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第99回関東大学サッカーリーグ戦1部 第9節 東洋大学 vs筑波大
6月14日(土) 筑波大学第一サッカー場
△東洋大1-1筑波大
《得点者》
90+4分 山之内
▽GK
磐井 稜真(国2=東京Vユース)
▽DF
髙橋 愛翔(国4=大宮U18)
中村 琉聖(国3=横浜FCユース)
西村 龍留(国3=柏U-18)
山本 虎(国2=青森山田)
▽MF
相澤亮太(国4=大宮U18)→75分 依田 悠希(国4=三菱浦和SC)
仲野 隼斗(国4=三菱浦和SC)
大橋 斗唯(国3=柏Uー18)→64分 田制 裕作(国4=柏U-18)
宮本 新(経2=横浜FC)→70分 山之内 佑成(国4=JFAアカデミー)
▽FW
鍋島 暖歩(国4=長崎U-18)村上 力己(国4=尚志)
宮永羚進(国4=JFAアカデミー)→53分 髙橋 輝(国3=大宮U18)
第99回関東大学サッカーリーグ戦1部(以下、インカレ)のリーグ戦前期最終戦は、筑波大学と対戦。東洋大は2日前の天皇杯後の選手らを考え、いつもと違うスタメンで試合に挑んだ。立ち上がりでは東洋大が流れを作るも、ゴール前が乱れた前半31分に失点。控えていた選手を投下し巻き返しを図った後半戦では、PKでDF山之内が1点を取り返し試合が終了。接戦となった筑波大との戦いは、引き分けに終わった。
PKを蹴る山之内
アウェーでの一戦となった今節。両大学とも天皇杯中2日という体の疲れも残る中、挑んだ今節では、東洋大側は控え選手を前に出し、メンバーを変えてのキックオフ。目の前の相手の動きを観察するような慎重なボール運びで試合が進行しつつも、東洋大がゴールを狙う場面も目立ち、試合序盤は東洋大の空気へ持ち込む。しかし、安心もつかの間。前半戦折り返しを迎えると空気は一転し、東洋大のゴール前まで迫ってきた相手選手がシュートを放つ。一度目はオフサイドになるも、立て続けに攻められ前半31分に惜しくも失点。
続く後半戦、最初の選手交代ではFW髙橋(輝)が登場。登場直後からボールを奪いに行く姿勢を見せ、周囲を圧倒させる。また、東洋大最多得点者FW村上力己、キャプテン山之内もピッチに立ち東洋大主力でゴールを狙いに行く。それでも筑波大の守りを崩せず苦しむ中、アディショナルタイムでゴール前シュート寸前で相手選手と接触し、東洋大にPKでチャンスが到来。山之内が一呼吸置き、ゴールど真ん中へ勝負のシュート。力強くゴールネットを揺らし、東洋大に1点がもたらされた。すぐさま切り替え持ち場に戻る山之内だったが、自身のゴールに左手で拳を突き立て、応援席に向けガッツポーズを見せた。
キャプテンのシュートに歓声が上がった
後半のPKで筑波大へ追いつきを見せたが、追加点にはつながらずドローで試合を終える。リーグ戦前半期を振り返り、井上監督は「昨年に比べ失点が多い。それを上回る得点力を付けるか、失点を減らすかが勝ち点を積み上げていく上で重要」と、厳しく評価。また、次の目標である6月末から開幕の「アミノバイタル®」カップ2025 第14回関東大学サッカートーナメント大会(以下、アミノ杯) に向け、「大会をこなしながら強化していきたい」と語り、昨年の予選敗退という悔しい結果を払拭する強い意志を表明した。
リーグ戦最終順位が6位に終わった東洋大。選手一人一人のスキルが高いことが強みであった東洋大は、圧倒勝利という結果には現れなかったもの、着実にチーム力を上げ試合に挑めているように感じた。次に開幕されるアミノ杯。トーナメント戦であるこの大会は優勝を狙う東洋大にとって一戦も負けられない大会だ。「優勝」その言葉の重みを知っている彼らは、アミノ杯でどんな活躍を、どんな成長を見せてくれるのか。東洋大サッカー部を応援するサポーターたちの胸は期待でいっぱいである。
節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 順位 | |
1 | 4月5日 | 桐横大 | ○5-0 | 1位 | |
2 | 4月12日 | 東海大 | △0-0 | 1位 | |
3 | 4月16日 | 流経大 | △2-2 | 3位 | |
4 | 4月19日 | 国士舘大 | ●1-4 | 7位 | |
5 | 5月3日 | 日体大 | ●0-1 | 8位 | |
6 | 5月6日 | 中大 | ○1-0 | 8位 | |
