(総1=関東第一)

花田旭(総4=大阪桐蔭)

鈴木二知佳(済4=長崎日大)
(二)吉田元(営4=龍谷大平安)


30


・投手成績

勝敗名前回数球数被安打四死球三振失点自責点

馬庭優太(総1=大社)26
南恒誠(総2=大阪桐蔭)44

谷公希(総3=三重)22

桝川颯太(営3=関東第一)20

向髙滉人(営4=報徳学園)12

124


大学第1号となる3ラン本塁打を放った西川

今季初登板の南

初のスタメンマスクをかぶるルーキー・熊谷

今季初登板のサウスポー・桝川

公式戦で初先発投手を任されたルーキー・馬庭


春季リーグも最終節を迎えた。1部リーグ残留が決まった東洋大の対戦相手は中央大学。その第1回戦が明治神宮野球場にて行われた。ここまで4年生を中心として戦ってきた東洋大だが、今日の試合は1年生から3年生を中心としたオーダーに。今季初出場となる選手も多い中で、来年を見据えた1戦となった。試合は一時4点差となるも、西川(営4=九州学院)の3ラン本塁打などで逆転。7ー5で接戦を制した。


 先発バッテリーを任されたのはルーキーの馬庭(総1=大社)と熊谷(総1=関東第一)。初回、先頭打者にストレートの四球を与え、犠打そして2つ目の四球で1死一、二塁のピンチを招く。そして4番、5番に連続適時打を許し、初回から3失点と制球が定まらず、苦しい立ち上がりとなった。馬庭は初回で降板。悔しい初先発のマウンドとなった。


 その裏、2番・山内(総2=東海大相模)が初球から積極的にバットを振っていき、迎えた4球目。勢いよく振りぬいた白球はどんどん伸びていき右翼席へ。これが今季初本塁打となり、まずは1点を返すことに成功した。山内自身も打った瞬間確信の本塁打。「久しぶりに打てて素直にうれしい」とコメントした。


 馬庭に変わり二番手でマウンドに上がったのは井上監督が起用を望んでいた南(総2=大阪桐蔭)。二回は無失点に切り抜けるも、三回には連続四球と安打で無死満塁のピンチを招いた。1点もあげられない場面だが熊谷の捕逸で1点、さらに右翼への犠飛で1点。この回2点を追加され、1ー5。4点を追いかける厳しい展開となった。


 三回裏の攻撃。東洋大の打撃陣が反撃の狼煙をあげた。先頭の熊谷が左中間を破る二塁打を放つ。これが公式戦初安打となり、高々と拳を突き上げて喜びを露わにした。さらに吉田(営4=龍谷大平安)が中前安打で続き、無死一、三塁。この逃がせないチャンスで打席には宮下(総4=北海)。左翼線ギリギリに上手く運び、適時打で1点を追加した。この3連打に会場も一層盛り上がりを見せた。続く山内は三振を喫したが、なおも1死一、三塁と追加点のチャンス。ここで本日公式戦初出場の井上(総1=木更津総合)に打席が回る。ボール球を落ち着いて見極め、ストライクゾーンに投じられた球を迷うことなく振り抜いた。これが三遊間を破る適時打となり、スタメン起用に応える形となった。これで3ー5となり、ようやく中大の背中が見えてきた。

 その後2死一、二塁となり、打席には西川(営4=九州学院)。「いただいたチャンス。こういうチャンスは多くないと思うので、一打席一打席後悔しないように」と覚悟を持って打席に入った。そして4球目。直球をはじき返した白球を右翼席まで運び、3ラン本塁打。これが西川にとって大学第1号となり、笑顔でダイヤモンドを一周した。この猛攻で中大の先発・子安をマウンドから降ろした。そしてこの回一挙5得点とビッグイニングを形成。6ー5と逆転に成功した。


 その後継投に入った投手陣は3番手に谷(総3=三重)、4番手には今季初登板の桝川(営3=関東第一)がマウンドに上がった。桝川は2回を無失点に切って取り、貴重なサウスポーとして存在感を発揮した。


