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あなたは、誰かのために全力を尽くしたことはあるか。
私はこの活動で、初めてそれができたような気がする。
誰かのために自分の時間や体力を削り、取材に没頭する。
誰かの思いに耳を傾け、たくさんの人に届けようと言葉にその思いを込める。
そんな経験を、この活動を通じてはじめて本気で味わった。
だからだろうか。
「なんで、そんなに頑張れるの」。
そう聞かれると、少し戸惑ってしまう。
「頑張っている」つもりなんて、ないから。
そこまで夢中になって取材活動にのめりこめるようになったのは、担当部の存在があったからだろう。
数ある運動部の中で、私がチーフ(取材代表者)を務めているのはラグビー部。
29年ぶりに1部昇格を果たすと、いきなりリーグ戦1部で3位に入り「台風の目」と呼ばれた彼らは今、大学ラグビー界に変革の風を吹かせようとしている。
遠くから撮っていたら気づいてくれた
ではなぜ、発展途上にあるこのチームに
こだわり、
どこの部会よりも多く企画を打ち立て、
熱く採り上げているのか。
それは、彼らには“可能性"を感じさせる“熱き信念"があるから。
東洋大学の運動部にはいわゆる「強豪」と呼ばれるようなチームが多い。
在学中に日本代表に選出され、メダルを獲得した選手が所属しているチームや
何度も日本一を経験しているチームがある。
実際に、現在部内で新入部員の担当部会の希望を募っているが、人気があるのは上記の運動部だ。
20人の新入部員がいる中で、ラグビー部を希望してくれたのは4人(人気部会は16人)。
それでも、
実力や実績よりも、
追いたくなる闘志がここにはあった。
撮りますよの前にカメラ目線でポーズを取ってた選手3人
取材を通して見えてきたのは、勝敗以上に“本気”でラグビーに向き合う姿勢。
華々しい成績よりも、
泥くさく努力を重ねる日々に、心を動かされた。
成績だけでは測れない熱量が、
ピッチの外にまでにじみ出ていた。
どんなに悔しい思いをしても、現実の厳しさを知っても。
再び前を向いて挑み続けるその背中に、
どこか“可能性"を感じさせられるのだ。
それを言葉にしたいから、今日もペンを走らせている。
主将の背中はいつも頼もしい
2日前に閉幕した春季交流大会では、1勝4敗で5位と決して好成績とは言えない結果に終わった。
それでも、
数字では見えない確かな手ごたえと、
秋シーズンへの希望を感じさせられるものがあった。
5試合を通して、彼らが積み上げてきたものは、
確実にチームを変えている。
本当に少しずつ、着実に、
日本一の可能性は高まっている。
そんな過程を間近で取材できていることを、私は誇りに思う。
同時に、こんな思いも抱いている。
「この世代は過程で終わるようなチームではない」。
「過程で終わる」なんて言葉は、きっと似合わない。
大差をつけて勝利した大東大戦
アップ時に固く円陣を組んでいた
彼らを信じたその先に、
まだ見たことのない景色がきっと待っている。
その瞬間のために、
私は彼らが今辿っている「頂までの軌跡」を、
言葉で刻み続ける。
一瞬一瞬が最後、かみ締めながらシャッターを切ります
回数を重ねていくごとに深刻さを増す私のコラムですが(笑)、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
私の強みはドン引きされるほどの「向上心」と「行動力」なので、今年は菅平合宿の取材に参戦予定です。
運転免許なしの21歳が1週間、異郷の地でやっていけるかソワソワです。
現地に来られる方、もし見かけたらぜひお声かけください!
(次回からは、面接を経て入部してくれた20人の若きペンの担い手たちがコラムを掲載していきます!)