7 | 5月10日 | 東京国際大 | ●0-2 | 8位 | |
8 | 5月17日 | 慶大 | ●2-3 | 9位 | |
9 | 6月14日 | 筑波大 | △1-1 | 6位 | |
10 | 5月31日 | 明大 | △1-1 | 8位 | |
11 | 6月8日 | 日大 | ○1-0 | 6位 |
■コメント
・井上監督
ーー今日の試合を振り返って。
週中に天皇杯で120分戦った後なので、かなりの高強度の試合でした。そこからリカバリーしきってゲームを迎える状況ではなかったです。筑波大さんも似た状況でしたが、相手はメンバーを変えずに、我々は難しいと判断したのでメンバーを大きく変えました。チーム力、総合力が問われるゲームだと認識し、選手たちへ話をしてスタートの11人をグラウンドへ送り込みましたが、試合の入りは非常に良かったと思います。
ただ、1失点で相手に流れを持っていかれた感はありました。筑波大さんとはよく睨み合いになることが多いですが、今日も同じような形になったと思います。
最後まで1点をとりに行った結果、同点に追いついたのかなと思います。勝ち点1を繋げ、(リーグ)後半戦に繋げていきたいです。
ーー交代していく選手にどんな言葉をかけたか。
天皇杯をほぼフルで戦ったメンバーが途中から入っていきましたが、高いパフォーマンスを長時間要求するのは難しいと判断しました。35分だったり30分だったりという短い時間の中でも、チームのためにプレーしてくれたと思います。
ーー天皇杯に出たメンバーがサブでしたが、彼らが後半に入ることは想定していたか。それとも状況的にざるを得なかったか。
スタートから出ているメンバーの疲労や怪我もあるので、5枚の交代カードは最大限使おうと思っていました。控えのメンバーが出ることは想定内です。
ーー今回のリーグ前半は1〜2年生の活躍が目立ったことについて。
今日はメンバーには入ってませんでしたが、天皇杯1回戦から岡部タリクカナイ颯斗(国1=市立船橋)が試合に関わって天皇杯を含めていいパフォーマンスを見せてくれています。
それによってチーム内の競争が激しくなり、いい方向に競争力も上がってきていると思います。
ーー現在の東洋のクリアしていきたい課題はありますか?
今日はリバイブのところから追いつかれて終わるゲームでしたが、リーグ前半戦はリードして追いつかれたり、逆転されたりという試合が多かったです。
昨年と比べると失点が多く、クリーンシートで終われるゲームがないので、それを上回る得点力を付けるか失点数を減らすか、が勝ち点を積み上げていく上で大きく関わっていくと現在では思っています。
ーー秋リーグ意気込み
まずは来週から味の素バイタルカップが集中開催され、昨年は予選敗退で後期までの時間がかなりあった中で、夏休み期間が良い意味で(選手)強化に繋がったと思います。公式戦をこなしていきながら強化していきたいです。
まずは来週からの味の素バイタルカップでしっかりと(総理大臣杯の)出場権を獲得を前の目標にした上で、全国大会に出ると1週間後にはリーグ後半戦なので、まずは来週の味の素バイタルカップに集中したいです。
・山之内 佑成
ーー今日の試合について
1点リードされてる状況の中で自分が入って、その状況で入るっていうことは、同点になったり、逆転っていうところでエネルギーを使ったところにフォーカスして、最後点決めたんですけど、それ以外のところで、もうちょい改善点がありました。
ーー山之内選手が戻ってからのチームは上調子に見えるが。
結果的に見ればそんな感じはあるんですけど、まだまだ自分としても足りないところはたくさんありますし、チームとしてもさらに強くなっていかないといけないなっていう感じですね。
ーー長期休んでたことで、見つかった自身の課題や新しいプレーの発見はあったか。
試合見ながらいろんな人ともコミュニケーション取ったりとかして、自分の見方っていうか、いろんな角度から自分を見直したりとかして、試合映像とかも見直しながら、どうしたらいいのかとか、Jリーグの試合も結構見て、自分だったら、自分と同じポジションの人はどうプレーするのかとかは、見て勉強するようにしてましたね。
ーーアミノ杯への1ヶ月、どう過ごしていきたいか。
自分が大学入って総理大臣杯に参戦したことないんで、アミノでちゃんと勝って、チームとしても成長しながら、天皇杯、大臣杯に向けてさらにチームとしても僕としても成長できればいいかなと思います。
PHOT/TEXT=森花菜