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第72回全国男鹿駅伝競走大会
6月28日(土)
男鹿総合運動公園発着
4位 東洋大学 3:21'21
1区(8.7km) 西村真周 26'17 (2位通過・区間2位)
2区(6.0km) 馬場大翔 19'26(2位通過・区間3位)
3区(8.1km) 原田大翔 23'56(3位通過・区間5位)
4区(9.2km) 小野真知 28'42(3位通過・区間8位)
5区(7.5km) 岸本駿吾 25'00(5位通過・区間8位)
6区(11.8km) 宮崎優 36'02(4位通過・区間2位)
7区(13.5km) 小園竜成 41'55(4位・区間6位)
6月28日、秋田県・男鹿総合公園を発着点として、男鹿半島内の64.8㎞を7人でつなぐ第72回全国男鹿駅伝競走大会(以下、男鹿駅伝)が開催された。激しいアップダウンのあるコースで、“箱根駅伝前哨戦”とも呼ばれるこの大会。気温も上昇し、タフなレースとなるなか、美しい男鹿の地を7名が駆けた。
アップダウンに適性のある選手、そして下級生が中心となって編成された東洋大チーム。1区は1年次から3年連続で箱根駅伝の山下りの6区を務めている4年の西村真周(総4=自由ヶ丘)が担った。
連戦が続いていていた西村は、「疲労が溜まっていた」というコンディション下、先頭集団でレースを進める。次第に人数が絞られ、青学、中大との争いになると、先頭へ。負けじとスパートをかけた前川竜之将(青学大)に7秒先行を許したものの、中大を振り切り2位で タスキを渡した。
自身は「青学の1年生に負けてしまい情けなかった」と悔しさを語るが、唯一の4年生として、チームに勢いをつける力強い走りを見せた。
最短区間の2区は3年の馬場大翔(総3=仙台育英)。1年次は5区候補として箱根駅伝にエントリーされるも、出走はかなわず。「1年間ずっと故障していて全く走れなかった」という昨年から、戦線復帰を印象付けるレースとなった。
2番手でタスキをもらうと、7秒前を行く青学大を追う。中大と1秒差の区間3位となり、「とても悔しかった」と振り返る一方で、走れることの喜びもかみ締めた。
3区からは1年生が続く。
「これまでの大会、記録会で1年生からの突き上げがなく、学年間でもその話は何度もしていた。今回、1年生主体のこの大会でなんとしても結果を残したかった」。そう語る原田が、馬場から3位の中央大とほとんど並走する形でタスキを受けた。
「最初の上りで離されてしまい、その後は体が動かず、安定したペースで走ることができなかった」と、レース序盤で中央大から遅れ、苦しい展開に。それでも1つ後ろを走る東国大よりも良い区間5位の走りで、3位を守り切って同期の小野真知へとつないだ。
ともに大学入学後初の駅伝となった4区・小野と5区・岸本駿吾のルーキー2人は区間8位に終わり、悔しさをにじませた。この経験を糧に、駅伝シーズンでのリベンジを誓う。
6区は今年の箱根駅伝で山登りの5区を担った宮崎優(総2=東洋大牛久)。5位でタスキを受けると、区間2位の力走で4位にステップアップ。「得意な登り坂で力を発揮することが出来ず、前半はペースが上がらなかった」と振り返る一方で、後半の走りについては「感覚をつかみ、下り坂やラストもペースを上げられた」と手ごたえを語った。
あと一歩、区間賞には届かなかったが、さすがの強さを見せた宮崎。今年の目標は、「箱根駅伝の5区で69分台を出す」こと。「有言実行する」と、強い覚悟を見せる。
アンカーは小園竜成。4位でスタートすると、立教大に前を行かれるも、3位で走り始めた東国大を追い抜き、再び4位にステップアップ。そのまま4位でのゴールとなり、「他大学も1、2年生が主体となっているチームもあった。その中で結果を出していたので、まだまだ個人としてもチームも力不足だと感じた」と、表情は晴れない。
目指すのは、出走だけでは終わらなかった。次なる目標は、「箱根駅伝で区間3位以内」。悔しさを糧に、ルーキーイヤーでの活躍を誓う。
毎年、ここから飛躍を遂げる選手も多くいる男鹿駅伝。駅伝シーズンへ向けた夏の走り込みを前に、7人は現状を確かめた。男鹿で得た覚悟は、次の舞台へ。秋以降の駅伝シーズンで輝くため、各々の悔しさと手応えを胸に、夏を乗り越える。
◼︎西村真周
ーーレースを振り返って
序盤は上手く走れていたが、中盤以降の登坂でかなり苦しくなってしまった。ラストは勝負する力が残っておらず、苦しい走りとなった。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
5月からレースが続いており、その最後のレースだったこともあり疲労がとても溜まっていた 。
ーー目標としていたこと、位置づけ
4年生としてしっかりと走る。秋の駅伝に向けた経験をする。
ーー4位という結果を振り返って
優勝を目指していた中でのこの順位となってしまい、悔しい結果となった。個人としても青学の1年生に負けてしまい情けなかった。しかし、今後に向けた課題が明確となったので秋の駅伝に向けて改善をしていく。
ーー今後に向けて
ラストイヤーとなるので、悔いの残らないよう最後まで走り抜く。出雲と箱根で区間賞獲得。
◼︎ 馬場大翔
ーーレースを振り返って
チームとしては総合4位と自分たちが掲げた目標に届かなかったことが悔しかったです。全員で強化を行い、秋以降に繋げていきたいです。
個人としては昨年は1年間ずっと故障していて全く走れなかった中で、今回のレースを走れてとても良かったです。しかし、 青学さんや中央さんに負けてしまったことが悔しいです。特に1秒差負けでの区間3位はとても悔しかったです。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
コンディションは悪くなかったですが、練習がみんなに比べて詰めておらず、足にも不安があったことが心残りではありました。
ーー目標としていたこと、位置づけ