 追加点が欲しい東洋大は八回裏。途中出場の前髙(営3=熊本工業)が打席へ入る。すると2球目を捉え、中前安打。今季初安打を記録し、塁上で笑みをこぼした。さらに冨安(営3=履正社)が安打で出塁すると、盗塁も決め、1死二、三塁とした。そして山田(総3=木更津総合)の遊ゴロで前髙は一気にスタートをきり、本塁へ生還。これが貴重な追加点となり7ー5、中大を突き放した。


 最終回のマウンドには直近4試合無失点と安定した投球を続ける向髙(営4=報徳学園)が向かう。昨年大学日本代表に選ばれた繁永(中大)を遊ゴロに抑え、三者凡退。明日につながる投球で2点リードを守り切った。


 第1戦は新戦力が躍動し、来年へ貴重な収穫を得ることができた。明日の第2戦で勝利を収めることができれば、井上監督が何度も繰り返す「勝ち点3」を獲得することが可能だ。春季リーグを笑顔で締めくくることができるか。最終戦への期待は高まっている。


■コメント


・井上大監督

ーー勝ち点2で並ぶ中央大学にまず先勝したということで、いかがでしたか

朝学生に言ったのは、うちは上も下もないけども来季、来年に向けての試合だから、決してゆるむことがないようにという話はしました。


ーー西川くんを先発で起用されましたが、先を見据えて決めたという感じですか

はい、そうです。まだ就職も決まってないので(笑)。


ーー今日、このタイミングで西川くんにチャンスを与えたのは

西川の場合、経験はさせているので、さっきも言ったように就職が決まっていないのでという意味合いの方が強いです。


ーー見事にハマったわけですね

見に来てくれてるかどうかはわからないので、なんとも言えないんですけども。


ーー今日馬庭くんを先発で起用したのは日程のスライドで?

いえ、日大戦が終わったらすぐ馬庭でいくと言っていましたね。その割には不甲斐ないピッチングだったので一回で変えちゃいましたけど。


ーー先発でやらせてみたいのか

もちろんそうですね。



・西川太基

ーーどういう気持ちで打席に入ったか

頂いたチャンスだったので、こういうチャンスはもう多くないと思うので、しっかり一打席一打席後悔しないようにと思っていきました。


ーー逆転3ランを打った球は

真ん中の高めぐらいのストレートだと思います。


ーー大学1号?

そうです。


ーー感触は

ちょっと先だったんですけど、角度よく上がって、途中からはいったかなという感覚でした。


ーーどのような気持ちだったか

驚いたというか、「わ、入るんだ」という感じでした。そこからは結構嬉しかったです。


ーー就職という話もありましたが、希望のところは

社会人野球です。


ーー5番は初めて?

そうです。


ーースタメンを伝えられて、どう感じたか

ずっと1、2、3年の時からチャンスは頂いていて、自分があまり結果を出せなかったので、最後じゃないですけど、ここを逃したら次はないなという思いでいきました。


ーー自分のストロングポイントは

長打力と、まっすぐを今季かなり打っているのでストレートには自信があるかなと思います。


ーー高校の通算本塁打は

6本ですかね。


ーー左打者で参考にしているバッターは

高校の先輩の村上宗隆さん(東京ヤクルトスワローズ)です


ーー話したことはありますか

中学のチームも高校も一緒なので、少しあります。


ーー村上宗隆さんの言葉で印象に残っている言葉は

「練習は嘘をつかない」です。


ーー西川くんをチームにいれるとこんなメリットがあるということがあれば

(西川)とにかく元気です。

(監督)彼は明るいですよ。


・山内教輔

ーー今日の試合を振り返って

久しぶりに打てて素直にうれしい気持ちです。


ーー今季初本塁打となった第1打席。打った瞬間入ったと思った?

はい。それは思いました。


ーーそこまで喜んでいなかったように見えたが

前のボールが三振くさかったので、あまり喜べなかったですね。


ーー打った打球は

フォークかチェンジアップ系のボールでした。


ーー本塁打ボールはどうするか

これは自分の親に渡したいなと思います。


ーー明日の第2戦に向けて意気込みを

明日勝ったら最終戦になるので、勝てるように頑張っていきたいと思います。


TEXT=山本華子 PHOTO=高梨美遼