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関東大学リーグ戦女子トーナメント 決勝
6月28日(土) 後楽園ホール
【Min】◯宮田ゆう(判定:3ー2)日体大●
【LF】●吉田姫菜 (WO)日体大◯
【F】◯西中結菜(RSC:R1 1’33)日体大●
【B】◯原田美琴(RSC:R3 2’05)日体大●
【Fe】◯山田月琴 (判定:5ー0)駒澤大●
関東大学女子ボクシングトーナメント戦で、ついに東洋大が悲願を成し遂げた。過去5年間、絶対王者として君臨し続けた日体大の連覇を止め、悲願の女子初の団体優勝をつかみ取った。
「今年こそ、悲願の団体優勝を――」
その思いを胸に挑んだ今大会。東洋大は予選、準決勝と勝ち進み、ついに5人全員が決勝の舞台へ駒を進めた。しかし、団体優勝をつかむまでの道のりは、決して平坦ではなかった。準決勝を終えた時点で、日体大がわずかに1点上回り東洋大は2位。さらに決勝当日、ライトフライ級に出場予定だった吉田姫菜(済3=海南)の欠場が決まり、日体大はライトフライ級・ライト級・ライトウェルター級の3階級で不戦勝、対戦相手不在による優勝を確定させていた。
そのため、東洋大に残されたチャンスは「4人全員が優勝すること」。1人でも敗れれば日体大と並び、団体優勝の行方は不透明になる。リングに立つ選手たちの胸には、計り知れないプレッシャーがのしかかっていた。
決勝戦の先陣を切ったのは、ミニマム級の宮田ゆう(営1=熊本工業)。「自分が負ければ団体優勝は叶わない」という大きなプレッシャーを背負ってリングに立った。序盤から相手は強いプレスで前に出続け、思うように試合をさせてもらえなかった。それでも得意の右ストレートを当て、冷静に相手のパンチをかわして応戦。1ラウンド目を奪い、2ラウンド目を落としながらも、勝負の3ラウンド目で再びポイントを重ね、3-2の判定で勝利し、ミニマム級の頂点に立った。
ミニマム級 優勝・宮田
続いてリングに上がったのは、日本代表として国際大会で活躍する西中結菜(営4=浪速)。「絶対に団体で優勝したい」。その思いを胸に、カザフスタンで開催される国際大会に予定より遅れて出発する選択をした。ゴングが鳴ると、自信と勢いは序盤からはっきりと表れた。テンポよく攻め続け、わずか1分、右のパンチでスタンディングダウンを奪う。再開後も相手に打たせる間を与えず、一気に畳みかけてRSC勝利。フライ級の頂点に立った。
フライ級 優勝・西中
バンタム級では主将・原田美琴(ラ4=東海大付属熊本星翔)が開始から果敢に前に出て主導権を握る。1ラウンド目は少し硬さが見られたものの、2ラウンド目で調子を合わせ、3ラウンド目にはボディへの連打と左カウンターでスタンディングダウンを奪った。その後も左を立て続けに打ち込み、3ラウンド2分5秒でRSC勝利。バンタム級の頂点に立った。
バンタム級 優勝・原田
最後にリングに上がった山田月琴(スポ1=宇佐)は、仲間がつないだ勝利を絶対に無駄にできない重圧の中、駒澤大の全日本ジュニアフェザー級王者を相手に真っ向から打ち合った。階級を上げての挑戦でも怯まず積極的に攻め、力強いパンチを決めて5-0の判定勝ち。山田がフェザー級の頂点に立った瞬間、後楽園ホールには歓喜の雄たけびと拍手が響き渡った。
フェザー級 優勝・山田
リングに立った4人全員が決勝で死闘を繰り広げ、宮田がミニマム級、西中がフライ級、原田がバンタム級、山田がフェザー級で優勝を飾った。東洋大は優勝数4で日体大の3を上回り、ついに連覇に終止符を打ち、悲願の初女子団体優勝を手にした。
TEXT/PHOTO=鎌形美希