チームの目標は総合3位以内、個人としては区間1から2位を狙っていました。今大会の位置付けとしては、チームとしては自分たちの力の現状の把握、駅伝を経験すること。個人としては復帰レースで感覚を掴むということでした。
ーー4位という結果を振り返って
とても悔しいです。本来の力を全員が出せていれば3番以内も行けたと思います。 本番力のなさが出てしまったと思います。
出雲や箱根で勝負するにはまだまだ力が足りないということを痛感しました。
ーー今後に向けて
今後は駅伝に向けて練習をしていきます。出雲、箱根とチームの目標をしっかり達成できるように日々の練習の取り組みをしっかり行っていきます。
駅伝にかける思いが強いので、駅伝出走すること、チームに貢献することを目標に頑張っていきます。
個人の目標としては箱根の5区や8区を戦えるぐらいの走力をつけていきたいです。
◼︎ 原田大翔
ーーレースを振り返って
下り基調なので最初の入りを意識して走りました。中央大学の選手と並走する形でしたが、最初の上りで離されてしまい、その後は体が動かず、安定したペースで走ることができませんでした。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
1週間前の実践的なポイント練習ではうまく消化することができませんでした。ですが、直前の刺激練習では動きが良く、状態が上がってきていました。
ーー目標としていたこと、位置づけ
今大会の位置付けとしては、これまでの大会、記録会で1年生からの突き上げがなく、学年間でもその話は何度もしていたので今回1年生主体のこの大会で個人、チームとしてなんとしても結果を残したいと思って走りました。
ーー4位という結果を振り返って
先輩方が力強い走りをしてくださった中で1年生としては課題が残る結果でした。 各区間競り合いで勝つことができていないところもあったので今後の大会、記録会で勝ち癖をつけていくことが必要だと感じました。
ーー今後に向けて
自分の区間で走った青山学院大学、中央大学の選手とは差があり、自分の実力不足、現状を知ることができました。特に上りに苦手意識があるのでこれから始まる夏合宿で起伏のあるコースで鍛え、力をつけていき、秋以降はハーフマラソンで結果を残していけるように取り組んでいきたいと思います。
◼︎ 小野真知
ーーレースを振り返って
納得のいく走りができず、課題が残るレースでした。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
6月に入ってすぐに故障してしまい、準備が足りていませんでした。
ーー目標としていたこと、位置づけ
タイムは27分30秒、男鹿駅伝は大学の駅伝の経験を積むことと、アップダウンの練習という位置づけでした。
ーー4位という結果を振り返って
自分がしっかり走れていれば自分のところで2位だった中央大学に追いつき、2位争いができたと思います。
ーー今後に向けて
夏にしっかり走り込みをして、冬の駅伝シーズンに今回の悔しさを晴らせる走りをできるように頑張ります。
◼︎ 岸本駿吾
ーーレースを振り返って
自分が得意としている起伏のあるコースで力を発揮することができず、悔しい結果に終わってしまった。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
直前で練習を離脱したり疲労を抜くことができていなかったりと、コンディショニングができていなかった。
ーー目標としていたこと、位置づけ
大学初駅伝として今後の駅伝に向けたアピールの機会と捉えていた。
ーー4位という結果を振り返って
チームとして優勝を掲げていた中で4位という結果に終わってしまったのは努力がさらに必要だと感じた。
ーー今後に向けて
個人としては学生駅伝に出走できる力をつけてチームとして箱根駅伝や出雲駅伝で勝負できるようになりたい。
◼︎ 宮崎優
ーーレースを振り返って
レースでは自分の得意な登り坂で力を発揮することが出来ず前半はペースが上がりませんでしたが、後半は走りの感覚を掴み下り坂やラストもペースを上げて前の大学さんとの差を詰めることが出来ました。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
故障からの復帰明けということもあり万全な状態ではありませんでしたが、今の状態の中で出来る準備や練習は行うことが出来たため、自信を持ってスタートラインに立つことができました。
ーー目標としていたこと、位置づけ
チームとしては優勝、個人としては区間賞を目標に臨みました 。
ーー4位という結果を振り返って
チーム、個人の目標を達成できず悔しい結果となりましたが、レースの中での改善点や課題が見つかり今後に繋がる結果だったと思います。
ーー今後に向けて
今後は秋の駅伝シーズンに向けて故障なく練習を行うことが目標です。今年の目標として箱根駅伝の5区で69分台を出すことなので有言実行します。
◼︎ 小園竜成
ーーレースを振り返って
納得のいく走りとは言えませんでした。最長区間でしたが、緊張も無く冷静にスタートラインに立つことができました。レースを走ってみて、後半のスタミナがまだまだ足りないと感じました。
ーーレースに挑むにあたってのコンディションは
コンディションは上がってきていて、自信もありました。
ーー目標としていたこと、位置づけ
区間賞、優勝を目標としていて、目標からは程遠い結果となってしまいました。
ーー4位という結果を振り返って
他大学も1、2年生が主体となっているチームもあり、その中で結果を出していたのでまだまだ個人としてもチームも力不足だと感じました。
ーー今後に向けて
個人としては、箱根駅伝で区間3位以内でチームに貢献する走りというのを目標に練習していきたいと思います。
チームとしては、全日本大学駅伝が無くなり、残るは出雲、箱根の2つなので、そこの2つで結果を残せるようにしていきたいと思います。
TEXT/PHOTO=近藤結希