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2025.07.15
陸上競技

[陸上競技] 小川大輝、400mHで王座奪還!2年ぶり2度目の優勝で世陸に王手!!/第109回日本陸上競技選手権大会 男子400mH

第109回日本陸上競技選手権大会 兼 東京2025世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考競技会


東京・国立競技場


7月4日(金)~6日(日)



男子400mH予選

1組1着 小川大輝 48"73 Q

2組2着 下田隼人 49"73 Q

  6着 栁田聖人 50"09


男子400mH決勝

1位 小川大輝 48"61

5位   下田隼人 49"25




  7月4日から6日(日)にかけて、国立競技場で第109回日本陸上競技選手権大会(以下、日本選手権)が行われた。日本のトップ選手たちが集い、日本一の座を争う大舞台。東京世界陸上の代表選考も兼ねた重要な一戦に、東洋大から12名が挑んだ。 

 男子400mHには、小川大輝(ラ4=豊橋南)、栁田聖人(法3=農大二)、 下田隼人(スポ2=豊川)が出場。小川と下田が決勝に進み、小川が2年ぶりの王座奪還、下田が5位入賞を果たした。



世界陸上への道

 昨夏、パリ五輪に出場し、世界の舞台に立った小川大輝。またひとつ、殻を破った彼が、今季も世界への挑戦権をつかもうとしている。


 パリ五輪の経験から、レーススタイルを大きく変えた。後半型だった小川は「前半に置いていかれたらどうしようもないということを学んだ」と、序盤から積極的に攻めるレースプランに切り替えた。世界で戦うための、思い切った戦略はうまくはまり、今季は48秒台後半を連発。第12 回木南道孝記念陸上競技大会では、自己ベストを更新する48秒61で優勝を果たし、「安定してタイムを出せるようになった」と、自身も手応えをつかんでいる。


 オリンピアンという肩書きは、メンタル面でも変化をもたらした。「今までと違ったプレッシャーを感じることはあるが、誰もが通る道だと思う」。重圧と戦いながら、小川は世界への道を一歩ずつ踏みしめてきた。



2年ぶり王座奪還

 迎えた日本選手権当日。小川は標準記録である48秒50の突破を目指して、予選から果敢に攻めた。堂々の組1着でゴールするも、記録は48秒73と惜しくも届かず。「決勝でしっかりあわせて、狙っていきたい」と、決勝を見据えた。


 翌日の決勝。センターレーンに立つ姿には、覚悟がにじんでいた。スタートし、レース序盤は井之上駿太(富士通)がリード。小川は大きく離されることなく、得意の後半で一気に追い上げると、最後のハードルで逆転。そのまま抜け出し、優勝のフィニッシュを決めた。


 しかし、タイムは今季2度目の48秒61。自己ベストタイ記録での優勝となったが、標準記録には届かず。歓声に包まれたゴールの先で、小川は悔しげに唇を噛んだ。




再び、世界の舞台へ

 標準にはわずかに届かなかったものの、世界陸上へは大きく近づいた。日本陸上競技連盟が定める参加標準記録の有効期間は8月24日まで。今後の大会でこの記録を突破すれば即内定。突破できなかった場合でも、現在はワールドランキングでターゲットナンバー内に入っており、代表選出の可能性は高い。

 それでも、小川の視線はあくまで標準突破に向いている。世界への挑戦権は、自らの手でつかみにいく。



小川を追う2人のハードラー

 小川を追い、東洋大で練習を重ねる栁田聖人と下田。2人はともに予選2組に挑んだ。

 接戦をラストで抜け出した下田が、2着で決勝へ。日本インカレで、ラストに逃したメダルへの悔しさを力に、「10台目の弱さ」を改善する練習を積んできた。今大会では最後を勝ちきり、着順で決勝進出。大舞台で雪辱を果たしてみせた。

 栁田聖人は6着で予選敗退となり、「前半リラックスして入って、8台目を超えたあたりから勝負できればいいかなと思っていたが、そこでうまく走れなかった」と悔しさをにじませた。


 下田は決勝でも、トップ選手らと肩を並べて戦った。「予選よりも自分の走りに集中ができなかった」と振り返りながらも、シーズンベストの49秒25をマーク。「得られた収穫は大きかった。自分の力は出し切れた」と、充実の表情を浮かべた。





◼︎ 小川大輝


ーーレースを振りかえって

 標準突破を狙っていたので、48秒台にまとめられたことはよかったですが、標準に届かなかったことが、まだ弱いところだなと思います。


ーー前半からかなりいっているように見えたが

 前半に置いて行かれるレースが多かったので、そこを修正してという感じでした。


ーー標準まで惜しいレースが続いているが

 あとは本当に時間の問題かなと思っているので、決勝でしっかりあわせて、狙っていきたいです。


ーー走りの感覚は

 今までで一番いいので、このタイミングを逃さないように頑張ります。


ーー決勝ではどんな走りをしたいか

 前半はこれ以上落とさないということと、得意の後半でしっかりカバーできるようにというところです。


ーー日本インカレから1か月間の練習は順調だったか

 はい。かなり順調に積めました。


ーー日本選手権はプラスアルファの力が出ると言っていたが

 日本選手権の決勝というのはいつもとなにか違う雰囲気もありますし、そういった力を持っていると思うので、明日、頑張りたいと思います。



 日本選手権を勝てたことはうれしいですが、目指していたのは標準を突破しての優勝だったので、タイムは納得がいっていません。ですが、一安心できたかなと思います。暑さが結構あって、屋内走路が涼しかったので、外に出た瞬間に体温が一気にあがってしまうような難しいコンディションでしたが、落ち着いたレースができたかなと思います。日本インカレで3本走ってハードルのリズム感なども確認することができていたので、あとは細かいところですが、一つ一つ見直しながらしっかり練習ができました。やっぱりランキングで出てもチームスタッフの方には認めてもらえないので、標準突破して内定というのが一番きれいな形だと思うので、そこを目指して頑張っていきたいと思います。


