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令和7年度 東都大学準硬式野球 秋季1部リーグ戦・帝京大・第5回戦
9月14日(日)スリーボンドベースボールパーク八王子
◯東洋大1ー9帝京大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
帝京大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 8 | 0 | 9 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
二塁打:定直(四回)
金子、中嶋、吉村ー吉田

強肩を生かし、冷静に盗塁をアウトにする捕手吉田

2塁打を打った定直

生還した大久保を迎えるベンチ

八回表が始まる前に投手金子に声をかける定直
帝京大戦第1戦目、崖っぷちに立つ東洋大の絶対に負けられない戦いが始まった。この試合で一際輝きを見せたのは捕手吉田(文4=上野学園)だ。
一回表、2番下高に三塁打を打たれ、続く打者に死球と早くもピンチの場面が訪れる。そんな中、冷静な判断力と強気な姿勢で一塁走者の盗塁を阻止。その後、三塁走者がホーム生還を試みるが内野の連携で封殺に成功した。この試合で東洋大は6つの盗塁をアウトにしているが吉田は「守備陣との信頼関係がしっかりしているからこそ自分は落ち着いて投げられた」と語る。
四回裏、2番大久保(生3=木更津総合)が四球で歩き、なんとか塁に出ようと隙を盗み盗塁成功。そして2死二塁で定直(法4=東福岡)の打席へ。右翼手の後ろを大きく越える二塁打を放ち、見事先制点を取った。
その後、五回に1失点と1−1の同点で耐える東洋大だったが最終回で帝京大の巻き返しが始まった。4番飯泉に右安打を打たれ、続く打者の内野ゴロを悪送球、前の打席で二塁打を放った山形を敬遠し、1死満塁のピンチ。2者連続の四球で2点を追加し、中嶋(理2=秋田工業)がマウンドに姿を現した。中堅への犠牲打でもう1点を取られ2死一、二塁。これ以上の失点は抑えたかったが、攻撃は容赦なく続いた。右方向への二塁打、さらには左中間・右三塁打を連続で浴び、最後は左飛で流れを食い止めた。この回は合計で8点を取られ9−1。大量得点に覇気を失う選手たち。
このままでは終わらないと巻き返しを狙う九回裏の攻撃。2死で吉田に打席が回ってきた。右方向に打球を打ち上げ右飛となり、反撃は敵わず試合を終了した。
「東洋大らしい野球」この試合でベンチからそんな声が聞こえてきた。そこでインタビューをした大久保、定直、吉田に東洋大らしい野球とは何かを尋ねると、3人は「守備で粘り、流れを作って後半にバッター陣が点をとっていく我慢強い野球」だと答えた。その東洋大らしい野球をするために一体、何が足りないのか、どうして大事な一本が出ないのか、改めて深く考える試合となった。
◼︎コメント
・大久保学生監督(生3=木更津総合)
〈今日の試合を終えて〉
良かったことは長打を打たれながらも1失点で八回まで行けたところです。今日は本当に勝たなければならなかった試合なので厳しい状況になってきました。相手投手は2人ともまっすぐピッチャーだったのでまっすぐを狙いましたが、一本が出ませんでした。
〈次の試合で勝利に導いてくれるキーマンを教えてください〉
浅野さん(先発投手)と永井くん(6番指名打者)です。理由は浅野さんは先発投手としてなんとか粘ってくれたらと思うのと永井くんはやっぱり6番バッターってチャンスがすごく回ってくる打順なので永井くんが打ってくれたら得点に繋がるので期待したいです。あとは自分がまず塁に出て引っ張っていけるように頑張ります。
・定直(法4=東福岡)
〈見事2塁打を放ち打点を上げた感想をお願いします〉
まずは先制することができてよかったです。2死三塁でどうにか決めたいと思い打席に入りました。
〈八回表が始まる前に投手の金子選手と会話をしている様子が見られましたが、その時はどんなお話をされていましたか?〉
もしあの状況で1−1になってタイブレークとなったとしても下位打線から始まる計算だったのでどうにか8番9番で耐えてくれという話をしました。
・吉田(文4=上野学園)
〈帝京大の打線のイメージから今日の試合はどんなことを考えて試合に挑んだのかを教えてください〉
初球からしっかり振ってくる印象があるのでピッチャー陣の力加減を考えて打たせて取ることを考えました。
〈今日の試合では多くの盗塁をアウトにする姿が見受けられましたが、それは最初から狙って意識していたことですか?〉
守備陣に信頼を置いていたのでピッチャーのランナーケアをするのに自分はゆっくりと落ち着いてベース投げられました。今日のプレーは本当に守備陣に助けられたとこも大きかったです。
〈ピンチの場面で今日は投手にどんな声をかけましたか?〉
「お前の方が上だから自信を持って投げろ」っていうことと、「打たれたら自分のせいだ」と伝えてピッチャーが自信を持って投球できるようにプラスな言葉をかけることを意識しました。
TEXT / PHOTO =吉田妃莉
令和7年度 東都大学準硬式野球 秋季1部リーグ戦・帝京大・第6回戦
9月15日(月)スリーボンドベースボールパーク八王子
◯東洋大4ー5帝京大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 4 |
帝京大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 1× | 5 |
二塁打:大久保(七・八回)
浅野、中嶋、金子ー吉田、黒岩

