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昨秋、1部昇格を果たした東洋大学は、さらなる高み――1部優勝を目指し春季リーグに挑んだ。結果は昇格後すぐの3位と目標には届かなかったが、その戦いぶりは確かな底力を印象づけた。今回は、そんな彼らに春季リーグを振り返ってもらい、次なる目標を語ってもらった。総勢15名のインタビューを、8日間にわたりお届けする。
連続インタビュー6人目は土肥洋介投手(営2=高岡第一)。春季リーグは中継ぎとして4試合に登板し、チームを支えた。彼の最大の武器は、微妙に変化する「ムービングファスト」。この球で打者を打ち取るスタイルで自信を深め、「自分のボールも通用する」という手応えも掴んだ 。そんな土肥投手に、春季リーグを振り返ってもらった。(取材日:7月11日、聞き手=山本華子)
ーー惜しくも優勝には届かなかったものの、昇格後即3位という結果を残し、率直な感想は
最初、波に乗れていなかったんですけど、3位までいけて良かったです。
ーー1部リーグを実際に戦ってみて、2部との違いや印象に残ったことは
そんなに大きな違いはないんですけど、ちょっとレベルが高いくらいです。後は一試合一試合の重みと緊張感が一部のほうが高かったと思います。
ーー春季リーグ、チーム全体を振り返って良かった点、逆に課題に感じた点は
ピッチャーと野手がかみ合った試合は全試合勝っていたんですけど、どちらかがちょっとでも落ちたら負けみたいな感じだったのでそこが反省点でした。良かった点は一人の力では勝てないのが一部だと思うので、みんなの力を合わせて、一つの試合、一球に集中しているというのが感じられたので良かったと思います。
ーー自身のプレーを振り返って良かった点、そして改善点は
去年はあまり試合で投げていなくて、今年からリーグ戦で投げ始めたんですけど、そこまで緊張せずに楽しんで試合に臨めたことが良かったと思います。反省点としては、やっぱり制球力、コントロールの部分が緊張感だったり、勝手に力が入ったりして乱れてしまったので秋からはそういう経験を活かして、練習通りにやりたいと思います。
ーーこの春は4試合に登板し、無失点、被安打1本と安定感のある投球を見せました。秋季リーグ終了後から、特に意識して取り組んできたことがあれば教えてください。
体づくりというところで、この冬、筋肉量と体重を増やして、去年よりも強い体になって臨めたのでレベルアップできたかなと思います。
ーー今季はどのような目標を持ってリーグ戦に臨みましたか?
去年とは違っていいピッチャーがたくさんいるわけではないので、とにかく島田さん(総4=木更津総合)、大坪さん(総3=智辯学園)を少しでも支えてあげられるようにと思って、自分のためにというよりかはその先輩2人を支えてあげたいという気持ちで挑みました。
ーー春季リーグ全体を振り返って、自己採点すると何点?
10点くらいですね。4回登板してそのうち2回、イニング途中で交代していて、その両方とも1年生に抑えてもらったからです。ちゃんと任されたイニングは投げ切りたいですし、ストライク率も全然よくなくて、結果的に無失点なんですけど、チームに流れを持ってこれるピッチングではなかったのでそこが反省点ですね。
ーー一番印象に残っている試合は
亜細亜の2戦目です。その試合は投げていないんですけど、ブルペンでずっと用意していて、5対1から逆転で負けてしまった試合です。4年生の島田さんと向髙さん(営4=報徳学園)がマウンドに上がったんですけど、相手の圧に飲まれて、その2人がどちらも打たれてしまって。ブルペンで見ていて、この2人が抑えられなかったら絶対自分でも抑えれなかったんだろうなと思って、こういうところで抑えられるピッチャーになりたいと勝手に一人で思っていて、それがすごく印象的でした。
ーー自分自身のプレーで収穫を得た部分は
このリーグ戦で球速も上がりましたし、ヒットもボテボテの打球1本くらいだったので自分のボールも通用するという自信がついてきたというのが1番の収穫だと思います。
ーーこの夏、重点的に取り組みたいこと、強化したいことは
春のリーグ戦が終わってすぐに怪我をして、今リハビリ中なんですけど、とりあえずゼロからのスタートなので、秋のリーグ戦はスタートラインよりも下くらいの気持ちでもう一度体づくりをして1から這い上がっていきたいと思います。
ーーご自身の投球のアピールポイントは
ムービングファストと言って、まっすぐがちょっとだけ変化するんですけど、その球をちゃんとゾーンに投げれば、内野ゴロとか外野フライが増えてくると思うので、そこが1番の強みです。
ーー昨年の秋季リーグでは先発での登板もありましたが、今後は先発と中継ぎのどちらで勝負したいという思いがありますか?
目指すは先発完投なので、今年の秋か来年の春に先発できるようにしたいですけど、チームの状況に合わせて、とにかく任されたところを全力で抑えられればいいかなと思います。
ーーリーグ戦を通じて感じた今年のチームの良さや特徴は
自分はそんな元気な方じゃないんですけど、すごく3年生の野手が明るく元気に盛り上げてくれるので、チームの雰囲気もどんよりすることなく、負けた帰りも空気が死んでるというよりかは、もう次の試合切り替えようぜという感じの雰囲気にはなっているのでそこがいいところだと思います。
ーー今後への意気込み
目標になる先輩がたくさんいるんですけど、その人たちに追いつくんじゃなくて、その人たちを超えられるようになりたいと思ってます。その結果が4年生になって出てくれば、おのずとプロとか社会人も見えてくると思うので、まずチームとしては秋優勝して日本一取ることですけど、個人としてはもっとレベルアップして先輩に追いつけるように頑張りたいと思います。
◇プロフィール◇
土肥洋介(どい・ようすけ)
生年月日/2005・12・15
身長・体重・最高球速/182㌢・75㌔・148km/h
目標の最高球速/155km/h
最近楽しかったこと/帰省でみんなとご飯に行けたのが楽しかったです。
夏休みの楽しみなイベント/みんなとバーベキューに行く予定があるのでそれが楽しみです。
TEXT=山本華子 PHOTO=スポトウ硬式野球班