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2015.10.25
陸上競技

[陸上競技]選手権リレー 4継、マイルともに決勝進出ならず

第99回日本陸上競技選手権リレー競技会

10月23日(金)~24日(土) 日産スタジアム


▼1日目

男子4×100mリレー 予選

3組

4着 東洋大(西澤-与那原-北村-ウォルシュ) 40"64


▼2日目

男子4×400mリレー予選

2組

3着 東洋大(櫻井朴ー北村ー池田ー山本)3'10"61


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北村、4継初挑戦ウォルシュ(左)のバトンリレー


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池田はトップで山本(左)にバトンを託す


 選手権リレーに4×100mリレー(以下、4継)と4×400mリレー(以下、マイル)で出場するも、ともに予選敗退となった。4継では桐生(法2=洛南)、マイルではウォルシュ(ラ1=東野)というエースを欠いてのメンバーで現状を確認し、来季への課題を見つけた。

 

 4継予選には400mを専門とするウォルシュが桐生の代わるエースとしてエントリー。新しいメンバー構成に注目が集まるが、1走・西澤(ラ3=国際学院)から出遅れてしまう。梶原監督も「3年生なのでもう少し存在感を示してくれないと」と厳しく評価した。2、3走は以前からのメンバーがつなぎ、バトンはアンカーのウォルシュへ。しかし1走からの遅れを挽回できず組4着で予選敗退を喫した。やはり桐生の存在は大きいと感じさせられるレースであったが、頼ってばかりはいられない。「来シーズンは桐生が五輪を狙う年でもあるので、彼の負担を減らす」と監督も語るように、例え桐生を欠いた状況でも決勝に残れる力が必要となる。今後ウォルシュが4継のメンバー定着となるかは未定だが、本人も「自分はエースなんだという気持ちでアンカーを走った」と意気込みを見せた。

 マイル予選ではエースのウォルシュ以外のメンバーで決勝進出に挑んだ。メンバーのうち櫻井朴(総1=国学院栃木)と池田(法1=岩村田)は全カレマイル3位のメンバーであり走力はそろっているように思われた。しかし、どの選手も前半を抑えて入り、消極的な走りになってしまう。3走の池田で一時トップに立ったが、ゴール直前、アンカーの山本(法3=富士宮北)が城西大と2走・北村(法2=九州学院)の母校である九州学院に僅差で敗れ決勝進出を逃した。


 4継、マイルともに出場した北村は「エースに頼り切っている部分が大きかったので、いざいなくなるとこういう状態になってしまって本当に危機感を覚えた」と今回の結果を振り返った。絶対的なエースは力強く頼もしい反面、欠けたときの負担も大きい。チームで戦っていくためにも部員全体の走力を上げることが重要である。今後は残り少ないトラックシーズンで来季に向けたリレーメンバーの変革を試みていく。


■コメント

・梶原監督

(4継は)桐生抜きでどこまでやれるか試したかった。目標は40秒2だったがそれには届かなくて残念。1走は3年生なのでもう少し存在感を示してくれないと。来シーズンは桐生が五輪を狙う年でもあるので、彼の負担を減らすためにウォルシュを4継に使うかもしれない。その上で、まずはウォルシュに4継を慣れてもらうために出場させた。1回しかバトンの練習をしていないわりにはできたと思う。2、3走の選手も動いてはいたが、やはり桐生のように一気に挽回する走りはできない。これからは桐生がリレーにいなくても戦える力を付けていかなければならない。選手たちが自分に何が足りないか確認してほしい。(マイルは)目標は3分10秒を切ることだったが、10秒6でみんな少しずつ足りなかった。また、前半は消極的な展開だった。速いペースの中で持っていって最後しっかり出てきてほしかったので物足りない。4人ともしっかり反省しなければならないレースだった。マイルのメンバーは今後もどんどん変わっていく。来年は新入生も入ってくるし、その中で強い子たちを使っていくことになる。今の消極的な姿勢ではその中では残っていけない。(リレー種目の今後は)4継では桐生がいなくても39秒7ぐらいのタイムが出せないと法政大にも太刀打ちできない。しっかり継続した練習をしながら桐生以外でも決勝に残るようなチームにしたい。マイルは3分5秒くらいのタイムを狙って優勝争いをしていく。少なくともメンバー全員が日本インカレのA標準を突破するようにしたい。

 

・北村(法2=九州学院)

(今大会の位置付けは)4継は桐生が、マイルはウォルシュが出ていない中、リレーの両エースを欠いてどこまでいけるかという狙いだった。両方ともエースに頼り切っている部分が大きかったので、いざいなくなるとこういう状態になってしまって本当に危機感を覚えた。(個人としては)4継に関しては自分の本業でもあるので、ただ単純に力が足りていなかった。マイルは、400m自体は自分はやっていないが出させてもらっている以上はしっかり貢献しなければいけない。(マイルの後半型のスタイルは)今年は岩壁杯、関カレ、今回とマイルに出て、そういうレースプランが自分のスタイルと思っていたが、やっぱり2走はどこも前半からスピードを出していてそれに対応するスピードがまだ足りないと思った。もしまたマイルを走らせていただけるなら、もうちょっとレースプランを変えなければと感じた。(同組で母校の九州学院も走っていたが)後輩たちとはこれが一緒に走るのは初めてで、前はリレーを組んだりもしたが、単純に負けたくないというのと一緒に走る数少ないレースなので楽しもうと思いながら走った。来季は早い段階で全カレの標準を切って、大きな大会にしっかり合わせていきたい。

 

・ウォルシュ(ラ1=東野)

4継は楽しかった。(400mより)疲れない。自分はエースなんだという気持ちでアンカーを走った。来年は4継にも出たいが、今日のタイムでは遅く、課題はバトンにあると思う。来年は400mで五輪も狙っている。

 

TEXT=畑中祥江 PHOTO=伊藤空夢、畑中祥江