ーーレースを振り返って

 この国立競技場はハードルが跳べないので、細かいところを確認する間もなくレースという形になってしまったこともあると思いますが、前半から後半のつなぎ、200mから300mらへんがハードルが詰まったり、リズム感が悪くなってしまったことがきれいな走りができていないこととして、一番大きいかなと思います。


ーー足の攣り癖などは改善できたか

 対策法はいろいろ学んできているので、今回は攣らずに走り切ることができました。


ーー標準突破のためにトライするところは

 前半のスピード感を殺さずに、200m~300mのところがキーポイントになると思うので、そこを修正できればと思います。


ーー栁田大選手から託された部分もあったか

 同期で、今日も「アドバイスなんだけど、フライングだけ気を付けて」って言われたりして。自分でも笑い話にしているくらいなので、気負わずに走れたかなと思います。


ーー48秒台後半で安定している

 レースプランをがらっと変えたので、それが安定してきた理由だと思います。48秒台後半が普段から安定して出てきて、いつ前半が出てもおかしくない状況なので、ここから細かいところを修正していきたいと思います。


ーーレースプランはどのように変えたのか

 今までは前半抑え気味で、後半250mらへんから徐々にペースアップというレースが多かったですが、去年のパリ五輪で経験をして、前半に置いていかれたらどうしようもないということを学んだので、今は前半からしっかり行くというレースプランがしっくり来ています。



◼︎ 下田隼人


ーーレースを振り返って

 今回のために練習を万全に積めてきたこともあったので、しっかり着順で入ることができてよかったです。


ーーどんなところが

 いつも2台目4台目の逆足を怖がる癖があったんですが、今日はちゃんと逆足を怖がらずに、自分のレースができたかなと思います。


ーー決勝ではどんなレースを想定しているか

 今日は49秒7くらいだったので、しっかりもう一段階、二段階とギアをあげていって、できればメダルを狙っていきたいなと思っています。


ーーコンディションは

 少し右の膝を痛めていて、少し怖い部分もあるんですが、試合の雰囲気に呑まれれば、痛みを忘れて走れると思います。


ーーレースに影響は

 練習の段階では、結構痛みもありましたが、今のレースでは試合の雰囲気に呑まれて、ちゃんと痛みを感じずに走れました。


ーー改めて目標とする順位、タイムは

 しっかり49秒切りを目指すことと、メダル獲得を目標にしていきたいです。


ーー痛みはいつ頃から

 1週間前くらいから、急にという感じです。


ーー全カレでは悔しさもあったと思うが

 そうですね、全カレでは10台目の弱さを見せてしまったので、そこで自分の弱みが改善できるような練習をコーチに立ててもらって、この1ヶ月、その練習メニューをしっかり積んできたおかげで、今日の走りができたと思います。



ーー決勝のレースを振り返って

 1個内側(のレーン)にライバルの渕上がいて、1個外側(のレーン)に憧れの小川さんがいる状況のなかで、昨日の夜も今日もずっとワクワクしていたんですが、昨日に比べて今日は自分の走りに集中ができずに、周りをうかがいすぎてしまったかなと思います。


ーー周りをうかがいすぎたというのは、意識する選手が近くにいたから

 そうですね。


ーー決勝という大舞台は、いつもと違う感覚があったか

 そうですね、今までの日本インカレなどとは違って、シニアの、経験豊富な選手たちと走れるというので、すごく違う雰囲気でしたし、得られた収穫は大きいものかなとおもいます。


ーー力のある選手たちの中で、自身の実力は示せたか

 今日のタイムは今シーズンのベストなので、ちゃんと自分の力は出し切れたかなと思います。


ーー今後へ向けて

 まだ49秒2台で止まっているので、今シーズンは48秒台を目指して、練習を積んでいきたいと思います。



◼︎ 栁田聖人


ーーレースを振り返って

 自己ベストを狙っていたので、あまりいい走りができなくて残念です。


ーーレースプランは

 前半リラックスして入って、8台目を超えたあたりから勝負できればいいかなと思っていたんですが、そこでうまく走れなかったので、タイムも順位もあまり良くなかったです。


ーー下田選手と同じ組となったが

 そうですね、まずは自分のレースに集中しようと思っていました。下田も一緒に練習してきたので、一緒に決勝に残りたかったんですけど、先輩として負けてしまって情けないです。


ーー栁田大輝選手のレースは、弟としてどのように見ていたか

 今回の大会にかける思いは強いなというふうに一緒に練習しながら感じていたので、なんとか優勝してくれたらいいなと思っていたんですけど。しょうがない部分もあったかなと思います。

 お兄ちゃんの分まで頑張りたかったんですけど、今の実力だとなかなか日本のトップで勝負するのは厳しかったです。


ーー今後の目標

 今シーズンは自己ベストを更新できていないので、自己ベスト更新を一番に目指して、頑張っていきたいです。



TEXT=近藤結希

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