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2025.10.05
硬式野球

[硬式野球] 打線11安打も決定打を欠き、連敗脱出ならず 2戦連続の延長タイブレークで苦杯/國學大2回戦

[硬式野球]東都大学野球 秋季1部リーグ戦・國學大2回戦

9月25日(木)明治神宮野球場

●東洋大2ー5國學大


10
國學大
東洋大


大坪、石澤、飯塚、向髙ー高山、政所


本塁打:花田1号(四回裏ソロ)


・打者成績

打順守備名前打数安打得点打点
(遊)宮下朝陽(総4=北海)

(三)池田彪我(営4=三重)

(左)冨安海来(営3=履正社)


金刺武蔵(営2=横浜)


走→左金丸健司(営3=上尾)


(右)花田旭(総4=大阪桐蔭)
(一)髙中一樹(総2=聖光学院)


走→一吉田元(営4=龍谷大平安)

(指)中村瑠斗(営3=拓大紅陵)

(二)前髙翔太(営3=熊本工業)


山田隼(総3=木更津総合)




馬場涼輔(総3=九州学院)


(捕)高山亮太(総2=三重)


秋元俊太(済4=木更津総合)




政所蒼太(営4=天理)


(中)大城戸陸琥(総2=九州学院)



山内教輔(総2=東海大相模)




3511


・投手成績

勝敗名前回数球数被安打四死球三振失点自責点

大坪廉(総3=智辯学園)7 1/382

石澤順平(総1=木更津総合)1 2/325
飯塚遥己(営2=常総学院)0 1/3

向髙滉人(営4=報徳学園)0 2/315

 


 何とか1勝をつかみたい一戦。サヨナラ負けから一夜が明け、再び國學大に挑んだ。先発はリーグ開幕前「完投したい」と意気込んでいた大坪(総3=智辯学園)だ。7回1/3を1失点に抑え、先発投手としての役割を果たした。打線は四回、花田(総4=大阪桐蔭)のソロ本塁打で今季初の先制点を奪うも、追加点を挙げられず。1ー1の同点で2戦連続の延長タイブレークへもつれ込んだ。表に國學大に4点を取られ、その後1点を取り返すも2ー5で敗戦。4連敗で2カード目を落とした。


今季初のソロ本塁打を放ち、笑顔でベンチに戻る花田


 大坪は立ち上がり、いきなり1死三塁のピンチを背負う。絶対に先制点を渡したくない東洋大は全身守備のシフトをひいた。一方の國學大は4番・立花がスクイズを仕掛けるも、大坪が冷静に処理して2死。最後は見逃し三振に仕留め、力強く声をあげた。

 この試合、東洋大は昨日からスタメンを5人入れ替えて挑んだ。初回の攻撃、2死から今季初スタメンの冨安(営3=履正社)が右前安打で出塁した。後続は倒れたものの、思い切った打線変更が早くも効果を感じさせる一打となった。

 四回には池田(営4=三重)が一塁強襲の当たりに果敢なヘッドスライディング。アウトとなったが、主将の必死のプレーが東洋大ナインの士気を大いに高めた。そして2死で迎えた4番・花田の打席。國學大の先発・中井から左翼フェンスを超えるソロ本塁打を放った。今季初の先制点に東洋大ベンチが沸いた。


ピンチを切り抜け、ハイタッチを交わす大坪と高山


 大坪は六回まで走者を背負いながらも、本塁は絶対に踏ませず。粘りの投球で試合を作った。

 七回表、先頭打者に安打で出塁を許した。そして、盗塁からの犠打で、國學大打線に巧みに攻め立てられ、1死三塁のピンチを招いた。ここで井上監督がマウンドへ。一度間を置いて、大坪を落ち着かせる。しかし、その直後、代打・黒木(國學大)にスクイズを決められ、ついに初失点。試合は再び振り出しに戻った。

 その裏、髙中(総2=聖光学院)が安打で出塁し、犠打で二塁へ進む。ここで、この日スタメンを外れていた吉田(営4=龍谷大平安)が代走として起用された。続く、前髙(営3=熊本工業)の左安打で吉田は本塁へ必死のヘッドスライディング。一瞬セーフに見えたが、判定はアウトに。あと一歩及ばず、この好機をものにできなかった。

今季初安打を放った吉田


 八回表、1死から二塁打を許したところで大坪は降板。ここまでの好投に、スタンドからは大きな拍手が送られた。2番手投手としてマウンドに上がったのはルーキー・石澤(総1=木更津総合)だ。落ち着いた投球で國學大の3番、4番を相次いで打ち取り、堂々とした姿を見せつけた。そして、石澤は九回も続投。二者連続三振でこの回を三者凡退に抑え、最終回へ望みをつなげた。

