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第31回関東大学女子駅伝対校選手権大会
10月4日(土)
千葉県・印西市千葉ニュータウン周回コース
12位 東洋大学 1:59'29
1区 渋谷菜絵 14'30(区間13位・13位通過)
2区 髙木杏珠 10'06(区間14位・13位通過)
3区 住野友理 29'48(区間13位・13位通過)
4区 松木七光 19'37(区間12位・13位通過)
5区 平方杏奈 25'52(区間11位・12位通過)
6区 峯尾沙也夏 19'36(区間12位)
4日、印西市千葉ニュータウンの周回コースで、第31回関東大学女子駅伝対校選手権大会(以下、関東女子駅伝) が行われた。シード校を除いた上位6校が26日に行われる第43回全日本大学 女子駅伝対校選手権大会 (以下、全日本女子駅伝)への出場権を得るこの大会で、東洋大は12位。この大会で出場を決めることはできなかったが、5000mの記録枠により、出場権をつかんだ。

今年の東洋大学女子駅伝部が掲げる目標は、全日本大学女子駅伝での「9年ぶり2度目のシード権獲得」。悲願の シード権獲得に向けて、まずはその出場権を得る大会が繰り広げられた。
主将でエースの中才茉子、副主将の篠塚未来ら、チームの軸となる4年生がエントリーから外れた中、1区を担ったのは渋谷菜絵。チームの流れを決めるこの区間で、「自分が走らないと」と、責任感を抱えてスタートラインに立った。
今年の1区は上位3人までが区間記録を上回るハイレベルなレースに。それでも、「本来だったらついていけるペース」だったというが、状態がうまくかみ合わず。苦しい走りになったなか、懸命に中継所を目指し、出場権ラインまでは4秒の13位でたすきをつないだ。

渋谷からたすきを受けたのはルーキー・高木杏珠。「すごくきつそうだったけれど最後の力を振り絞って渡してくれたので、その気持ちに応えようと思った」。渋谷の思いを受け、前を走る集団を追うが、「なかなかそこに追いつくことができずに、タイム差が開いた状態で渡すことになってしまい、申し訳ない」と悔しさを語った。

たすきはエース区間の3区へ。最長となるこの区間を住野友理が担う。「少しでも前に」と、13位で受けたたすきを胸に各校のエースと渡り合う。単独走の中、エース区間で順位をキープして走り抜いた。

続く4区は松木七光。調子が上がらず、「不安が大きい中でのレース」だったというが、笑顔でたすきを受けると懸命に前を目指す。第3中継所では1分11秒差だった立教大に2秒差にまで迫る走りを見せた。

5区はルーキーの平方杏奈。スタートすると立教大を交わし、単独12位で激走。1年生ながら区間11位の走りを見せたが、「現状として戦えるレベルではないと痛感した」と悔しさをにじませた。

アンカーを任されたのは峯尾沙也夏。順位を決める大役にも、「楽しく走れた」と振り返る。序盤から飛ばして入るも、最後まで単独走の展開となり、12位でゴールテープを切った。

