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第93回全国学生相撲選手権大会(以下、インカレ)が7日、大阪・堺で開幕する。2年ぶりの団体戦覇権奪回へ。決戦のときがいよいよ迫ってきた。大舞台を前に、選手たちの声を6日間にわたってお届けする。
第1日目は村田亮選手(法3=金沢市工)。世界相撲選手権を経た村田は、チーム全体を俯瞰的に見る力を身に付けていた。優勝への道、今の自分たちにできることは何か。インカレにかける本気の思いを語った。(取材日=10月21日、聞き手=佐田毬絵)
――世界相撲選手権も終わり、今の調子は。
まあまあいい感じですね。雰囲気ができている。
――新しい土俵での稽古はどうですか。
広くなった分、短時間で今までできなかった練習ができるようになった。今までは一つの土俵しかなかったので2人しか一度に入れなかったけれど、レギュラーとそれ以外に分かれて、というような練習もできるようになりました。そうするとレギュラーとしても濃い稽古ができる。
――今特に力を入れていることは。
そんなに特別、というのはないけれど。昨年は大道さん(H26年度法卒=出羽海部屋・御嶽海関)という「絶対1点取ってくれる人」というのがいた。今年はそういうとても強いと言える人がいないので、必要となってくるのは、チーム力。今までは大道さんがいたから、後のメンバーで2点取ってくれば勝てたんですけれど、今年からはしっかり5人で3点取ってくるということが大事になってきますよね。一人ずつが課題を持って稽古することが大事ですね。
――昨年の団体戦から変わったことはありますか。
今回、8人のメンバーに1年生が3人も入っているわけじゃないですか。1年生ってやっぱり一番気楽に力を出せる時だと思うんですよね。僕も1年生の時は調子良かったので。僕たちも気負わず、楽に相撲を取りたいです。
――今の部の雰囲気は。
雰囲気いいと思いますよ。でもやっぱり今一番言われていることは、寮生活で仲良いのはとてもいいが、それを稽古場に持ち込むのは別、ということ。仲良しクラブでは強くなれないトル。稽古場では先輩後輩も関係なく、遠慮せず練習したりね。そういうのは大事にしていますね。後輩に胸貸すときはしっかり出してあげて、自分の練習もちゃんとして、とメリハリは付けています。
――団体戦で特に注目している大学、選手は?
特にはいないですけど。4月の宇和島と8月の十和田でどちらも負けてしまったのが日大。日体大も強いですけど勝ったり負けたりなんで。結局、古参というか日大は伝統もあるので、そこに勝つのが優勝への道だと思います。勝負はできると思いますよ。残りの稽古の仕方で決まってくる。
――団体戦で目指すのは。
優勝ですね。日大、日体大も強いですけど、それに負けない戦力は東洋にもあると思うので。負けないように、というか勝つように、いきたいですね。
――個人戦では一昨年はベスト8、昨年はベスト16でした。
悔しかったですね。1年生でのベスト8は、そこまでいけると思ってなかったので上出来かなと思っていたんですけど昨年のベスト16は悔しかった。今はもちろん優勝目指していますけど、今年金沢での大会で初めて個人でタイトル獲れたのでそれを強みにしていきます。(世界大会出場を経て)ちょっとずつ安定感も出てきたので、自分のコンディションをしっかり整えれば勝てることは分かっている。
――個人戦の方が緊張しますか。
いや、僕は団体戦の方が。個人は一人だけですけど、団体になるとチームの重みがあるので。緊張感というかプレッシャーはありますよね。大学背負って戦っているんで。
――個人戦で気を付けることは。
自分の相撲を取り切ることですよね。相手に合わせて変な小細工して負けてしまう、というのではなくて。
――ライバル視する選手は。
今年負けているのが石橋(近大)とか小柳(東農大)。勝ったり負けたりですけどね。力のある人、体の大きい人に負けてしまうので、自分の相撲を大事にしていきます。
――目指す順位は、もちろん。
優勝ですね。
◇村田亮(むらた・りょう)
1994年8月8日、三重県志摩市生まれ。金沢市立工業高出身、法学部3年。181㌢、160㌔。
▽相撲歴:14年(小1から)
▽相撲を始めたきっかけ:一緒に始めた幼なじみに負けたくなかったから。
▽趣味:DVDを観ること
▽好きな食べ物:牛タン
▽自身の持ち味:スピードのある相撲
▽インカレへの意気込み:チーム一丸となって自分の相撲を取り切ることが第一目標。残り時間、目標を持っていけば結果はついてくると思う。
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本日より6日間にわたってインタビュー記事を掲載いたします。明日、第2日目は大波渥選手のインタビューをお届けします。