先発投手浅野

この試合のキーマン永井

2塁打を放つ大久保

盗塁を決める鈴木
帝京大1戦目の敗戦から中休みなしで2戦目の試合を迎える。1戦目は慎重に攻めた東洋大、この2戦目は強気に戦おうと決め、円陣を組み満面の笑みで明るく試合をスタートした。
東洋大打線は、一・二・三回と、どの回も満塁のチャンスが訪れるが。あと一本が出ず、得点には繋がらない。そんな中でもベンチからは「スマイル」という声が飛び交い、希望に満ち溢れる様子があった。
東洋大先発投手、浅野(ラ4=佐久長聖)は安定感のあるピッチングで軽快に投げ、打たせて取る投球で三回まで三者凡退で抑えた。チャンスがありながらも得点打が出ない前半戦の中で浅野の落ち着いてマウンドに立つ姿は、浅野のためになんとか点を入れようとチームの団結力をより一層に高めさせた。
六回裏、ここまで耐えてきた浅野だったが3・4番に捉えられてしまい、2連打を浴びる。次にマウンドに立ったのは昨日にも投球をしている中嶋(理2=秋田工業)。なんとか0点で抑えたいところだが、内野の悪送球で先制を許し、1死二、三塁。三遊間にゴロを打たれ打者を刺すが、三塁走者がその間にホームに生還しもう1点が追加され0−2となった。
先制を許す東洋大だったが、七回表の攻撃、玉田が四球で歩き1死、一塁で打席は大久保へ。俺がチームを勝たせてやると熱くたくましい気持ちで右方向へ二塁打を放った。ベンチからは大きな歓声が上がり徐々にここから流れを掴んでいく。続く打者に死球、そして寺田(国1=都立日野)の中堅手安打で1点を追加し、さらに柳下(経3=横浜隼人)のスクイズでもう1点、死球、四球が続き2−3で見事逆転に成功。
八回裏、このまま逃げ切りたい東洋大だが、またも内野の悪送球で走者進塁。飛球で2死を奪うが、5番矢崎に右安打を打たれ、2死一、三塁。ここで姿を現したのはエース金子(経3=福島商業)。チームのピンチで、最後に託された金子だったが、中堅手への大きな一打に2点が入り、逆転を許した。
九回表、窮地に立つ東洋大は、1死で定直の打席。豪快なスイングで中堅手安打を放ち、帝京大は廣田が登板。しかし、続く打者はこの試合の期待のキーマン永井(経3=広陵)。代走鈴木(健1=宇都宮北)は、冷静な判断で盗塁を決め、1死二塁。永井の期待通りの中堅手安打で1点を返し同点に追いつき、ベンチからはガッツポーズと大きな声援が響き渡る。
九回裏、抑えれば延長タイブレーク。しかし、1番牧の右翼手を大きく超える一打に1死、三塁。最後は犠打飛球を打たれ4−5で試合を終えた。
「あと一歩」そんな試合が続く東洋大。次の対戦相手は投手陣が潤う日本大だ。3日後に控える試合で、投手陣は調子を取り戻すことができるのか。チャンスを掴むためにどんな変化を見せてくれるのか、期待に胸を膨らませる。
◼︎コメント
・大久保学生監督(生3=木更津総合)
〈今日は試合前に選手にどんな言葉をかけましたか?〉
昨日の試合で相手のミスが目立っていたのでゴロを打っていこうっていうのを話しました。なのでチャンスでゴロを打ってもOKということにしました。あとは笑顔を忘れないように声をかけました。
〈今日の試合では東洋大らしい野球はできましたか?〉
今日の試合はできたと思います。ただ、できていても勝ちきれないところが難しいなと感じています。(何が足りない?)ピッチャー陣は気持ちというか、負けん気が足りないと思うので開き直って、打たれるのは当たり前だから納得のいくピッチングをするようにしろということを言いました。あとは後半から出る選手の気持ちの準備不足もありますね。全体的に弱気になっているのでそこを直していきたいです。
〈次戦の日大戦に向けてどんな策を考えていますか?〉
日大はピッチャー陣が良いので1点を争う展開になっていくと思います。しかし、バッター陣はあまり打ってくるイメージがないので守備で流れを作ってまっすぐを振りまけないように間の2日間で練習していきたいと思います。
・浅野(ラ4=佐久長聖)
〈今日の投球を自己採点すると何点くらいだと思いますか?〉
80点くらいですね。いつもはフォアボールが多くてそれは無しにしようと思っていて、結果的に申告敬遠を3つ出してしまったんですけど始めの一、二、三回は3人で抑えることができたのでよかったと思っています。
〈次戦の日大戦ではどんな投球をしたいですか?〉
相手のピッチャーが良い中で自分たちが失点をしてしまうと厳しくなってくるのでテンポよく投げてフォアボールを出さないように打たせて取って頑張りたいです。
・永井(経2=広陵)
〈この試合のキーマンと称されたことについてプレッシャーに感じましたか?〉
最初はプレッシャーに感じましたが、試合の結果から自分自身でもキーマンだと思っていたので緊張よりもやってやるぞという気持ちの方が大きかったです。
〈チャンスで打席が回ってきた時に意識していたことはありますか?〉
どちらかというとあがり症なので、落ち着きながらいい打球をどんな形であれ、結果につながるようにと考えました。次の試合でも一勝を目指して結果を残せるように頑張ります!
・鈴木(健1=宇都宮北)
〈大事な場面で代走を任されてどうでしたか?〉
代走として出場する可能性があることは事前に伝えられていて、自分は代走要員としてベンチ入りメンバーに選んでいただいているので、そのための準備は常にしていました。緊張もありましたが、リーグ戦で代走として出場するのは二度目だったので、前回ほどの緊張はなく、落ち着いてプレーすることができました。
〈次の試合に向けて意気込みをお願いします〉
また大事な局面で代走として出場する可能性は十分にあるので、その場に備えてしっかりと準備をし、自分に与えられた役割をきちんと全うしたいと思います。
TEXT = 吉田妃莉 PHOTO = 佐藤結芽

