記事
第91回関東大学バスケットボールリーグ戦
10月31日(土)日本体育大学世田谷キャンパス
東洋大77-67神大
24|1Q|16
23|2Q|7
11|3Q|22
19|4Q|22
スタートメンバー
11 中村晃太郎(済3=幕張総合)
25 島崎脩(ラ3=松本蟻ヶ崎)
30 川上海斗(済1=市立船橋)
54 マッカーサーエリックジュニア(国1=デイナ)
88 山本大貴(済3=市立船橋)
期待に応え、勝負どころでシュートを決めた塚原
エリックはチーム最多得点を挙げる活躍を見せた
果敢にシュートを狙っていった島崎
「最初の点差に救われてぎりぎり勝てた」。後半に強いられた苦戦を耐え、神大に77対67で勝利した。
2ヵ月に渡って繰り広げられた戦いも残り2試合となった。6位で迎えた最終週を2連勝で終えることができれば、東洋大は過去最高の5位となるため、最後まで気の抜けない試合が続く。しかし今試合は集中力に課題が残る試合内容となった。
前半は川上(済1=市立船橋)のスリーポイントや、リーグ戦を通してチーム1の得点源となったエリック(国1=デイナ)のインサイドに切り込んだシュートなど、多彩な攻撃を仕掛けていく。「足を動かして相手の得点を抑えていたので良かった」。島崎(ラ3=松本蜂ヶ崎)がこう振り返るように東洋大のプレースタイルであるディフェンスも冴え、24点と大差をつけて後半へ折り返した。心理的に余裕が生まれる展開なだけに、目(さっか)監督は必ず相手にも流れが訪れることを選手たちに伝え、危機感を示唆していた。ところが、巻き返しを図ろうとする相手に対してターンオーバーなどのミスが増え、3Q以降は流れが神大に傾いてしまった。前半についた点差に救われなんとか1勝を手にしたものの、「追い付かれそうになったので終わり方としてはあまり良くはない」と課題を残した。
主力選手をけがで欠いた今試合、流れを変えるプレーを見せたのは塚原(営3=北陸)だった。これまでは応援席から力のこもった声援を送り、チームを盛り上げてきたムードメーカー的存在の塚原。「ディフェンスを頑張る選手だから起用した」と満を持して目監督に送り出された。すると、勝負どころでシュートを決めていく。「自分はこれまであまり試合に絡んでこなかったので、出たからには思い切ってプレーしようと思っていた」という塚原の活躍にチームは湧き、そのまま勢いに乗っていった。欠けた戦力を補うように頭角を現した塚原は、今リーグ戦を通して様々な戦力が台頭した今季の東洋大を象徴していた。
いよいよ最終戦となる次戦は1巡目で敗戦した立大との対戦。速い攻撃を得意とする相手なだけに、一瞬の気の緩みが致命傷となる。「今日は勝てたけど、次の試合にこの状態だと負けてしまうので気をつけなきゃいけない」とエリックが語るようにまずは、今試合の課題を克服することが急務だ。「全員で勝っていきたい」。このチームで最後となる戦い。一試合を通して一丸となって士気を高め、最高順位の5位を目指す。
◼︎コメント
・目(さっか)監督
(試合前の指示は)とにかくディフェンスを頑張ること。(試合内容は)前半は良かった。後半は流れがこのままいくことはないことと、そういうときこそディフェンスを頑張るように選手には伝えていた。ただそこが頑張れなかったのが問題点。シュートが入らなかったので、とにかくディフェンスを徹底してふんばるように指示したがだめだったなと。あとはターンオーバーが多すぎた。(交代については)塚原はディフェンスを頑張る選手だから起用した。今日は良かったと思う。明日は勝てば5位で負けると6位なので、勝って5位を死守したい。頑張ります。
・島崎(ラ3=松本蟻ヶ崎)
今日は残りの試合を二つとも勝って5位を目指すためにも全員が一丸となって臨もうと話していた。前半は思い切りシュートを打ったり、足を動かして相手の得点を抑えていたので良かった。ただ監督が「流れは相手にもくる」と言っていたように、相手に流れがきているときにどのように対応するか話していたが、ターンオーバーやルーズボールを取られてしまって、どうやって立て直していけるかが課題だなと思った。今日の試合で課題が見つかったので明日はそれを克服していきたい。(ラスト1試合だが)立大はどんどん攻めてくる相手なのでまずはディフェンスで相手の好きなようにはさせず、がむしゃらなプレーをしたいなと。5位は過去最高だと思うので全員で勝っていきたい。
・塚原(営3=北陸)
前半で点差を離して安心してしまって、追い付かれそうになったので終わり方としてはあまり良くはない。最初の点差に救われてぎりぎり勝てた感じだった。山口と杉田がけがで抜けているのも痛い。そこをもっとみんなでカバーしなければならない。自分はこれまであまり試合に絡んでこなかったので、出たからには思い切ってプレーしようと思っていた。ディフェンスとスリーポイントを打つことが役目。ディフェンスはできた方だが、スリーポイントは0本なので次戦では決めたい。最終戦は4年生が最後だし、たくさんの人が観に来てくれるので、感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたいと思う。
・エリック(国1=デイナ)
いつもみたいにどこかのクォーターに調子が悪くなるという感じで、今回も3Qが悪かった。だけど、出だしは声も出てたからそこは良かったところ。それを一試合継続してやらないといけない。今日は勝てたけど、次の試合にこの状態だと負けてしまうので気をつけなきゃいけない。(勝因は)どんなに流れが傾いても切り替えができてチーム全体で落ち着いてできたこと。先輩たちは自分がイージーミスをして落ち込んでいても「大丈夫だよ」と声をかけてくれて、切り替えができた。監督からは勝ってたけれど余裕は持つなと。今日は相手と少し力の差があったから勝てたので、同じミスを上位のチームとやったら普通に負けていたからちゃんとやれと言われた。(次戦に向けて)今日の前半みたいに楽しいバスケがしたいです!
TEXT=石田佳菜子 PHOTO=木谷加奈子、高橋雪乃