記事
ルーキー特集で注目を集めた髙田哲也(総1=東福岡)。ロングインタビューでは、記事には収まりきらなかった言葉の数々があった。ここでは、その思いの丈をお届けする。(取材日=5月21日、6月16日 聞き手=北川未藍)
――高校時代の3年間を振り返ると
悔しい思いが強かった3年間でした。
――振り返ってみて、高校時代はどんな選手だったか
調子がいいときはいいけど、プレッシャーには弱い選手だったと思います。
――東福岡高への入学理由は
全国大会で何度も優勝しているし、ラグビーでは「The・東」という感じが強かったので行きたいと思いました。
――当時、選手としての目標は
花園で優勝して日本一になることでした。
――チーム内で台頭し始めたのはいつごろから
高校2年生の春のセブンズ大会です。
――最終学年では冬に出場機会がなかったが
秋の全九州までは出場していて、冬に出場機会がありませんでした。ワールドユースのニュージーランド戦でミスが重なってしまって。期待できる1年生がほかにもいたので、その選手が起用されて自分は出場できませんでした。
――最後はベンチ外から。どのような気持ちで
悔しいと思う気持ちが強かったですが、選ばれていないほかの3年生たちもそういう気持ちの中でサポートに回って、相手の分析などをして勝ってもらうための準備をしていたので、「勝ってほしい」という思いが最終的には強かったです。
――3年間で得られたものは
3年間腐らずに(全体の)練習が終わっても自主練習を誰よりもしてきた自信があって、粘り強い心を得られました。
――やはりご自身にとって高校時代は悔しかったか
最後は悔しい思いが強かったのですが、それ以上に楽しいこと、うれしいことが多かったので半々でいい経験になりました。
――東福岡高から東洋大は珍しいルート。大学との出会いについて
高校2年生の花園メンバーを決める部内マッチに福永監督が来てくださっていて、その時に「東洋(への入学を)考えといて」と声をかけていただいて。3年生になってからも定期的に福永監督が来てくださって熱く「来てほしい」と声をかけてくださったので、春の選抜大会の時に東洋大に行こうと決めました。
――東洋大のどこに惹かれたか
FWが大学で一番体が大きい選手たちで、BKも速くて強い選手たちがそろっていたのでその中に入って、自分が司令塔としてチームを動かしていきたいと思いました。
――スカウト時、監督からの言葉で印象に残っているのは
パスがうまいから、うちにいる足の速い両ウィングをうまく使ってほしいと言われたことです。
――なぜ対抗戦ではなく、リーグ戦の大学に
リーグ戦でも東洋大で一番になって対抗戦チームにも勝利して。「リーグ戦でも対抗戦チームに勝てるんだぞ」ということを証明するためです。
――大学公式戦初出場となった早大戦の手ごたえは
うまいことはせずに、どんどん自分から前に出て体を張っていこうと思っていたので自分の良さが出せました。
――明大戦では前半途中からの出場。ご自身のプレーを振り返って
前半で天羽選手がけがをしてしまって交代したのですが、印象的に相手が怖いイメージで腰が引けてしまったので、そこを改善して前に出るプレーで、1年生だけどチームを引っ張っていけるようなプレーができたらなと思いました。
――キックでいい印象があったが
東洋はエリアの部分でキックを使う戦術が多いので、試合中でも視野を広く見て蹴ることができました。これからもっとキックの精度を上げていこうと思います。
――東洋大学での練習を通して変化はあったか
高校から大学に上がり20分インプレーの時間が増えて、ゲームメイクのところでどれだけ効率よく指示できるかというところでラグビーのことを深く考えるようになりました。
――メンタル面で課題があるとうかがったが
高校の時からコーチや監督からの言葉で落ち込んで、ミスをしてしまうとそのまま(気持ちが)下がっていくのが現状でもありました。大学では「1年生ならもっと思いっきりアグレッシブにプレーしてほしい」と福永監督から声をかけてくださったので、少しでも直せるように練習から意識していきます。
――先発は見据えているか
(先発に)選ばれたいです。自分の強みは状況判断とパスなので、そこでうまくチームを動かして前に押し上げていけるようなプレーをして。キックの精度が上がっていけば、エリアも取れてチームも前に出ると思うので、実直に練習していきます。
ーー帝京大戦では初先発、ご自身が掲げていたことは
とにかく前に出て体を当てようと思っていました。(実際には)明大戦よりも体を当てられたかなと思います。
ーー自信につながったことなどは
もっと前に出られる場面があったのですが、フィジカルとスキルの部分で足りていない部分があったので、そこを練習していきたいです。
ーー帝京大戦、課題のメンタルの部分は
前半は前に出てミスもあまりなくできていたのですが、後半ではタックルミスなどが重なってくると落ちる場面がありましたが、キャプテンや上級生が声をかけてくれて持ち直すことができました。
ーールーキーイヤーの目標
日本一をとるために練習し続けてメンバーに絡んでいけるように頑張ります。
――4年間を通してどのような選手になりたいか
チームがきついときに声をかけてあげられる選手、プレーで選手を鼓舞できる選手になりたいです。
――東洋大学、髙田選手を応援している方たちにメッセージを
今年も大学日本一に向けてチームで努力していくので、応援よろしくお願いします。
PHOTO=北川未藍