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2025.10.14
硬式野球

[硬式野球]新星・石澤が流れを作り、エース・島田が完璧に締める”木総リレー” 井上采配ズバリで勝ち点1奪取/亜大3回戦

[硬式野球]東都大学野球 秋季1部リーグ戦・亜大3回戦

10月9日(木)明治神宮野球場

○東洋大1ー0亜細亜大


亜細亜大

0 

0 

0 

0 

0 

0 

0 

0 

0 

0 

東洋大


石澤、島田ー政所

二塁打:吉田、池田(一回裏)


・打者成績

打順

守備

名前

打数

安打

得点

打点

(一)

髙中一樹(総2=聖光学院)




(二)

吉田元(営4=龍谷大平安)


(三)

池田彪我(営4=三重)


(右)

花田旭(総4=大阪桐蔭)




(左)

山田隼(総3=木更津総合)





山内教輔(総2=東海大相模)





(遊)

宮下朝陽(総4=北海)




(指)

前髙翔太(営3=熊本工業)





打→指

中村瑠斗(営3=拓大紅陵)




(捕)

政所蒼太(営4=天理)




(中)→左

秋元俊太(済4=木更津総合)






25



・投手成績

勝敗

名前

回数

球数

被安打

四死球

三振

失点

自責点


石澤順平(総1=木更津総合)

3 

39    

1 

0 

0 

島田舜也(総4=木更津総合)

71 




            リーグ初先発の石澤

           二塁適時打を放った池田

        池田の二塁打でホームに生還する吉田

        6回1安打で抑えたエース・島田



 

 絶対に負けられない亜大・3戦目。両チームの投手が好投を繰り広げ、試合全体の安打数はわずか5本。厳しい投手戦が続いたが、そんな中でも東洋大は初回の先制からリードを守り抜き見事、勝ち点1を獲得した。


  勝ち点がかかった大事な一戦に先発を任せられたのはエース・島田(総4=木更津総合)ではなく、1年生の石澤(総1=木更津総合)だった。井上監督は「面食らったと思いますよ」と、相手の裏をかく采配にニヤリ。石澤はその期待に応え、3回無失点と落ち着いた投球を見せ、軽快に亜大打線を打ち取った。テンポの良い投球で打者を翻弄し、チームに流れを呼び込む堂々たる内容。新人らしからぬ冷静さと度胸で、頼もしい存在感を放った。


 1回裏、2番・吉田(営4=龍谷大平安)の打席。投じられた4球を見送り、カウントは2ボール・2ストライク。追い込まれた5球目を迷いなく振って行き、フェンス直撃の二塁打を放った。この結果に吉田は勢いよく拳を突き上げ、ベンチに向かって大きく吠えた。続く打者は前日の試合で逆転の三塁打を放った池田(営4=三重)。「1球で仕留める」と長打でチャンスをつかむために意気込んだ。その言葉通り、ファーストストライクを豪快に振り抜き、左翼手を越える二塁打で1点を先取した。


 初回の攻撃で打線好調と思われたが、その後は、齊藤(亜大)の好投に倒れ、安打なしとリードを広げられることはできなかった。そんな中でも選手は落ち着いた様子で守備を固めていた。


 石澤に変わり、ついにマウンドに姿を現したのはエース・島田だ。この継投について、島田は「後半の厳しいところが不安だったので自分が先発するよりも後半に回る方がいいと思った」とエースらしい責任感のある考えを語った。1点差と緊迫した試合展開でも完璧な投球で6回1安打に抑えた。

 

 島田は、初戦(駒大戦)の登板で体力がなくバテてしまったと語っているが、この試合では9回に最速151キロを記録。「出ないと思っていたのでびっくりした」と自身の可能性に驚きを見せた。今秋から手応えを感じているカーブに加え、スライダーやフォークを使いこなし、変化球の幅を広げている。よりまっすぐが生きるような配球に変え、その緩急がはまり、最後は150キロの直球で見逃し三振。見事、勝利を掴んだつかんだ。


 亜大に2連勝し、勝ち点1。続くカードは開幕から6連勝で勝ち点3を積み上げ、盤石の戦いぶりを見せている青山学院大だ。強い相手でも同じ大学生ということを忘れずに自信を持って戦いに挑んでほしい。



◼︎コメント

◇井上監督

ーー今日の試合を振り返って

勝ち点がかかる苦しい試合でしたけど、こいつらも勝つ喜びは知ってるはずなんで、僕は昨日の勝ちの方が嬉しかったです。


ーー昨日の試合からの変化

昨日からリラックスはしていたと思います。打てなかったけど今日も気持ちはリラックスしていたのでよく守り切ったなと思います。


ーー先発・石澤選手について、島田選手と逆にした理由は

それも考えましたけど、話し合いで最後は島田が石澤に行けよって言った記憶があります。僕も帰りの車の中で石澤で行けるんじゃないかと思っていたのでもうそこは本人とも話し合いをしながら決めました。


ーー8回にブルペンに足を運ぶ様子があったが

他の選手に変えようとかはなく、ただちゃんとやってるかなと思って。深呼吸しろっていうのと大丈夫だから安心して投げろっていうのは伝えました。


ーー来週に控える青学戦について

苦しかったけど、やっと(勝ち点が)取れました。厳しいゲームを勝ちきった。自信をもってやればできる、という証明にもなったので目の前のゲームを勝ちに行くだけです。



◇島田(総4=木更津総合)

ーーなぜ先発を石澤に任せようと思ったのか

本人が先発で投げたいって言っていたのもあるんですけど、亜細亜大の1戦目をみて他の選手に任せられない、不安だなと思ったので自分が後ろに回った方がいいと思って決めました。


ーー体力面で不安があると言っていたが、今日は9回で本日最速の151キロがでていたがそのことについて

自分でも出ないと思っていたのでびっくりしました。


ーー変化球を軸に投げているように伺えたが、ピッチングにどんな変化があったのか

まっすぐの調子が悪かったわけではなくて、カーブに手応えがあったので、変化球を軸に混ぜたらまっすぐが生きるかなと思ってモデルチェンジをして駒澤戦から変えました。


ーー次戦の青学戦について

強い相手でも同じ大学生なので悪く考えないで力負けしないようにみんなで調整をしっかりして自信を持って試合に挑みたいと思います。



◇石澤(総1=木更津総合)

ーー先発を任せられてどうだったか

先発はやってみたかったので、逆に先発島田さんよりは自分の方が楽に出せるかなと思いました。


ーーリーグ初先発で先輩方からはどんな声をかけられたか

頑張れよ、楽に取ってこいよと声をかけてもらいました。


ーー残す2カードへの意気込み

点を取って入れ替え戦が見えなくなったのでこれからの試合も本気で投げていって少しでも流れを作っていけるように頑張りたいです。


TEXT=吉田妃莉 / PHOTO=山本華子、鈴木真央、吉田妃莉