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昨秋、1部昇格を果たした東洋大学は、さらなる高み――1部優勝を目指し春季リーグに挑んだ。結果は昇格後すぐの3位と目標には届かなかったが、その戦いぶりは確かな底力を印象づけた。今回は、そんな彼らに春季リーグを振り返ってもらい、次なる目標を語ってもらった。総勢15名のインタビューを、8日間にわたりお届けする。
連続インタビュー投稿10人目は向髙滉人投手(営4=報徳学園)。一番の自信を持つスライダーに加え、春前には乾コーチからシンカーを習得。「右バッターのインコースに効果的に使えた」と語るこの新球が、ピッチングの幅を大きく広げ、チームの勝利に貢献した。この春季リーグを向髙投手はどう振り返るのか。(取材日・7月10日、聞き手・山本華子)
ーー惜しくも優勝には届かなかったものの、昇格後即3位という結果を残し、率直な感想は
野手はこのリーグでもトップくらいの成績を残していて、そこはその東洋大としてはいいところだったなと思っています。やっぱりピッチャーがしっかり抑えれば勝てた試合がもっとあったので、秋に上の順位を目指すときに、ピッチャーのレベルをもう少し上げていかないとなっていうのはあります。
ーー1部リーグを実際に戦ってみて、2部との違いや印象に残ったことは
オープン戦を通じてずっとやってきたことが一部のバッターにもしっかり出せたので、そこまで他の大学と違って凄いなっていう部分はあまりなかったです。
ーー春季リーグ、チーム全体を振り返って良かった点、逆に課題に感じた点は
得点が多かったのは良かった点だと思います。課題は、無駄な点をやらないというか、ピッチャーはフォアボールを少なくするっていうのをずっとオープン戦から言っていて、フォアボールから繋がってる点というのがあったので、そこは無くしていかないとなっていうのはあります。
ーー自身のプレーを振り返って良かった点、そして改善点は
改善点から言うと、リーグ戦での起用法をオープン戦からあまり考えれていなくて、ただ単にバッターを抑えるだけっていうのをしてしまって。それがリーグ戦で、ランナーいる場面からの登板ってなったときに、亜細亜戦で打たれてそこから負けたというのがあるので、そこが改善点です。良かったところは、最初亜細亜の試合で打たれたんですけど、そこから悪かったところを変えられて、そこからは打たれなかった、修正できたのは良かったです。
ーー第2戦の亜細亜大戦を除き、他6試合では無失点と常に安定していたように見えました。好調を維持できた要因はどのようなところにあると思いますか
試合前に同じことをすることと、リーグ戦で真っすぐがあまりいっていないという時でも、スライダーではストライクがいつでも取れる感覚がずっとあったので、そこが良かったポイントだと思います。
ーー一番自信のある球種は
スライダーです。
ーー今季はどのような目標を持ってリーグ戦に臨みましたか?
一部に上がってすぐ優勝というのは自分の中でもあって、あと自分的には投げた試合はゼロで抑えるっていうのを目標にやってました。
ーーその目標に対して、達成度や手ごたえをどのように感じていますか
投げるイニングはそんなに多くなかったんですけど、投げたところで自分の出来る事がしっかりと出来ていたので、そこの点で言うと良かったと思います。
ーー春季リーグ全体を振り返って、自己採点すると何点?
40点、50点、60点くらいです。投げるイニングも全然少ないですし、もっと任されないといけないところがあったと思うので、そこまでいい点数じゃないかなと思います。
ーー一番印象に残っている試合は
やっぱり最初の亜細亜の2戦目です。
ーーその試合が印象に残っている理由は
ランナー一塁から投げて、自分的にもここで行くんやっていうので受け身になってしまっていて、そこからずるずる打たれて、テンポも変えられずに、自分の悪いところが全部出た試合だと思ったので印象に残っています。
ーー自分自身のプレーで収穫を得た部分は
オープン戦の前くらいに、乾コーチからシンカーを教えてもらって、右バッターのインコースに効果的に使えて、それもあってスライダーもいつも以上に聞いていたと思うので、シンカーというのが大きな収穫だと思います。
ーーこの夏、重点的に取り組みたいこと、強化したいことは
体力もそうなんですけど、毎試合同じ力を発揮できるように、調子の波が大きくならないように、毎回同じパフォーマンスができるようにしていきたいと思います。
ーー島田さん(総4=木更津総合)が投手キャプテンとして投手陣を引っ張ってくれていますが、向髙さんご自身も4年生となり、意識に変化はありましたか?
島田が色々な面で引っ張ってくれているのでそこはすごく頼れるなと思っています。自分的には人見知りなので自分から(下級生に)話しかけたりしないんですけど、リーグ戦の時とかはコミュニケーションを取ることは意識してやっています。
ーー自身のアピールポイントは
サイドからの威力ある真っ直ぐとスライダーです。
ーーリーグ戦を通じて感じた今年のチームの良さや特徴は
守備でミスがでないというのが良いところだと思います。
ーー卒業後の進路は
社会人野球です。
ーー今後への意気込み
どんな形でも自分が力を出し切って、秋に日本一になれるように頑張りたいと思います。
◇プロフィール◇
向髙滉人(むこだか・ひろと)
生年月日/2003・10・6
身長・体重・最高球速/181㌢・79㌔・148km/h
最近楽しかったこと/好きなアニメを見つけられたこと。最近見たのは「アオのハコ」で、それをみんな一緒に見てくれたことです。
夏休み楽しみなイベント/熱い中野球ができること
TEXT=山本華子 PHOTO=スポトウ硬式野球班