エース不在の苦しい状況の中、大きく崩れることなくたすきをつなぎ、12位でゴールとなった鉄紺女子。記録枠トップで全日本大学女子駅伝への切符をつかんだ。
26日に行われる全日本大学女子駅伝。9年ぶり2度目のシード権獲得を掲げる東洋大は、新たな歴史を刻むため、悲願の達成に挑む。
◇渋谷菜絵
ーーレースを振り返って
今回、初めて関東(大学女子駅伝)で1区という形で、「自分がいい流れを作って、後半勝負できる位置で」と思って、調整などいろいろやってきましたが、結果として、全然役割を果たせなくて、悔しいし、申し訳ないなという気持ちです。スタートから足が本当にきつくて、まったく動かなくて、勝負にならなかったです。
ーー上位3人は区間記録だったが、最初からハイペースだったのか
本来だったらついていけるペースではあったんですが、自分の状態がいまいちうまく合わなくて。速く感じました。
ーー他大会では1区を務めることも多かったが、経験が生きる部分もあったか
1区に対しては前向きなイメージがあったので、1区だから気持ち的に滅入るようなことはなかったので、そこは今までの経験が生きていると思います。今回の走りに関してはなかなか生かしきれなかったです。
ーー今大会は唯一の4年生からの出走となったが
みんなけがとかで、走れる4年生は自分だけになってしまって。
ーープレッシャーなどはあったか
そうですね、自分が走らないとという部分は強くありました。
ーーこれからに向けて
まだ全日本(女子駅伝)に出場できる可能性は残っているので、まずそこを確実に出たいというのと、全日本ではこの悔しさを挽回したいので、練習やチーム作りを頑張って、チーム全体でやっていきたいと思います。
◇高木杏珠選手
ーーレースプランは
イーブンペースで、前に人がいたら追い抜くと言う気持ちを忘れずに。いい流れで(住野)友理先輩にたすきを渡そうと考えていました。
ーーたすきをもらった時の心境
(渋谷)菜絵先輩がすごくきつそうだったけど、最後の力を振り絞って渡してくれたので、その気持ちに応えようと思いました。
ーーレース展開は
前に集団が2、3人見えた状態で走っていたが、なかなかそこに追いつくことができずにタイム差が開いた状態で友理先輩に渡すことになってしまい、申し訳ないと言う気持ちです。
ーーチームの結果を振り返って
総合10位以内に入って全日本出場を目指していたので、その目標に辿り着くことができなくてとても悔しいですが、タイム枠がまだ残っているのでそれを信じて待ちたいと思います。
◇住野友理選手
ーーレースプランは
たすきをもらった時にだいぶ前と離れていて、単独走になったので、「少しでも前に」と思って。落ち着いて徐々に詰めていこうと思って気持ちで走りました。
ーーたすきをもらった時の心境は
自分が想定していたよりは遅い位置だったので焦りもあったのですが、自分のところで前と詰めようと思いました。
ーーレース展開について
冷静に焦らずと思ったのですが、最初からうまく流れに乗れずに。1つ順位は上げられたのですが、その前には離されてしまって、いい流れに持っていけなかったと思います。
ーーチームの結果を受けて
この関東で全日本(大学女子駅伝の出場権)を獲ると言うことを目指していたのですが、今回は及ばずでダメでした。まだ(記録枠)でのチャンスがあるのでそれをつかめるように頑張ります。
◇松木七光
ーーレースを振り返って
もともとあまり調子がよくなくて、不安が大きい中でのレースでした。この状態の中でのこの結果が妥当なのかなと感じています。本当はもっと、あとキロ7~8秒くらいはあげたかったのですが、なかなか上がらず。途中もペースが下がってしまったので、まだまだこれから全日本に向けて調子を上げていかないとなと思っています。
ーーレース展開的には、終始単独走という形だったか
そうですね、単独走で、いかに前に行けるかという感じだったんですけど、前が見えている中で、なかなか追いつけなくて。逆に後ろからきてしまっている感じだったので、きつかったですね。
ーーたすきを渡す際の心境は
本当はラスト100m、200mでもっとあげたかったんですけど、思うようにいかずに、だらだらと上がらずにそのままという感じで。なんとかたすきはつながるようにということしか考えてなかったです。
ーー今後に向けて
明日で全日本(大学女子駅伝)に出場できるかが決まるのですが、もし出場できたら、少しでも状態をあげて、自分のベストなコンディションで走れるように練習していきたいと思います。
◇平方杏奈
ーーレースプランは
前にいるチームを1つでも多く越していくと言うことです。
ーーたすきをもらった時の心境
順位で(の全日本女子駅伝出場を)狙っていたので、その順位より下だったということや、距離も長いということもあって不安が大きかったです。
ーーレース展開は
立教大学さんと同じくらいでたすきを受け取って一緒に走って、途中からは単独走になったのですが、そこがまだ足りないと思いました。
ーープレッシャーがかかる場面にも関わらず、たすき渡しの時に笑顔が見えたが
たすき渡しの時は、できるだけ笑顔でということは気をつけていました。
ーーチームの結果を振り返って
現状として戦えるレベルではないと言うことを全員が理解したし、自分も走らせてもらって1番痛感したので、もっと1個1個の質を全員が上げて、みんなで目標に向かっていかなければいけないなと思いました。
◇峯尾沙也夏
ーーレースを振り返って
自分的には楽しく走れたし、そんなに悪くはなかったかなと思います。
ーーたすきを受ける時の笑顔が印象的だったが、プレッシャーは感じていなかったか
そうですね、プレッシャーはそんなに感じていなくて、自分にできる走りをできればいいなと思っていました。
ーーレース展開は単独走だったか
はい。前があまり見えなくて、どうにか追いつきたかったので最初突っ込んだんですけど、結局見えなくて。前も後ろもわからない中でのレースでした。
ーーチームの結果としてはどのように受け止めているか
4年生が出られなくなってしまって、自分が出られたという部分もあるので、その分走れたらいいなと思っていたのですが、あまり力になれなかったので…。全日本で出られれば、自分の力を出したいなと思います。
ーー今後の目標
個人としては、全日本(女子駅伝)も富士山(女子駅伝)も出走を目指してチームに貢献したいですし、チームとしては入賞ラインに入っていきたいです。
TEXT=近藤結希/PHOTO=近藤結希、髙梨美遼、窪内彩乃、佐藤結芽

