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平成27年度東都大学野球秋季2部リーグ戦・拓大2回戦
10月18日(日)拓大グラウンド
東洋大6-0拓大
(イニングスコア)
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
東洋大 | 2 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 |
拓大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(東洋大)
○増渕(2勝2敗)―後藤田、西川元
三塁打:林
二塁打:笹川、阿部健
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (遊) | 阿部(営3=帝京) | 5 | 1 | 0 |
2 | (右) | 木村(営4=愛工大名電) | 4 | 2 | 0 |
3 | (指) | 中川(法1=PL学園) | 5 | 2 | 0 |
4 | (中) | 笹川(営3=浦和学院) | 5 | 3 | 1 |
5 | (三) | 田中将(営2=帝京) | 3 | 2 | 1 |
6 | (二) | 林(営4=桐生一) | 4 | 1 | 3 |
7 | (一) | 久保(営3=桐蔭学園) | 1 | 0 | 0 |
打一 | 原澤(営2=前橋工) | 2 | 0 | 0 | |
打 | 木暮(法2=浦和学院) | 0 | 0 | 0 | |
打一 | 鳥居(営3=愛工大名電) | 1 | 0 | 0 | |
8 | (右) | 大川(営4・PL学園) | 2 | 0 | 1 |
打右 | 安西(営3=聖光学院) | 3 | 2 | 1 | |
9 | (捕) | 後藤田(営4=東洋大姫路) | 4 | 1 | 0 |
捕 | 西川元(営2=浦和学院) | 0 | 0 | 0 | |
38 | 14 | 6 |
名前 | 回 | 打 | 安 | 責 |
○増渕(営4=鷲宮) | 9 | 36 | 8 | 0 |
先制適時打に猛打賞と大活躍の笹川
二塁ベース上でガッツポーズも見せた
今季最多の14安打と打線爆発でベンチのムードは最高潮。さあ逆王手だ
負ければ終わりの一戦に、久しぶりに投打がかみ合い6対0で勝利。初回に笹川(営3=浦和学院)の適時打で先制。三回には林(営4=桐生第一)の走者一掃の適時三塁打が飛び出し、三回までに6点を奪い勝負あり。投げては先発増渕(営4=鷲宮)が6奪三振を含む完封勝利。後がない状況で、首の皮一枚つながった。
4番という特等席は彼のために空けられていた。初回1死一、二塁の場面で打席に向かう。「2番と3番がうまくつないでくれたので、自分は楽な気持ちで打席に入れた」と、目が覚めるような中越えの適時二塁打を放つ。今までの思いが溶け出すように、塁上でぐっと拳を握った。三回、七回にも安打を放ち、昨年4月27日対東農大2回戦以来となる猛打賞を記録した。
昨春の打率は.419。2部首位打者のタイトルを取った男も、今年は大スランプを経験。今秋も打率1割台と目に見えて低迷してしまっている。試行錯誤の中で、立正大戦に負けてから毎日行っていることがある。大きなかごいっぱいのボールを最低一箱打つことだ。井上コーチとフォームのチェックも欠かさない。「あいつは打てなくてふて腐れるというよりも、悔しさを練習にぶつけるタイプ」という林の言葉通り、来る日も来る日も打ち続けた。調子の良さはみるみる上向きになり、努力の芽がここ一番で開いた。
監督の喜びもひとしおだ。毎試合毎打席必ず声をかけられている。打てない時はいつも怒号が落ちる。それでも笹川は「慣れました」と微笑む。「自分のためを思って言ってくれていると思えてきている。重荷というよりも、逆にやらなきゃなという気持ちになる」。どんな時でも笹川を信じた指揮官。その思いに結果で応えた主砲に「やっぱり4番が打つと違うよ」と、目を細めた。
「活躍するときにはうれしい場所。打てなかったら自分に責任があるので、本当にやりがいがある」というのが彼が描く4番の姿。不動の4番はこの男でなくてはいけない。「今日のような活躍をすれば明日も勝てる。入れ替え戦の権利を得るため、明日またしっかり打ちます」。強い意志が宿ったその目には、明日の勝利しか見えていない。
■コメント
・高橋監督
やっぱり4番が打つと違うよ。すごかったでしょ?今日はチームの中心だった。彼がちゃんと仕事をすれば、ちゃんとしたチームになるんですよ。いつもは中川ばかり目立っていたけど、今日は目立たなかったもんね。ここまできたら、死に物狂いでやりますよ。
・井上コーチ
ピッチャーがこれだけ頑張ってるんだから、1試合2試合くらいこういう試合をしないと。(打線は)つべこべ言っても仕方ない。これでも情けないですよ。四回以降は点を取れなかったでしょ。こういうところがまだ甘いんですよ。明日は入れ替え戦目指してやるだけです。
・林(営4=桐生一)
1打席目にチャンスが回ってきたが駄目で、2打席目に同じようなチャンスがきた。前のバッターがつないできてくれて、2回同じ失敗はしないように、何とかしようと思っていた。先っぽで越えるかどうかわからなかったが、越えてくれて良かった。昨日やられた分倍返ししよう、初回からいこうと思っていた。それがうまく結果につながった。(木村がその突破口となった)練習から調子が良くて、やってくれると思っていた。初回に一本打ってくれたので、チームも乗っていけた。明日は勝てば優勝、負ければ引退。本当に明日で全てが決まる。結果にこだわって、とにかく勝てばいい。厳しい試合になると思うが、終わったときに1点多く取れていればいい。
・笹川(営3=浦和学院)
猛打賞は個人的にはうれしいが、明日が勝負なので。明日につなげられるようなバッティングができたことはすごくうれしい。(先制適時打について)調子が良かったので、いいイメージをしながら臨んだ。最低犠飛という気持ちで、2番と3番がうまく繋いでくれたので、自分は楽な気持ちで打席に立つことができた。明日はそれ以上にあまりチャンスが来ないと思うので、そこを集中して自分を信じてやっていきたい。
(苦しかった時)周りの選手にいろいろ練習を手伝ってもらったり、コーチにもサポートしてもらった。立正大戦に負けてからは毎日練習、大きいかごいっぱいのボールを1箱打って、このカードが来るまではそれをルーティーンというか、最低でもしようと、自分の中ではしていた。
このカードに入る前から調子がだんだん上がってきていたので、監督さんにも、4番に上げてもらった。気持ち新たにやろうと思っていた。昨日はアウトだったが、自分なりに上がってきたなと思ったので、それが結果に出て嬉しかった。
(4番について)活躍する時にはうれしい場所だし、打てなかったら自分の責任でもあるので、やりがいは本当にある。今日だけじゃだめなので、明日以降しっかり打って、入れ替え戦の権利もらうために明日また頑張りたい。
TEXT=美馬蒔葉 PHOTO=伊藤拓巳、枦愛子、菅野晋太郎