 九回裏、代打・金刺(営2=横浜)が右前安打を放つも、この日4度目の併殺打で2死走者無しとなる。それでも途中出塁の吉田が今季初安打をマークし、勢いよく右手を突き上げた。続く中村(営3=拓大弘陵)も二安打でつなぎ、2死一、二塁の好機をつくる。ここで國學大はエース・當山を投入。山田(総3=木更津総合)がストレートの四球を選び、満塁としたが、政所(営4=天理)が三振に倒れ、試合は2日連続の延長タイブレークへと突入した。

2番手投手の石澤 

 十回、走者を一、二塁に置いてスタート。國學大は犠打を試み、捕手・政所が三塁へ送球するも、判定はセーフに。果敢に攻めたプレーであったが、無死満塁とピンチを拡大してしまった。続く打者に適時打を許し、逆転されたところで石澤は降板。飯塚(営2=常総学院)、そして向髙(営4=報徳学園)へと継投した。しかし、飯塚の暴投や向髙の押し出し四球などが絡み、この回4失点。厳しい展開で最後の攻撃へ挑むこととなった。

 どんな状況でも諦めない東洋大ナインは1死一、三塁から宮下(総4=北海)の三ゴロの間に1点を返し、反撃。さらに池田が内野安打でつなぎ、2死一、二塁と好機を広げたものの、最後は金丸(営3=上尾)が中飛に倒れ、2ー5で試合終了となった。

 打線は11安打と復調の兆しを見せたものの、4度の併殺打や犠打の失敗が重なり、得点につなげることができなかった。

 3試合連続でマルチ安打を記録した池田


 一方、光明となっているのはドラフト志望を出している主将・池田だ。ここ3試合連続でマルチ安打を記録するなど好調を維持している。さらにベンチやグラウンドで声を張り続ける姿はチームを鼓舞し、苦しい状況でも仲間を前向きにさせている。

 次戦は、春季リーグ開幕で2連敗を喫(きっ)した亜細亜大との一戦。連敗脱出、そして巻き返しへ向けて重要なカードとなる。春の雪辱を胸に、ナインがどのような戦いを見せるのか注目だ。


TEXT/PHOTO=山本華子


◾️コメント

◇井上監督

ーー今日の投手陣については

実際、ピッチャーは頑張ってますよ。(次の3カード目から)野手を入れ替えます。僕が割り切ってやるって言ったので。あとはお前らがどう割り切ってやるかだって今日の朝も昨日も言ったんです。メンバー入れ替えたでしょ?もっと入れ替えます。


ーータイブレークについては

タイブレークはこの春から勝てる気がしません。春も1回しか勝ってないと思うんですよ。弱すぎますよね。踏ん張れない奴らばかりですから。


ーー立て直すというところで言うと

(打順を)入れ替えます。来年も入れ替え線も見据えて。僕はそのつもりでいます。


ーー國學大の先発投手、1年生の中井投手に1発出ましたけど、苦しめられた?

僕は打席に立ってないから分からないですけど、どうして打てないのかなと。 僕は一人一人の気持ちの問題だと思いますよ。 本当に勝負してやろう、やってやろうという気持ちが足りないんだと思います。 練習してないわけではないはずなので。


ーー九回ノーアウトで1塁出て、花田君のバントが1回ファールになった後、タイムをかけられましたが

長打を打てるような球は来ない、外しかないから、どんどん1本絞っていけって言っただけです。考えてやっていたら、大体来る球なんか想像つくと思うんですよ。考えないでやるからこういう結果になるんです。相手がいることなので、いつもちゃんと考えてやれって言っているんですけどね。


ーー4年生については

ダメだったら出しません。最初からいいやつを使ったほうがいいと思いますし、僕の仕事はチームを勝たせることなので。


ーー池田さんや花田さんであっても、スタメンから外すということもあるのでしょうか。

いや、もちろんそうです。チームが勝つためにいいやつを使うだけの話です。


ーー今後出てきてほしい選手も試合に出ていないメンバーにいらっしゃいますか?

一応今のベンチ内でやりくりするしかないんですけど、今、下から持ってくるほどの選手はいないので、打順や出るやつをいじってみたりするくらいです。


◇大坪廉(総3=智辯学園)

ーー今日の試合をチームとして振り返って

1点で抑えたので、援護がほしいですね。


ーー自身の投球で良かったところは

ちゃんとコースに投げれて、要所要所を締めれたのでそこは良かったです。


ーー次の登板までに直したいところは

今日は悪くなかったので、気持ちを整えるくらいです。負けは負けなので、切り替えることですね。


ーーもっと長いイニングを投げたかった?

完投したかったんですけど、点がなかなか入らなくて、難しかったです。


◾️次回の試合予定

10月7日(火)9時00分〜

1塁側後攻

@明治神宮野球場